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病院と診療所をどう使い分けるか?

―朝日新聞WEBサイト アピタルブログより(第3回)―

2010年04月23日(金)

みなさまの主治医は、病院と診療所のどちらでしょうか?
名医図鑑を見て病院に主治医をお持ちの患者さんもいれば、口コミを聞いて近所の開業医を主治医やかかりつけ医だという患者さんもおられるでしょう。

癌や難病といったちょっと厄介な病気の方は、両方に主治医をお持ちの方もおられます。

一体、どれが一番いいのでしょうか?

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実は両者の長所と欠点を知って両者をうまく使い分けるべきです。
両刀使いは全然OKなのです。
特に難しい病気なら病院の専門医は必須ですが、風邪をひいた時には近所のかかりつけ医も持っておくべきです。
みなさん、意外と知りません。

病院や診療所の先生に簡単な紹介状をお願いすれば、必ず書いてくれます。
正式には「診療情報提供書」といいますが、どこの病院や診療所に行くにせよ、この手紙を持って行った方が扱いは断然よくなります。

これは、「地域医療連携」というシステムで必ず覚えておいてください。
最近、この「地域医療連携」の考え方が、医療界全体に浸透してきました。
1人の患者さんを「病院の専門医」と「地域のかかりつけ医」が協力して診ることがむしろ普通になってきました。

インスリン治療、C型肝炎のインターフェロン治療、簡単な抗がん剤治療は、医療連携で行うことがむしろ普通になってきました。
いまだに「浮気をしては病院の先生に申しわけない」と考える方もおられます。律儀な方です。
しかしもはやそんな時代ではありません。

地域の開業医は身近な相談相手でもあります。
どの病院に行けばいいのか分からない時は、まず地域の開業医に相談して紹介状を書いてもらいましょう。

病院の方でも紹介状を持ってきた患者さんと、持たずにきた一見の患者さんをちゃんと区別しています。
紹介状の有無で医療費が異なることも知っておいてください。
一見さんの方が高くなります。

開業医も2分化しつつあるようです。
専門医志向と総合医志向です。
私自身、消化器病の専門医ですが、糖尿病もリウマチだけにとどまらず軽いうつ病の方も沢山診ています。
いわば何でも屋です。
そのための修行の毎日とも言えます。

診療所は、特定の病気以外は診ない純粋な「専門クリニック」と、広く門戸を開いて診療し、かつ往診や在宅医療も行う
「プライマリケアクリニック」に分かれつつあるように感じます。

後者はミックス型診療所とも呼ばれています。
当院は、複数医師による典型的なミックス型診療所です。
しかし年中無休、日祝でも3診体制のクリニックとなればおそらく日本中に唯一無二でしょう。脱線しました。
同じ診療所に見えても、どちらのタイプなのか見極めておくことも大切です。

診療所もクリニックも医院も同じ意味です。
法律的には世の中には「病院」と「診療所」の2つしかありません。
蛇足ですが両者の再診料は、この4月に統一されました。
診療所にはベッド数19床以下の有床診療所も含まれます。

病院も急性期病院と慢性期病院に分かれます。
両者はさらにいくつかの区分があります。

診療所の医師を開業医と呼びますが、当院のような複数医師の診療所に勤務する医師の呼び名はまだ無いようです。
強いて言うなら「診療所勤務医」でしょうか。

勤務医と開業医は、業務内容につけ、収入につけ、生活につけ、何かと比較されます。
同じ医者でも両者は違う人種のように見られがちです。

開業医は必ず勤務医を経ていますが、逆はありません。
開業医は勤務医の気持ちがよく分かりますが、勤務医は開業医の気持ちがあまり分からないこともあるようです。
確かに両者の間には、正直なところ少し意識の差があるようです。

有名な「日本医師会」は、弁護士会と違って、医師全員が加入しているわけではありません。
開業医中心の集まりであることへの反省から、現在、大きな岐路に立たされています。

みなさまには、病院と診療所をうまく使い分けて、時には両刀使いになってほしいと思います。

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この記事へのコメント

私は両刀使い、大賛成です。
利用者様が実際にそうされていて安心な生活を過ごされている方が何人もいらっしゃいます。

また、お医者さんに関する質問を受けた場合は私は中立的な発言しかできませんが、
選択肢のひとつとして話します。

開業医と大きい病院のどちらも多い地域ですのでお勧めすると「近いしなあ。」と
割に上手に利用者様が判断して使い分けて下さいます。

でも私は逆に長尾先生のようなクリニックさんがほしいです。

ドクターショッピングされる方も時々いますが、相性もあるので仕方ないと思いますが、必ず、薬手帳持参と、私に行く前に言ってくれることを約束してもらいます。

なるべく付き添います。院内はヘルパーさん付けられないですし、診察内容も百パーセントの理解は
高齢者の方にはむずかしいし、丁寧に話す時間も先生方にはないので後で私から再度ゆっくり説明します。

身寄りがなく、独居高齢者が多い地域ですので大変は大変ですが、私もきちんと把握しないと在宅生活の
支援に誤りが生じてしまうので。

でもそうやって私自身の知識も増えていくので利用者さんに日々育てていただいています。
ありがたいことです。

Posted by 山崎裕子 at 2010年04月24日 09:40 | 返信

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