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ヘルパーさんのための麻薬講習会

2010年09月17日(金)

今夜は、当院の3階で「どないかせなあかん会」が開催されていました。
地域の薬局の薬剤師さんが、ヘルパーさん達に麻薬に関する講演をしました。
麻薬に関して、お医者さんより、ヘルパーさんの方が熱心だと感じました。

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張り薬タイプの麻薬(デュロテップパッチ)で、緩和医療が大きく変わりました。
しかし、使い方を間違えると、悲惨な結果になります。
知識の乏しい医師が、いきなり高容量のデユロを貼ったトラブルは有名です。

在宅では、この張り薬を誰が管理するのでしょうか?
独居の認知症が、当たり前になってきたこの時代に、
誰が、3日に1回張り替えるこの薬を貼るのでしょうか?

ヘルパーさんが、貼るのは合法でしょうか?
違法なら、患者さんの手を持って貼るのは、いいのでしょうか?
ちょうど、二人婆おりのような形(?)で、インスリンを患者さんに打たせるように・・・

この張り薬の麻薬は、患者さんの家から持ち出すことは出来ません。
訪問看護ステーションに置くことも許されません。
患者さんの家の中で、上手く管理しななければなりません。

貼り薬の上から体を温めると、吸収が更新して、血中濃度が急激に上昇します。
おこたやカイロの季節は要注意です。
入浴の時を想定すると、胸の上の方に貼ったほうがいいかもしれません。

一旦貼ったのに、落ちたら、どうすればいいのか?
間違って、2枚貼ってしまっても、大丈夫なのか?
痛ければ、勝手に追加して貼ってもいいのか?
(もちろん、絶対に駄目です!)

施設内では、緩和チームが管理します。
しかし、一歩家に帰ると、生活の場の中での管理になります。
それは、ヘルパーさんや訪問看護師さんの仕事なのでしょうか。

しかし、万一、トラブルがあれば、責任は医師が負います。
だから、在宅医療の多職種連携には、麻薬の管理も当然、入ります。
ヘルパーさんにも、ある程度の麻薬の知識があるにこしたことはありません。

実際、ヘルパーさんたちは、何を話しても熱心に聞いてくれます。
医師も、彼らの熱意を見習うべきだと感じました。

痛みの治療は、医の原点だと思います。

 

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この記事へのコメント

独居で認知症の方に冬季、この貼り薬の管理はいくら訪問介護や訪問看護が入っていても難しいでしょうね。何か、いいアイディアがあれば・・・。私なら、薬剤師さんに相談に行くかな?とりあえず。

Posted by 猫柳ニャン子 at 2010年09月18日 11:34 | 返信

猫柳ニャン子さま、長尾です。
訪問薬剤指導は大変いいのですが、コストがかかるのが難点です。
難しい問題です。

Posted by 長尾 at 2010年09月19日 10:03 | 返信

熊本より無事、お帰りになられましたか?もう、お仕事再開されているのでしょうか。
訪問薬剤指導とは全然考えていませんでした。(認知症あるし・・・)
地域の薬剤師さんが町のケアマネ研修のたびに出席してくださって「お薬の事は調剤薬局の薬剤師に相談してください。もっと活用してしてください。」とおっしゃっていただけるので、訪問介護等が入るの前提の上でこの利用者さんの調剤さんに相談すれば何かいい知恵が出るかも、と思った次第です。三人寄れば文殊の知恵じゃないけれど。

Posted by 猫柳ニャン子 at 2010年09月20日 08:18 | 返信

長尾先生
いつも長尾先生のブログで勉強させていただいています。
有難うございます。
薬剤師が
「さすが訪問薬剤管理料(介護保険の場合・薬剤師居宅療養管理指導料)をとっているだけのこと をしてくれているね」と、感じていただける内容の仕事・業務をしなければ
患者さんが
「コストの問題」が気になられますのは当然ですね。
薬剤師の勉強のしどころですね。
患者さんのための
「訪問薬剤管理料」で、なくてはならないですね。

Posted by 狭間 紀代 at 2010年09月20日 09:02 | 返信

初めまして。
いつも拝見し勉強になっております。

在宅で登録ヘルパーでのパッチの貼り替えは可能でしょうか?

知識不足の為ご指導頂けたらと思います。
宜しくお願い致します。

Posted by 小山 at 2015年07月09日 09:05 | 返信

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