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GW中の3人の患者さんの看取り

2010年05月06日(木)

GW中に結局、3人が旅立たれました。3人とも末期がんでした。
全員が極めて穏やかで、苦痛とは全く無縁、麻薬も不要でした。
卵巣がん、肺がん、膀胱がん。
こんな話を病院勤務医や施設ホスピス医にいくら話しても、信じてもらえません。
看取った患者さんのご家族は、おそらく3000人以上でしょう。
彼らが「自然な最期」の伝道者となり、
近い将来、「在宅ホスピス」が「都市伝説」となることを祈るばかりです。
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話せば話すほど、「長尾はペテン師」のように思われるので
あまり話したくはありません。
しかし話さないと医療者に伝わりません。

3人目は、がん拠点病院から自宅に帰ってきてちょうど2ケ月でした。
昼飯も普通に食べられ、夕方からゴロゴロしだしたのことで夜に往診。
「まだ意識もあり脈もしっかりしていますが、あと2、3時間ですね」
と説明しても、家族はまだ半信半疑でした。

近くで時間つぶしのラーメンを食べ終えたところで、ご家族から
「もしかしたら、息をしていないかも」との電話がありました。

ちょうど息を引き取った瞬間に到着しました。
大勢の3世代家族に見守られての大往生でした。
若い人(孫世代)も何人かいたので、まるで坊さんのように
「人間が死ぬときには・・・・」と、エラそうに説教を垂れるのが
楽しみになってしまいました。

全員が
「先生、ありがとうございました」
「家で看とれて本当によかった」
と言って見送ってくれました。

こんな話は、一般の人は信じてもらえるでしょうが、
病院の医者はほとんど誰も聞いてくれません。
信じないのです。
医者の頭を変えるのが、一番、大変なのです。

お国は、「国立がんセンター」を頂点とした
完全上から目線の講習会を各地で開いて、
これを受講しないと、在宅ホスピスを認めない方針だそうです。

我々在宅ホスピス医は、いつまでたても「アホ」扱い。

私の何分の一、いや在宅経験が皆無の何も知らない
若い医者の話をこれから何時間も聞かねばなりません。
ああ、そんな時間があれば、患者さんの話を聞いていたい。


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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

長尾先生
医師は医師の言うことしか聞いてくださいません。

お願いいたします。

患者さんの為に、しんどいことですが
医師に繰り返し繰り返し説いてくださいませ。

Posted by 狭間紀代 at 2010年05月07日 01:31 | 返信

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