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認知症と糖尿病の、かなり深い関係

認知症の予防法とは、「運動」です。

2010年05月14日(金)

認知症と糖尿病のかなり深い関係について、
横野教授に詳しく教えて頂きました。
町医者として、毎日多くの、「認知症兼糖尿病」を診ていますが、
「両者のただならぬ関係」は、ほぼぼ間違いなさそうです。

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65歳以上の糖尿病患者の10人に一人が認知症です。

65歳以上の方全員の糖尿病の有病率は、5%ですから、

糖尿病は、2倍認知症のリスクが高い!と言えます。

そう、認知症の予防の第一歩は、糖尿病を予防することです。
それは、「内臓脂肪対策」につきます。
やはり「運動」なのです。

以下、医療者向けサマリーです。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

認知症スクリーニングをするタッチパネル方式の機械が
日本光電(鳥取大学の浦上先生開発)から発売されている。
これは
アルツハイマー型認知症にほぼ特化した検査法だ。

2005年、衝撃的な論文が出た。

アルツハイマー病の専門家が糖尿病に関する
新説が発表された。

「アルツハイマー病は、3型糖尿病か?」というタイトル。

これを聞いたら、ピーンとくる人が多いのでは?
長尾はぞれだけで、ピーンときました。


脳には、β細胞はないが、、何故か

ごくわずかのインスリンが脳内で作られている。
脳のインスリンレセプターは、海馬などに
重点的に分布している。
(海馬の消失が、直近記憶障害の本質)

振り返れば、1998年の論文も見逃せない。

・CSFのインスリン減少=アルツハイマー病

・末梢の高インスリン血漿と脳でのインスリン不足
という事実をどう解釈するか?

つまりアルツハイマー病とは
・末梢血での高インスリン血症と
・脳内のインスリン不足、
という状態。

βアミロイドを分解する酵素=IDE(insulin-degrating enzyme)
が、脳内でのインスリン不足と関係している。

運動で認知症を予防できる。

インスリン抵抗性が改善する。

吸入インスリンについての興味深い事実。

点鼻インスリンは抹消に行かないで、脳に行く!!

=アルツハイマー病の治療薬となる可能性あり。
=フェーズ2の臨床治験中。

アルツハイマー病の早期症状=匂いがおかしくなる、
に注目!

いい匂い=認知症を改善させる可能性?
=アロマテラピーの将来性も

インスリン=アミロイドの分泌に深く関係。

糖尿病に合併したアルツハイマー型認知症は
実はバスキュラーデメンチア???

アクトスは認知症に効くか?

スタチン、ARB,チアゾリジンのどれが認知症に効くのか??
など興味はつきない。

肥満と認知症の関係=まだデータがほとんど無い状態。

6月24~26日、神戸で日老年医学会が開催される。
そこで「認知症と糖尿病の関係」が議論される。

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この記事へのコメント

長尾先生 ここまで情報公開して下さるとは、有難うございます! わくわくしました。特に点鼻インスリンに関心持ちました。フェーズ2の治験は日本で行われているのでしょうか。その点鼻薬の会社の株を今から買っておいたら大儲けの予感が!!!

ケアマネ研修会で良く「昔お医者様になった先生達は老年学を学んでいないから(科目として無かった。平均寿命からいっても当然?)そして今更学ぶ気もないから、あてにするのは無理」と言われていました。
あまり大御所でない先生達が頼りでした。

この情報はアピタルブログに出していただけないのですか。
この記事だけで多大の動機付けとなり、糖尿病の回避&QOLのUP → 医療費の節減と良いことづくめに思えるんですけど……

Posted by 梨木 at 2010年05月14日 08:30 | 返信

梨木さま
まだあくまで仮説であり、治験段階ですので
なんとも言えません。
ただ、個人的にはとても興味があります。
このような情報は、個人ブログにしか書けません。
あくまで「講演の感想文」だと思ってください。
こんな話におつきあい頂き、ありがとうございます。
また、ご指摘のように真の意味での「老年医学」の時代ですね。

Posted by 和 at 2010年05月14日 11:47 | 返信

はじめて寄らせていただきました。

大変参考になりました。

さて、私どもの運営する「健康ウィキ!」は
健康的で楽しい毎日を過ごすための投稿型健康情報サイトです。

パソコン教室に通うシニア世代数名で運営している手作りサイトです。

よろしければ私どものサイトも覗いてみてください。
記事の投稿、書き込みなどしていただければうれしい限りです。

よろしくお願いいたします。

記事投稿についてはこちら
http://wiki.web9.jp/modules/tokopico/index.php?content_id=8

Posted by 新見健一 at 2010年05月17日 02:24 | 返信

良識と高い見識を伺うことが出来、こころが満足しています。ありがとうございました。
私のブログで貴ブログを紹介させていただきました。
以下にその一部を載せています。全文を読み間違い等がありましたら御指摘願えれば幸甚です。
省略 
ーーー海馬の消失が、アルツハイマーの本質と言うことは以前から判明していた。しかして脳のインスリンレセプターは、海馬などに重点的に分布しているのであり、そのために脳内、特に直近記憶をつかさどる海馬などはインスリン不足になる。したがって直近記憶障害が起こると言うことは容易に考えることが出来る。「アルツハイマー病は、3型糖尿病か?。」といみじくも言った医学博士に敬意を表したい。

以下詳細
長尾クリニック 院長「和の町医者日記}
http://www.nagaoclinic.or.jp/doctorblog/nagao/2010/05/post-612.html

Posted by やまんば at 2010年05月19日 08:33 | 返信

やまんば、さま。長尾です。
もちろん紹介OKです。
とても興味が尽きない研究領域です。
目が離せません。
今後ともよろしくお願いいたします。

Posted by 長尾 at 2010年05月20日 02:52 | 返信

新見健一さま、長尾です。
「健康ウイキ!」。是非覗かせて頂きます。
今後ともよろしくお願いいたします。

Posted by 長尾 at 2010年05月20日 02:55 | 返信

どうも。糖尿病ってホントにいやなものですよね。
きつい運動とか毎日のことになるから心からストレスかかることばかりですよね。今みたいに科学の発展とかめちゃめちゃしてても糖尿病ひとつ解決できない。ほんとに納得いかないです。でもそれは西洋医学についてだけ言えること。東洋医学や民間療法などでは信じるかどうかは自分しだいですがとても優秀な対策があります。

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