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本当のことを言おう、24時間体制

2010年11月04日(木)

在宅医療は、365日・24時間体制です。
多くの有名在宅医は、「夜中にそんなに電話はかからない。大したことない」と言います。
私もそう言ってきましたが、どうもそうではない、と感じることが、最近増えました。
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どんなに頑張っても、携帯電話はかかってきます。
早朝、深夜を問わず、かかってきます。
ぐっすり眠れることは、まずありません。

やっと眠りかけたら、次の電話で起こされます。
開業医(=自営業者)に、労働問題は存在しません。
しかし、残業時間が月100時間を過ぎると、人間は壊れます。

「在宅医療が普及しない理由が分からない」と、よく言われます。
理由は、24時間体制が、大変だからです。
訴訟リスクが大きい。

簡単なことです。

「電話なんてあまり鳴らないよ」という医師の理由を考えてみました。

1)ファーストコールは、看護師が取り、めったなことでは医師に転送しない。
2)ファーストコールは、コールセンターが取り、「救急車を呼びなさい」と言う。
3)電話がかからないように、訪問看護師などが、体を張って頑張る。
4)電話がかかりそうもない軽症患者さんや、大人しい患者さんのみを選ぶ。
5)結構電話がかかっていても、「あまりかからない」と、強がって言う。

まあ、いろいろ、考えられます。

在宅医療なので、寝たきりないしそれに近い方が多いわけです。
人生の終末期に近い、弱った方が多いわけです。
看取りも沢山しますので、重症な方も沢山含まれます。

たとえば、200床の病院で、ナースコールが、
1ケ月に1回しか鳴らないなんてことは、あり得るのでしょうか?

いくら静かな病院でも、毎日、数回は鳴るでしょう。
そう考えれば、200人の在宅患者さんから、携帯電話が
1回も鳴らないほうが不思議です。

やはり、在宅はかなりキツイ仕事をしているのだと、あらためて思います。
いくらタフであっても、毎日の睡眠不足は、ボデイブローのように効いてきます

ですから、頑張っている在宅医は、「24時間体制なんて、簡単だよ!」と
気軽に言わない方がいいのではないか。
最近、そう感じます。

むしろ、 「結構大変だ」と素直に言った方が、後進のためかもしれない。

一方、「在宅医=雨の中のゴルフ説」も、うなずける。

ゴルフ同好会のように、好きなものだけでやればいい、
趣味と思う人だけがやればいい、という考えも充分理解できる。

結局、在宅を、国の施策として本気で広く普及させたいのなら、
平均的な医師のことも考えて、無理をしないように言う方が賢明ではないのか?

少なくとも私は、今後は後者の立場で、発言することにしよう。


 

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