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末期がんでも要支援1

2010年04月18日(日)

在宅現場にいると首をかしげる事例が沢山あります。先週あったのは、末期がん患者さんの要介護認定が要支援1でした。ベッドも借りられません。しかも亡くなってから、審査結果が家族のもとに来ます。診断書を書いた主治医には来ません。

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認定結果が出ただけマシです。ベッドを導入するも認定調査までに亡くなるケースもあります。その場合、全額自費になります。亡くなってショックを受けている家族に追い打ちをかけるような自費話は気の弱いケアマネさんはできません。従ってケアマネが自腹を切るか、事業所がかぶる事になります。

 

かくしてケアマネは疲弊します。

 

ボランテイア以下です。ボランテイアなら収入はありませんがが、お金を取られることはありません。ケアマネさんは時には、お金もプライドも取られます。可哀そうすぎます。3Kから逃げるケアマネさんがいるのも理解できます。

 

末期がんの平均在宅期間は約1ケ月。早い人だと、2、3日です。亡くなる前日まで自分でトイレに行って、食べる人もいます。末期がんのQOL低下は、一般の方や病院医療者が想像しているよりずっと急激です。しかし介護認定調査に要する期間が1ケ月ですから、
こんな悲劇が繰り返されています。

 

規則が現状とマッチしていないのです。介護保険は、老衰のような緩やかなQOL低下のみを想定しているのです。マッチしていないなら、変えればいいだけです。しかし硬直化した組織ばかりでは、簡単な変更すらできません。

 

現場と霞が関の連携が重要です。「多職種連携」という言葉は、在宅現場スタッフ、官僚、政治家、市民、患者会の連携も意味しています。

 

今夜は深夜まで、日本ホスピス在宅ケア研究会の副理事長の黒田裕子さんと理事の藤田敦子さんからも、同じ悩みを共有しました。

 

では、どうすればいいか?
●主治医意見書に、末期がんのチェック項目を加える。
●そこにチェックがあれば無条件に要介護3以上とする。
●主治医意見書は勤務医では無く、地域かかりつけ医しか書けないようにする。
(病院の医師は訳のわからない雑用が減って喜ぶ)

 

たったこれだけで、日本の医療は救われます。社会的入院が減り経済的にも削減されます。

 

さっそく、医師でもある梅村聡議員に、「まず、ここからでも、なんとかして欲しい」とお願いしました。

 

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この記事へのコメント

地域でケアマネをしています。
今回のテーマ、私にとって非常にタイムリーな話題です!!
在住する姫路市は、難渋するがん末期の認定システムに対して、姫路医市介護サービス第三者評価機構のメンバーが中心となって地道な調査を実施しその内容を市に提言してくださった結果、
がん末期の認定調査を至急扱い(条件つきですが)とするという対応を取ってくれるように
なったようです。
大きな進歩です。感謝です。!!!!

しかし、未認定という問題はまだ完全には解決されていません。
早すぎる申請は今回のように要支援となるという問題もあるのですが、
しかし認定さえとっておけば何とか自費は免れます。
早めの申請が必要と考えます。

さらに、第2号被保険者の申請条件に「がん末期」という「末期」という文言が
必要なのでしょうか?
この「末期」という表現が申請を躊躇させ時期を遅らせている大きな要因と私は感じます。
このことは、ケアマネ学会で報告できればと思っています。
在宅療養を選択したということは、そのことだけでも自律した人生の選択であると思います。
その思いを支えられるシステム作りを願います。

Posted by 田口かよ子 at 2010年04月20日 12:01 | 返信

長尾です。
田口さま。貴重なご意見、ありがとうございます。
「末期」をつけるか否か。
確かに迷うところです。
「末期」の明確な定義はありません。
生命保険では「余命6ケ月以内」を末期と定義し、
在宅医療では「おおむね3ケ月以内」と言われているようです。
まあ医者が、「末期」といえば「末期」になります。
世の中には、たとえ形式的であっても区別は必要です。
通常車両と緊急車両は、道路交通法上の扱いが違います。
通常往診と緊急往診も明確に区別されています。
がんも、再発慢性期と末期の区別は、必要です。
介護認定も、「末期」にマルをすることで、特別扱いしようと
いう考えです。あくまで便利な方法をみんなで考えるだけです。
ですから、「末期」という文言は必要だと私は考えます。

Posted by 和 at 2010年04月22日 12:49 | 返信

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