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消えた高齢者

無縁社会の闇、そして雇用と家族の同時崩壊

2010年09月05日(日)

今夜のNHKスペシャルは、「消えた高齢者」。
消えた年金の次に消えたのは、高齢者でした。
いや、不正受給があったので年金も消えていたんだ。

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高齢者の所在不明(消えた高齢者)が、350人も判明。
独居老人だけではなく、家族と一緒に暮らしているはずの
高齢者が半数を占めていることも驚きだ。

兄弟の1人はホームレスになった。
娘は50年以上音信不通。
家族は、生きていることを信じて、医療保険を払い続けていた。

3人も子供がいても、親子の縁は途切れたまま。
家族はいても、音信不通だったら、実質、独居だ。
薄れゆく家族の絆。

先日逮捕された、39歳の男性の場合。
父親の遺体を7カ月放置して、
年金を不正受給していた。

生活保護は、持ち家があると断られた。
認知症の寝たきりの父親を介護していた。
父が死ぬと家のローンも止まるし、そもそも葬式代も無い。

ごめんね、ごめんね、と言いながら毎日、線香をあげていた。
近所の方の警察への通報で、遺体放置が判明した。
捕まってホットした様子が印象的だった。

取材で、浮かび上がってきたのは「孤立した家族」。

年金にすがって生きている人達の現実も浮かび上がる。
在宅介護の現場でも、親の年金で生活している人が多い。
父親の遺族年金と母の年金で、生活している子供。

国はどうすればいいのか?
長妻大臣に聞いてみた。
正直、想定外であったようだ。

担当は、「地域包括支援センター」。
全国に4100ケ所もある。
法律に基ずいて、自治体が運営している。

しかし、個人情報保護法が壁になって
高齢者の安否確認さえできない現実が横たわる。
行政も充分に対応できないのだ。

行政が家族と住んでいたと思っていた高齢者が
実際は家族と住んでいなかった。
家族も住んでいる場所を知らなかった。

高齢者を支える家族自体の余裕がなくなっている。
これは、在宅医療の現場で毎日感じる。
親が死にそうでも、連絡が取れない子供は珍しくない。

浮かびあがってきた結論は、
「雇用問題と家族問題の同時崩壊」。
根は深い・・・

今夕、大阪駅前で菅総理と小沢氏の街頭演説があった。
「雇用問題と家族問題」をどちらに託すべきかと、聞いていた。



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