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同一マンション内の患者さんの訪問診療

2010年08月30日(月)

もうひとつ、患者さんに説明できないルールが、「同一マンション内規則」です。
同じマンションに住むAさんだけを訪問診療したら800点であるのが、AさんとBさんを
続けて訪問したら、AさんもBさんも、各200点に減額されるという変なルール、です。
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高齢者専門賃貸住宅(高専賃)で荒稼ぎ(?)する在宅医を駆逐するために
この4月から作られたのが、この変な規則。
極く一部の在宅医の悪しき行状が、こんな法律になってしまいました。

幸か不幸か、当院はこのような在宅医療とはほぼ無縁で
やって来ました。
しかし、最近、高専賃からの依頼がポツリポツリ出てきました。

AさんとBさんを同時に訪問するか、別の日にするか悩みます。
同時に訪問すれば、200点X2
別の日に訪問すれば、800点X2,です。

問題は、普段は同時にしていて(200点だった)のに、
その日は、Bさんがショートステイに行っているので、
Aさんだけの訪問となってしまった場合(800点)です。

皮肉なのことに、その方が、医療機関の収入が2倍に増えます。
しかし、Aさんにそれをどうやって説明すればいいのでしょうか?
Bさんが居るか居ないかは、Aさんと何の関係もないことです。

明細書を見た、Aさんは必ず怒るでしょう。
先週は200点だったのに、今週は800点とは、どういうことだ。
きっと不正を働いているに違いない!と。

我々は、一体、患者さんにどう説明すればいいのでしょうか?
どう頑張っても、1日費やしても、理解してもらえないでしょう。
でも、こんなルールにも従わないと、これまた罰せられるのです。

患者さんより、ルール優先か。
ルールより、患者さん優先か。
役所は、前者しか認めません。

こんな、愚策は他にも沢山あります。
それを何とかして欲しいとこれまで書いてきました。
愚策は、誰にとってもメリットはない。

患者さんにどうやっても説明できないルールを押しつけられて、
沈黙している開業医や日本医師会も、よくわからない。
説明が難しいのなら、テレビCMで何度も啓発を行えばいいのに。


入院中の患者さんへの開業医での投薬規制といい、
同一建物内への訪問診療ルールといい、
早く、患者さんに納得してもらえる規則に改定してほしい。

医療費の増加は後でもいい。
ただ、規則の簡素化だけは、本当に急いで欲しい。




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この記事へのコメント

安売りのお店をはしごしたら品物の値段が上がる?
とにもかくにも変な施策ですね
1軒1軒状況は違うのに,集合住宅でマイナス査定
高齢化を迎えているニュータウンはどうなるんでしょうね
病院の再診もおかしく,内科と眼科を同日受診したら
再診料は1回分だけです.どちらかの科の先生の診察料は無料
バリューセットみたいです

Posted by 稲本 望 at 2010年08月31日 01:25 | 返信

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