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家族介護は、施設介護に勝る
2010年03月17日(水)
家族介護は、施設介護に勝る。そんなあたり前の事実を日々、在宅医療に携わっていると、再確認させられます。病院で半年間、寝たきりかつ胃ろう栄養で廃人のようになっていた患者さんが、自宅に戻ってきて、はや3ケ月たちました。予想を遥かに上回る回復ぶりに、驚いています。この家族あってのこの回復だと、教えて頂きます。
何も食べられなかったのが、半分ぐらい食べられるようになりました。味も分かっています。それだけでも凄いのですが、言葉も驚くほど豊かになりました。ご家族や医療者・介護者を気遣う言葉や繊細な言葉が発せられます。受動坐位が可能となり、自動坐位までできるようになりました。今月末には車椅子での外出予定を組みました。
すべては、家族3人の介護の成果です。介護とは愛情だと教えられます。その愛情は、患者さん本人の実力だとも感じます。その患者さんは、長年、家族をとても大切にしてこられました。
決して家族介護を賛美しているわけではありません。もし女性運動家が見たら怒るでしょう。「いい嫁は介護保険の敵だ」と。私はただ事実を書いているだけです。介護の社会化というコンセプトで10年前から、介護保険制度ができました。素晴らしいことです。しかし万能ではなく、過信は禁物です。
こんな時代ですが、「家族介護」という言葉はまだ生きています。
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この記事へのコメント
栃木県警の発表によれば昨年中に県下で扱った遺体(交通事故を除く)3192。うち犯罪にかかわるもの14。ご時世とはいえ3000人は医師の死亡診断書は受けられなかった、ということではあるまいか。65歳以上の高齢者が65%も含まれることは暗澹たる思いがします。検視官も倍増、簡易MR等死因究明機器の導入、医師偏在は地方都市を悲惨にし孤独死が増える現実はどうすればいいのか。
Posted by さすらいの、、、 at 2010年03月17日 05:10 | 返信
わたしも先生と同じようなケースに時に巡り逢うことがあります。1年前には頑なに胃瘻拒否して、回復期リハの医者に「人殺し」扱いされた家族と一緒に本人を退院させましたが、今は拘縮した足で歩行訓練までしています。この時、家族が「死んでもいいから連れて帰ります!」と言うてくれたので帰れましたが、わたしにはまだその根性がありません。長尾先生なら「僕が責任とるから!」とおっしゃってくださるのでしょうね。
Posted by 上村 at 2010年03月17日 09:22 | 返信
さすらいの、、、さん
とっても参考になるデータ、ありがとうございます。
約4%が犯罪がらみですか。
確かに「犯罪」と紙一重の世界だと思います。
海堂尊氏が主張されているCTやMRIを用いたAI(オートプシーイメージング)は
現代の日本には必要だと思います。突然死は多いし、遺恨を残しますから。
しかし、残りの90%のうち半分近くは、在宅主治医がいなかったのではないでしょうか?
かかりつけ医を活用すれば、死亡診断書が書いてもらえなかった3000人の何割かは不要に
なると思います。
もっとも厳しい経済事情の中、我々が診ている在宅患者さんは氷山の一角にすぎないという
意見もあります。
迷われるご家族に、私は「在宅主治医を持つことは、セコムに入るようなもの」と
説明しています。この説明が正しいか、もうひとつ自信がありませんが。
Posted by 和 at 2010年03月18日 02:48 | 返信
上村さん
家族がそう言ってくれるケースがときどきあります。
もちろん「僕が責任をとる」と言います。
いま気がつきましたが、これは医師だから言える言葉なのですね。
医師だから「言える」し、「訴えもされる」・・・。
Posted by 和 at 2010年03月18日 02:51 | 返信
そう、訴えられますね・・・
でもそのときは我々が先生をお守りいたしますので!
Posted by 上村 at 2010年03月21日 10:48 | 返信
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