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過労死寸前の若者
2010年03月18日(木)
不景気は弱い人を襲います。風邪で受診する若者と話をしていて感じます。しつこい咳やヘルペスの原因は睡眠不足です。2つ3つの仕事を掛け持ちして、1日14時間以上労働している若者が結構受診されます。
毎日14時間以上働くと、必然的に睡眠時間は4時間位になります。月に1回の休みも取っていません。当然、病気になり、まさに倒れるように受診されます。「明日は休みなさいね」と言っても、首を横に振り、「風邪の点滴」を要求してきます。
体や衣服にしみついたタバコの匂いで、私まで息がつまりそうになります。ニコチンの呪いにも冒されています。JTと言う会社はこのような若者から搾取しても平気です。まさに「覚せい剤」と同じ働きです。
若者だけではありません。私自身もついつい過労になりがちです。「50歳を超えたら1日12時間労働は止めよう」と目標をたてて生きてきましたが、なかなか達成できません。
私は産業医かつ労働衛生コンサルタントです。企業を回って、「月に80時間以上の時間外労働をしている方」の指導をしています。この労働衛生法規は事業主には適応されません。労働者が過労死したら大事件ですが、事業主が過労死しても単なる笑い物で、終わりです。
病院勤務医時代は、月の時間外労働は今にして思えば軽く200時間を超えていました。一方、開業医も結構な時間外労働をしています。実際に40歳代で過労死した開業医も知っています。そのように考えると、過労医が過労労働者を診ていることに気がつきます。
病気の元をたどれば、過労と睡眠不足に行きあたります。
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この記事へのコメント
長尾先生、胸が詰まります。長時間労働且つ人間の生死に係わっておられる毎日。。
「気をつけねあかんやん」しか申せません。」と言うのは
長尾先生のような熱血漢溢れる在宅医をもっと拡めていただきたいからです。
現実は厳しいのですね。「頑張ってください。気をつけてください」の矛盾!
Posted by 狭間紀代 at 2010年03月19日 12:37 | 返信
不景気の中で、12時間くらいの労働はもはや当たり前になりつつあります。
昔のように著しい経済成長があれば、九時五時が当たり前なのかもしれません。
物理的に、色んなところで便利になっている分、人ひとりに強いる仕事量が増えているように思います。
先生の病院では、先生以外のスタッフの方への配慮はどのように行っていますか?
現代社会は、先生がお考えのように若者が生きていくのにホント厳しい社会です。
私の職業上、若者と接する機会があるのですが、彼らは意外と現実的にものごとを考えています。
ゴリゴリした団塊の世代特有の「我」がありません。
どの時代にもバグがあるように、現代のバグは、おそらく近い将来ウィルス級の不具合に進展するものだと私は感じています。
Posted by 通りすがりの at 2010年03月20日 11:01 | 返信
通りすがりの、さま
ありがとうございます。12時間労働ですが、やはり、現実は厳しいのですね。
私の職場でもついつい職員が過重労働になりがちで、常に悩まされています。
特に訪問看護は、希望者が少なく、一部の看護師の仕事量が増えてしまう傾向です。
労働基準法はもちろん守りますが、それでも現実は厳しい。
Posted by 和 at 2010年03月22日 10:16 | 返信
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