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独居・認知症のインスリン

2010年09月04日(土)

大きな病院から、インスリン4回打ちの患者さんの在宅依頼がきました。
訪問すると、独居の認知症でした。
「独居」も「認知症」も、エライ先生は全く気が付いていません。
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病気を診て人を診ずと、よく言われます。
糖尿病の場合は、血糖を見て人を見ず、となります。
血糖はよく診ますが、臓器も人もほとんど診ません。

インスリンは膵臓から分泌されます。
血糖が良くなって喜んでいたら、膵臓がんの末期だった、
なんて話は、どこの病院でもよくあります。

せめて、膵臓という臓器くらいは診ておきたいものです。
そしてできれば、独居という情報も得ておきたいもの。
また、医者ならば、認知症であることも見抜いて欲しい。

訪問すると部屋はぐちゃぐちゃ。
病院から貰ったお薬が大量に散らかっている。
ほとんど飲んでいません。

2種類のインスリンも、ほとんど打てていないようです。
打っているのか、いないのか、本人も分からないのです。
HbA1cが13%ですから、気が付きそうなものですが・・・

人を診ないで血糖しか診ないと、必ずこうなります。
こんな専門医が、若い医者を育てているので、何も変わりません。
訪問看護師が教えた方がよっぽどましでしょう。

医療再生は医学教育から、だと思いますが、
医学教育をしている教官自身が、変わる必要があります。
教官自ら自分の患者さんの家を一度、訪問すべきです。

独居の認知症患者さんに、2種類のインスリンの4回打ちを
指示したところで何の意味があるのでしょうか?
医者の自己満足だけです。

そもそも誰がインスリンを打つのか?
誰がちゃんと打ったかどうかを確認するのか?
そもそも、4回も打たなくてはならないのか?

インスリンに変わる簡便な方法は、無いのか?
目標を厳しくする必要はあるのか?
低血糖さえ起こさなければいいのではないか?

本当はこの辺から考えなければいけないのですが、
エライ先生は、この手の話には全く興味がないようです。
泥臭い話より、スマートな話のほうが、カッコイイに決まっています。

しかし、現実には、この難問に対処する人間が必ず要ります。
私は、現場の人間。
ひとつずつ、大いに悩みながら、小さなアイデアを探す毎日です。





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