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病院は出来たけども・・・
蘆野医師の苦悩。そして誰が根治手術をするのか?
2010年05月23日(日)
今夜のETV特集は、大変見応えがありました。
「立派な病院は出来たけれども、医師は集まらず
赤字は膨らむ。おまけに、仕分け人には、罵倒される。」
青森県十和田市民病院の蘆野先生の苦悩が見事に描かれていました。
新病院が完成してから、赤字が雪だるま式に膨らみます。
必要経費が、民間では考えられない位、高額でした。
公立病院が背負っている宿題を象徴しています。
蘆野先生は、日本ホスピス在宅ケア研究会の重鎮です。
新病院は出来たが、彼の専門である、緩和ケア病棟は
閉鎖されてしまった、というなんたる皮肉でしょうか。
仕分け人の長隆氏には、思いっきり罵倒されていました。
どちらに味方していいのか、分からなくなりました、
院長になってこんな仕事をしなくてはいけないなんて気の毒。
それでも蘆野先生は、めげずに
訪問診療、在宅ケア、地域ケアに情熱を傾けています。
本当に頭が下がります。
特に車の中でおにぎりを食べるシーンや往診風景は
先月の私のTVの風景とうりふたつでした。
しかし、TVを見ていて、不思議に思った点が2点ありました。
1)なぜ、病院が外来部門で稼がなくてはいけないのか?
入院医療だけに特化すべきなのに。
2)なぜ、病院が在宅医療をするのか?
在宅医療は地域の開業医の仕事。
病院は病気を治すところ。
TVでは、まだまだ、そこまで踏み込めないのでしょう。
現在、十和田と東金の大病院で行われて要る試みは
半分は、まだ対症療法です。
根本は、病院は集約化して、入院部門だけで充分賄える
診療報酬体系にすること。
そして、慢性期医療や予防医療は、地域の開業医と住民が
一緒になって作っていくもの。
在宅医療もその一環。
根治手術は、だれがいつ行うのか?
それが行われるまで、迷走は続きそうです。
あとひとつ。
新臨床研修医制度をどう改善するか?という大きな命題に
誰がどう、提案するのか?
私は、地域医科大学の医局の人事権のもとで、
現在のような臨床研修をやるべきだと思う。
要するに、昔の医局制度復活だが、もう少し
医局間の流動性を高める案を提案したい。
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この記事へのコメント
お世話になっております。
いつも先生のブログを「そーそー、そんなんあるわっ」「まったく先生の仰るとおり」とボソボソいいながら楽しませていただいております。
さて、病院が在宅医療をする必要性について、病院の在宅医から一言申し述べさせていただきますと、これはもう地域的なもんじゃないかと思います。
周囲の開業医の先生が熱心に在宅医療をされている地域であれば不要でしょうし、いつでも入院できるバックアップのベッドが病院に確保されていれば良いかと思います。
ウチのように近隣開業医が在宅看取りに対して消極的な地域においては、やはり誰かがそれをやらないといけない状況でありまして、また患者さんもいつでも入院できる施設の確保を希望されることが多く、地域の基幹病院の崩壊が止まらない状態では、どうしても病院側が地域に出て行くというニーズがあることもまた確かです。
病院も診療所も、どちらも地域のニーズに合わせて連携していければ、地域完結型の良いサービスが提供できると思うのですが。
Posted by みどり病院 清水 at 2010年05月24日 01:19 | 返信
清水先生、長尾です。
期待どうりのレスを頂きましてありがとうございます。
私は、敢えて極論、暴論を書きますので、どうぞ反論してください。
その議論を楽しみたいと思っています。
現時点は、清水先生のお考えでいいかと思います。
もちろん、仰せのとうり地域性が大きく関係します。
しかし、長期的に見れば、まず、病院は、専門病院と
清水先生のような地域医療支援病院に明確に分かれるべきです。
最終的には、専門病院と施設的病院に明確に分かれるべきです。
もう、分かれていますか???
要するに、私が言いたいのは、経営のために病院が中途半端な在宅医療
をするのは、ちょと違うのではないか?ということです。
病院さんには、病院しかできないことを期待します。
在宅を回る余裕があるなら、ちゃんと入院中の患者さんを
見て欲しい。
がん拠点病院の医師が、自分の病院から退院した在宅患者さんを
黒塗りの公用車で訪問診療して、私は、副主治医を頼まれました。
そんな暇あるんだったら、ちゃんと入院患者を見て欲しい!
病院とは、入院患者さんを診るところではなかったのか?
このナンセンスさを、イメージしながら書いたので、お許しください。
Posted by 長尾 at 2010年05月24日 03:29 | 返信
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