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過労で死にそう、でも会社には言わないで
2010年06月21日(月)
風邪が治らない、だるさが続く、などの症状の人の背景には過重労働があります。
月200時間を越える残業では、いつ過労死してもおかしくありません。
しかし、本人は納得しています。綺麗事では済まない現実があります。
毎日16時間労働を、もう2ケ月以上働いています。
このような「波」が2年に1回、この労働者には来ます。
月200時間の残業ですが、130時間と申告さされます。
本給より残業代の方が、当然多い。
本給が23万円で、残業代が50万円と、逆転現象。
本当はもっと多いけど、あとはボーナスで調節します。
会社がもっと沢山の労働者を雇えばいいのだが、この期間を過ぎれば、
すぐに不要になるし、第一、仕事に慣れた人しかできない現実。
不景気なので、会社にとっても労働者にとっても、ギリギリの苦肉の策。
この「波」が過ぎれば、1ケ月の休暇が貰え、
100万円の余剰給与が残ります。
しんどいやら、嬉しいやら。
嫁は、「死なないように頑張ってね」。
まあ、そんなところでしょう。
この2ケ月間は、食事も睡眠も無茶苦茶で、朦朧としながら診察室に入ってくる30代の男性。
ちゃんと産業医の面談も受けていました。
彼は「会社には言わないで」と会社の肩を持ちました。
ちゃんとした大きな会社です。
町医者としては、なんとも言えない気持ちです。
異常だけど現実。
病気の裏に過重労働。
過重労働の裏に不景気があります。
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この記事へのコメント
不景気のレベルと患者数は比例する、と私は常々痛感しています。
そして、知人や友人にもそう言うのですが、
実際のところ医療とまったく関係のないお仕事をされている方々にとっては
『何故?』と逆に聞き返されます。
不景気が悪くなればなるほど、患者数も増え、病状も複雑になっていくのがなぜなのか
やはり理解出来ないようなのです。
これには私がショックでした(汗)。
患者さんに限っても、こっちがぶったまげるほどの検査結果をたたき出しているのに、
『仕事がきついからだろう』と仕事のせいにして、
自分の健康状態をきちんと振り返って見直すことができない患者さんが沢山います。
そんなゆとりすら、なくなってしまっているのが現実なのでしょうね。。。
こっちがパニックになるほど健康状態が悪化しているのに、
危機感をもってそれを感じられない、受け止められない患者さんが非常に多いのに驚きます。
どの国であっても、もっと根本的に健康教育を推進しないといけないな。。。と
一看護師として、これからの予防医学の分野に取り組んでいきたいなあと最近よく思います。
実際に多くの病気は自分自身で予防出来るのですから、
そのノウハウを沢山の人に伝授出来れば、看護師冥利に尽きますねえ(笑)
Posted by *snowflake* at 2010年06月22日 04:30 | 返信
労働者本人です。 一ヶ月の連休は無理でしたが、とりあえず一週間以上の連休を取得して、北海道旅行に行きまして、昨日かえって来ました。 定山渓、登別、湯の川の温泉宿で嫁さんと旅行です。 旅行で散財したにもかかわらず、残業代の方が多いので、むしろ貯金が増える?と言う喜んでいいのやら悪いのやら....。
一週間、みっちり温泉宿で休養取ったので、体力的には復活しのたですが、もともと食生活が乱れでメタボ気味に、北海道の美味しい食材でさらにメタボが加速しているなか、今後の健康管理をどのようにすべきか思案中。
お金が出ているので納得の上でその仕事をしているのですが、一仕切りつけば、ちゃんと休みをもらえる(疲れを癒す為に必要な軍資金も一緒に(笑))と言うのは、本人納得しているのですが、時間外労働が200時間と言うのは、総務の人は頭を抱えている現状でして、10月には人を増やす方向で検討中。
人が増えると、仕事がある今は良いのだけど、仕事が暇になると、人を減らさなければならないので、「恒常的な安定した事業」を増やしていかなければならない。でもそういう仕事は年々減って、一過性の仕事の比率がどんどん増えているような状態です。増やす人がたとえ非正規雇用(派遣等)になりそうなのですが、簡単に引き継ぎができる仕事でないので、仕事を覚えてもらって、ある程度対応できる状態になった時には、仕事がなくなっている事もあります。 結局時間外200時間と言う極端な労働時間2ヶ月近く続いたにも関わらず、人を増やす事が良いのかどうかについて、当人は慎重な意見を持っています。
労働バランスは、簡単には解決しない問題で、会社単体の余力で解決できないほど大きな仕事量の変動があります。その変動を非正規雇用を調整弁にしてできるならばまだしも、その非正規雇用での調整できないような仕事は、その場に居る人が二人分、三人分働く以外解決策がないので、結局極端な労働時間になってしまいます。産業医の先生もその点は理解していて、本当にヤバそうな人以外ドクターストップをかけない(かけれない?)状態です。
理想を言えばきりがないですが、現実の中で解決策を見つけていかなければならなので、現実の中で色々考えてます。
Posted by 日16時間労働者本人 at 2010年07月01日 06:27 | 返信
16時間労働者本人さま、長尾です。
ああ、ビックリしました。
休養がとれてよかったですね。
1日16時間労働が、大きな会社でも普通である現実があります。
また、このブログに書いてあることは、フィクションでもありません。
なんとも言えない現実。
総理大臣はどう考えているのでしょうか?
私は、経済成長を考えます。
法人税減税でそれが可能なら賛成ですが、そんな簡単ではないと思います。
なにか国の形が、新しい形に変わっていかないといけない、そんな気がします。
過去はお手本にならないような。
そんな中、とにかく体を壊して倒れないようにだけ、気をつけてくださいね。
Posted by 長尾 at 2010年07月01日 08:55 | 返信
*snowflake*さま、長尾です。
このような看護師さんこそ、あまり役にたっていない「産業医」に代わって、「産業看護師」として
活躍していただければと思います。看護師さんの仕事は医者より広く、患者さんに近いですね。
Posted by 長尾 at 2010年07月01日 08:59 | 返信
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