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普天間に行きたい、昭和を生きたい

ある高齢女性の愚痴

2010年09月04日(土)

2年ぶりに、ある高齢女性が入って来ました。
「在宅医療をお願いしたい」と自ら志願します。
さっそく訪問して、ゆっくり愚痴を聞きました。

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翌日、彼女のお宅を訪問しました。
一人で座ってできる商売をされていました。
しかし、その商売も近々、閉じるそうです。

聞けば聞くほど、共感することばかりでした。

・この世にもう用はない。早く死にたい。
・息子がいるが、アル中で、私を助けてくれない。
・デイケアはイヤ。
・介護保険は中途半端(この方は要支援2)。
・普天間に行きたい、昭和を生きたい。

彼女は福島県出身で、沖縄とは何の関係もありません。

何故、普天間なのかが、ひっかかりました。

「沖縄の人たちの犠牲の上に私たちは成り立っている」と
老女は言います。
「閣僚が靖国に参拝しない国にはもう未練がない」とも。

沖縄の人に感謝するために普天間に行きたいそうです。
死ぬ前に、そこでもう一度、昭和を生きたいそうです。

なんとなく、わかるような気がしてきました。

本棚には、「will」という愛国系月刊誌がズラッと並んでいました。
これで、なんでこんなことを言うのか、謎が解けてきました。
私も大好きな雑誌です。

来年には、この老女は普天間に移住していることでしょう。
一度決めたらやり通す、意思がとても強そうな女性です。
私との在宅医療でも御縁も僅かの間でしょう。

「昭和を生きたい!」
思わずこの言葉に反応してしましました。

「時を駆ける少女2010」にも昭和を生きた人たちが描かれていました。
医者も、平成卒の方ががメインとなって来ました。
昭和卒=オジン医者、といった感じです。

平成の尼崎で、昭和の沖縄を語りあった、
まだまだ暑い夏の夕暮れでした。







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