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今年、認知症の新薬が3つ出ます
2011年01月27日(木)
今年は、3つの新しいお薬が出る。
今夜はお薬を含めて最新の話題を、お二人の先生に教えて頂いた。
●大阪赤十字病院 金田大太先生の講演
「アルツハイマー型認知症の診療ポイント」
●認知症患者の特徴
・あれ、これ、えー
・取り繕い
・家族の顔を見て家族に話させようとする。
●90+スタデイ。カリフォルニアでの研究。
男は、90歳で認知症にならなければ、100歳までならない
女は、90歳で認知症でなくても、その後徐々に認知症が増える
筋肉量、活動度と比例する。
●フラミンガム研究
脳梗塞か認知症になるリスク
男性 3人に1人が認知症へ
女性 2人に1人
●特養の現実
待機42万人の現実をどうとらえるか。
アリセプトは、介護者の薬。
ナーシングホーム入所を遅らす薬。
安い投資である。
アルツハイマー(AD)は、海馬(側頭葉内側)の萎縮が本体。
アミロイド沈着。
ADのリスクは、心血管のリスクと同じである。
脳血管性障害認知症+AD(両者を区別しないという考え方)
=無症候性脳梗塞(MRIでの)になってきた。
MRIでの白い点=白質病変=血管内皮のつまり
OSAS=ADと関連
糖尿病は、ADの高いリスク
DLBはDMと関係無い
インスリン分解酵素=アミロイド分解酵素
高インスリン血症
・心
・糖
・COPD
・消化器
・排尿障害・・・
高齢者はこれらのどのお薬を優先すべきか?
MCI(軽度認知機能障害)とは?
1記憶障害の訴えが本人または家族からある
2日常生活動作は自立
3全般性認知機能は正常
4認知症ではない
MCA:1年毎に12%がADに移行
ノーマルなひと:1~2%が移行
MCIより前段階
MMSE29点ぐらい
Subjevtive ・・・もある。
・物忘れがありそれを「心配する」人が高リスク
・時計(10時10分)を書かせると一発で分かる。
・時計を書く=視空間機能
・アミロイド
・タウ:神経細胞内
●アリセプトの認知機能維持効果に関するメタ解析より
米国では23mgが既に承認
心電図変化は20mgでも認められない
中国も認知症国家になる
●アリセプトのアジアでの標準
5mgで導入
10mgで維持
アリセプトは日本で開発
3mgは日本にしかない
日本だけ「高度」という縛りがついている。
本人からの聴取できない
主介護者・決定権が誰なのか
アンケートの活用
コミュニテイからの離脱
転居すると視空間認知低下転倒
乳がんがあっても気がつかない
せん妄後は認知機能が急速に低下する
せん妄を避けるためには、中核症状をコントロールする
BPSDを見た時
1番に薬剤性を考える。
アリセプトは入所までの21ケ月稼ぐことが出来る。
PETでAhE活性測定が可能
末期になって増量しても無駄である。
●大阪大学精神科準教授 工藤喬先生の講演
50% アルツハイマー型
20% 脳血管性
16% レビー小体型
Mild ognitive impairment
短期記憶障害
⇒エピソード記憶(出来事全体を思い出せない)
⇒意味記憶の障害
と進行する。
正常圧水頭症(treattable dementia)と誤診しない。
変性認知症:
皮質認知症:前頭側型、AD,DLB
AD=側頭葉内側面の障害
・VSRAD:MRI画像で、海馬周辺の萎縮を定量的に評価
●前頭側頭型認知症(昔。ピック病)、FTLD
・行動異常、反社会的行動
・65歳以上の万引きが増えている(若者より)が、だいたいこれ
・風俗店通いが目立つ、カード
●DLB=後頭葉の障害=パーキンソン類縁疾患
・SPECTをとる
・MIBGシンチで、ADと鑑別できる。
・幻視、パーキンソン症状、認知症状の動揺など。
●進行性核錠麻痺(PSP)
・仮性球麻痺
・画像診断でハチドリ兆候と第3脳質の拡大
●大脳皮質基底核変性症
=左右差があるととが、最大の特徴
●アミロイド前駆体蛋白とプレセニリン
・APP(アミロイド前駆体蛋白)
・PS1の異常ミューテーション
・1231T=阪大で発見した家族性AD
・ガンマセクレターゼ
前駆体蛋白からの切りだしをする酵素
・アミロイド=老人班
・タウ蛋白=神経原生変化
タウの変異体
●アポリポ蛋白Eの遺伝子頻度
・ApoE4は、ADのマーカー
・阪大では、全例にしている。
脳脊髄液中のタウ及びAβ
リン酸化タウの測定も有用
(より特異性が高い)
・ADは平均10年の変化
軽度は、MMSEが20~23点を言う
●アミロイドPET
PETでアミロイド蛋白沈着のイメージングが可能
●リン酸化タウは神経原線維変化の構成蛋白
リン酸化したタウ蛋白が増える
その治療戦略
アミロイドが出来上がるのを止める
タウのリン酸化を止める
●根治療法=あまり上手く行っていない
アミロイドワクチンも中止。
●症状改善薬=今年出る
メマンチン、リバスチグミン、ガランタミン、メマンチン
アミロイドカスケード仮説
NSAIDが、アミロイドの産生を抑える?
リウマチ患者にADが少ない
ハンセン氏病も少ない
●アミロイドワクチン療法
・抗原を打つ方法は、アレルギー性脳炎の副作用で治験が中止
・現在、抗体を打つ治験へと方向転換
・アミロイドはBBBを通る。抗体とアミロイドを減らす?
●前駆体蛋白からβセクレターゼ(BACE)阻害薬の可能性
・γセクレターゼなどの切断酵素を阻害する
・生体内の質も切るとNotchも阻害されてしまう。
・しかしアミロイドを減らしてもADは減らない
・ワクチン療法は思うように進んでいない
●コリンエステラーゼ阻害薬
・ドネペジル=アセチル型を阻害、半減期が長い
・リバスチグミン、ブチリル型酵素、パッチ薬
肝代謝を経ない
・ガランタミン:ニコチン酸 1日2回
・メマンチン NMDA受容体阻害薬
NMDAは記憶の保持に重要
併用療法で効くので、併用が主体になるであろう。
コンプライアンス不良例にはリバスチグミンパッチ?
BPSDにはメマンチンが効く?
●ドネペジル23mg(米国発)の効果は?
日本では、10mgはわずか6%
94%が5mgを投与されているが、足りない。
工藤Drは、25%が10mgで一部が8mg
10mgでは消化器症状が出る場合がある。
●うつは認知症のリスクとなる!
・うつがあるとADのリスクは2倍
・うつは認知症の前駆症状
・うつの治療と認知症の治療はとても似ている。
・うつになると海馬の萎縮が出る
・下垂体副腎系(HPA)
・抗うつ剤でNeurogenesis
・仮性認知症
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この記事へのコメント
アルツハイマー型なのですが年上女房の79歳に最初、5[mg]飲ませていたのですが、どうも進行が早すぎる。と云うことで、先生と相談して米国人並みの10[mg]にしました。そのときは、食欲があるので食べたいだけ食べさせていたので、癲癇症状を起こすまではそのままにしておきました。それで、小規模多機能で午前中昏倒したとのことで、救急車を呼んで藤田学園のICUに施設が緊急入院依頼。救急車の中で最初は真っ青な顔をしていたので、これはやばいなぁと思ってたのですが、頭が水平より下がりすぎていてしかも、空気圧の悪い救急車両で振動が激しいし、若いのが付いている。それで、ちょっとベッドの上半身を上げてくださいと頼んだところ、急に顔に血の気が戻り、私にも気づいてくれました。そのままで、結局一晩だけ様子を診て入院しましたが、その頃は太っていたので、10[mg]でも良かったようです。それから癲癇治療薬は昼と夜飲ませていますが。どうも、貧血が原因の昏倒らしいと思います。現在は、そのときに比べたら、食事制限もして朝一回の5[mg]にしてますが、やはり進行はどんどん進んでいるようです。特に、眠たい状態では何を言っても理解できなくなります。入れ歯のことでも、出してと言ってすっと口から出してくれるときもあり、まったくそんなものは何処にあるということを言って応じない場合もあります。オシメはショートステイのとき以外は私が寝る前に二重に穿かせて何とか布団への漏らしは防いでいますが、これも中のを勝手に外すこともあり、そのときは、布団はシーツを替え干さない限り臭くて使えません。私自身が心不全で入院したこともありまだ完全ではないので、息が切れ手に終えないです。特養に何とかと思ってますが、絶対数が少なすぎます。
新薬の件は、最初から通っている先ほどの黒川医院(名古屋市千種区)の黒川先生と相談してどうするか決めたいと思いますが、まだつれては行ってません。連れて行くのにも一苦労です。
認知症は介護者が苦しむ病気です。介護者を救う法律を作るべきです。それでないと、介護者が病気になってしまいます。
Posted by 佐藤 壽穂(としお) at 2011年07月30日 11:02 | 返信
夜間の尿漏れは、布団とシーツの間に、防水シートを敷くと、洗うのはシーツと寝間着だけで済みます。
試してみてください。
介護者を補助する法律が二本に無いのが、世界から非常に遅れているところです。
私は英国に住んでいますが、ここでは、政府が介護者を助ける事によって、早期に政府の介護施設に入所する事を防げ、政府の財政を削減する事に繋がり、その方が絶対的に財源節約に効果的であることから、色々な介護者補助の法律があります。 両親は日本ですから、早く日本にも介護者保護の法律が出来るように祈っています。 老人保護機関がもっと政府にアピールする必要がありますね。
奥様の看病ご苦労様です。 私の友達のお父様が認知症で亡くなりましたが、奥様のことは、奥さんという事は忘れてしまっても、やさしく看病してくれる人として最後まで感謝しながら亡くなりました。
お体に気をつけて、頑張ってください。
Posted by 伊藤真理 at 2011年10月16日 06:50 | 返信
5/12夫(60歳)が脳梗塞になり言語障害、排泄障害があります。幸い右半身の機能は回復しました。
現在入院中で理学・作業・言語療法によるリハビリとワーファリンの投薬を受けています。
前頭側頭葉損傷ですが、同様の認知症初期患者が画期的に改善する薬があったとしたら教えてください。
また、脳梗塞患者にも有効かどうかも教えてください。藁をもすがる思いです。よろしくお願いします。
Posted by キクトモ at 2012年06月03日 10:15 | 返信
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