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在宅医から見た血糖管理の現実

2010年11月25日(木)

今夜、西宮で開催された、糖尿病の勉強会でこのような演題で講演しました。
専門医が診ているのは、糖尿病の前半。
後半の多くは、プライマリケア医や在宅医が診ている。
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自宅に行くと、数えきれないほどのインスリンや糖尿病薬が溜まっている。
実はその方は認知症だったのだ。
インスリンを打たないから血糖が上がる、上がるからインスリンが増える。

このような悪循環に陥っている患者さんが多い。
主治医が、認知症に気が付いていない。
このスライドが、一番、インパクトがあったようだ。
これは、ハザマ薬局の越川法子薬剤師さんから提供頂いた。

糖尿病外来。
気が付けば、末期がん。
気が付けば、認知症。

独居の在宅糖尿病患者さんの血糖をどうするか?
ヘルパーさんはインスリンを打てない!
血糖自己測定も出来ない。

3回飲ませるお薬も無理。
食前服用も無理。
服薬管理が最大の課題。

独居の在宅でできることは
・ランタスを週3回でも打つ。
・DPP4阻害薬が使いやすい。

以下、ある在宅療養支援薬剤師から頂いた
ご意見を引用させて頂きます。

経口薬の種類が1種類から増えるほどコントロールは悪くなり、罹病期間が長いほどHbA1cの数値が上昇しているように感じます。


現行の糖尿病治療を医師の指導を守ってまじめに行っていても、かなりの確率で糖尿病は確実に悪化していくように感じるのです。

また、以前、就労中の糖尿病患者における療養上の問題点について検討する目的で,外来通院中の糖尿病患者に対し, 生活習慣, 就業状況等についてのアンケートを実施し解析したことがあります。


その結果
,   就労者のHbA1c , 非就労者のHbA1c より有意に高く、就労者のほうが飲酒率, 喫煙率共に高く, 定期的な運動療法の実施率が低かった。

また、 就労者の薬1/3が、就労中の服薬や注射を必要としていたが, そのうちその約1/3が、時々実施できないことがあると回答していました。


従って、非就労者に比べ就労者では血糖コントロールが不良であり
, 勤務時間中の服薬やインスリン注射を必要とする者では, そうでない者に比べて有意に血糖コントロールが不良で、就労者の薬物療法にあたっては勤務時間, 環境についても十分考慮して治療法を選択すべきである.
 

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この記事へのコメント

アクトスでなく、ランタスの注射ではないでしょうか
自己注射できない、家族がサポートしない など
退院後の治療計画に苦悩しています
訪問看護があればランタスの一回打ちできるんだが

Posted by 稲本 望 at 2010年11月27日 04:49 | 返信

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