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総合的に診られないのが、総合病院

2010年12月23日(木)

「総合的に診て欲しい」という訴えが、毎日、寄せられる。
大病院のいくつも科にかかっているが、統括的に診てくれる医師が居ないという不満。
「総合的に診られないのが、現在の総合病院なのです」と説明しても、ポカンとしている。
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行き場の無い不満は、末端に流れてくる。
町医者の外来、そして、よろず相談室。
そこには、世の中の生の声が渦巻いている。

内科、外科、整形外科、内分泌科、泌尿器科、
腫瘍内科、麻酔科、精神科。
これだけ、かかっても何も解決しないとの相談。

10の科にかかっても、10の臓器を診るだけ。
一人の人間として診る医者は、そこには居ない。
家に帰れば、在宅ホスピス医が居るかもしれない。

当たり前のことが、当たり前に出来ないのが現代医療。
国はDPC化の功罪を早急に検討すべきだ。
さもなくば、総合医の意義を公式に認めるべきだ。

人間を診る医療は、認知されていない。
法規等は、すべて「臓器別」しか想定していない。
人間を診ることは、悪行とされがちなのが、現在の医療制度。


臓器は診るが、人間は診ない。
カルテは診るが、顔は診ない。

データは診るが、心は診ない。
病気は診るが、生活は診ない。

診ないのか、診ることができないのか。

臓器別、縦割りが当たり前だと洗脳されている医療者たち。
そろそろ、気が付いても、いいんじゃないの。

残念ながら、ほとんどの医療者はまだ気が付いていない。
自分自身か、家族が病気になて、初めて気が付く。

まだ、全体の2~3%しか気がついていない。

5%になれば少し変わり、
20%になれば、劇的に変わるだろう。

「臓器だけでなく人間を診たい!」という本が
今月出版された。
少し、時代の先端を行きすぎているかな?

興味のある人には、5冊とも読んで欲しい。
http://www.amazon.co.jp/gp/aw/s?ie=UTF8&n=492166&soa=1&i=stripbooks&field-author=%E9%95%B7%E5%B0%BE%20%E5%92%8C%E5%AE%8F

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この記事へのコメント

長尾先生こんにちは、普段本を読まない私ですが早速3番(患者力)と今回の「臓器だけでなく人間を診たい!」の2冊を注文しました。
年末始の休日にじっくり読みます。
いつも、このブログで御返事いただきありがとうございます。

Posted by kawasaki at 2010年12月23日 01:09 | 返信

既にその事実に気づいて、自分のかかりつけの医師(GP)にまず何でも相談してから決断するようにしています。
最近も、その医師に本当に助けて頂きました。 

悪寒、嘔吐、胃腸のけいれんに加えて下痢。。。という症状がどんな薬をのんでも収まらず、2週間で体重が5kg減りました。 自分が勤めている病院でアポイントを取ると、速攻消化器の医師にまわされました。今流行している風邪だと言われましたが、コンピュータに一部始終向かい合って電子カルテを記入するだけで、触診も聴診もなし。血圧測定すらありませんでした。

それに納得いかず、後日自分のGPへ行ってみて貰ったら、長い問診の後、ストレスが原因だと指摘されました。(そのときはちょうど、職場を変えてもらえるように何ヶ月も主任や責任者と話し合っていたところでした。)
胃も腸もストレスに一番弱いんだよ、薬を飲んでも変化が無いのもそのせいだと説明され、このままでは体が持たない、すぐにでも今の職場を変えられるように証明書を書いてあげるから、これをもってすぐに責任者のところへいきなさい、私があなたの証人になってバックアップしてあげるから、何も心配しなくていいと言ってくださいました。

見事に一週間後に新しい職場に配属され、今までの症状が嘘のように消えました。
あれだけ辛かった下痢も嘔吐も体重減も、ぴたっと止まったのです。
後日、改めてGPにお礼を言いにいくと、一人の患者をトータルでサポート出来て本当に嬉しいと自分のことのように喜んでくださいました。 そのときから、このGPに対する信頼は今まで異常に揺るぎないものになりました。
こんな素晴らしいトータルケアが出来る医師の方々のために看護師としての仕事を全うしたいと思いました。

体が発している症状だけでなく、患者自身もメンタル面も診てくださる医師が最近とても少なくなって来ています。これも医療細分化の副作用なのでしょう。でも、探せばきっと見つかると思います。
それをお手伝いするのも、看護師としての使命だと思っています。

Posted by *snowflake* at 2010年12月24日 07:21 | 返信

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