春の禁煙講座、と秋の栄養講座のボランテイア講演。
夜間高校での講演は、正直、難易度の高いチャレンジ。
大人は騙せても（？）、子供は騙せない。

がん、生活習慣病、そして認知症の原因と食事の話。
子供たちの興味を引くのは、至難の業。
しかし昨年より少し進化したような気がしました。

２０代でがんで亡くなった子供の話をしたら、
会場全体がシーンとしました。
みんな熱心に聞いてくれました。

最後に、「尼崎はがん死亡率が全国のワーストワン」
「メタボも兵庫県下でワーストワン」
「でもこれらは、今の大人の話。２０２５年後には汚名を返上しよう！」と。

ここまで話すと、みんな顔をあげて、本当によく聞いてくれました。
今夜は、子供たちと心が少し通じたような気持ちになりました。

「ワーストワンの尼崎が変われば日本が変わる！」
これは私の本心。
本気です。

夜間高校には、後期高齢者の生徒もいます。
先日、ある事業所で職場巡視をしていたら、彼に声をかけれました。
夜、仕事が終わってから、この高校で学んでいるのです。

親子で学ぶ高校生もいます。親が中卒です。
親と子が同じ学年なのは、この高校ならでは。
その他、常識破りの子供たちが一杯です。

体のあちこちにピアスを開けまくり、化膿した子供たち。
マクドを食べ過ぎて、高度肥満になった子供たち。
若気の至りで、っちょっと道を踏み外した子供たち。

「いいんだよ」

でも、この子供たちには未来があります。
１５年後には、社長になる子供も出るでしょう。
私が、介護されているかもしれません。

私の隣にいた小林可夢偉君も、普通の中学生でした。
でも、今では、世界のトップレーサー。
子供の可能性は無限です。

だからこそ、食事で損をしてほしくない。
与えられた人生を全うしてほしい。
そんな気持ちで、嵐のような夜診をほったらかして体育館に飛び込みました。

学校教育こそ、本当の予防医学。

講演後、いつものように、何軒かの往診を回って帰りました。
これが本当の「夜回り先生」。