このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com

生活習慣病と骨粗しょう症の関係

「骨質」を改善する、SERMが2つになった

2011年01月30日(日)

生活習慣病と骨は、予想以上に関係が深い。骨折は寝たきりの大きな原因。
また、悪玉子コレステロールも、高血圧も、骨粗しょう症と大いに関係する。
さらに、骨塩の評価では不十分で、「骨質」を評価する。SERMの時代だ。

2つの応援
クリックお願いします!
   →   人気ブログランキングへ    →   にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
 
 

島根医大 杉本利嗣教授

「生活習慣病と骨粗しょう症の接点」


圧迫骨折レントゲンを見ていると大動脈の石灰化に気付く。
両者は無関係ではない。


●骨・血管相関を意識する

骨密度減少と動脈硬化は強く相関する。

ホモシステインと動脈硬化は強く関連する。

●生活習慣病ならず、CKDも、
骨粗しょう症(1100万人)の
基盤となる。

●糖尿病と骨密度、骨折リスクに関するメタ解析

・日本人の腰椎圧迫骨折は海外より2~3倍多い

・患者も医者も気がついていないのが、3分の2

・ひとつ折れれば、ドミノ式にどんどn折れていく

・糖尿病があれば、骨密度がっ高度であっても

 骨は硬いがもろい(チョークのようになっている)

・骨質(bone quority)に問題がある。

それはコラーゲンである、

・高血糖が骨芽細胞に及ぼす影響

●LDLコレステロールは、骨密度と相関する
特にⅡaタイプ(メタボ型ではない)において。
これは韓国の研究でも追認された。

●未分化間葉細胞は、骨芽細胞や、脂肪細胞に分化するが、
酸化LDLは、両者への分化を抑制する。

●高血圧の存在は、骨折リスクを増大させる。

それは降圧剤による転倒リスク増大も含む。
RAS系の亢進は、破骨細胞を亢進させる。

●スタチンと骨
1999年に初めて衝撃的なデータが出た。
スタチンが、骨密度を改善する。
その後、メタ解析でも追認された。

●SERM(selective estrogen reseptor modulater)
 乳がんや子宮がんのリスクを減らす。
 骨質を改善する。
 チョークのような、硬いがポキンと折れやすい骨を改善。
 生活習慣病にも有効。 

●骨粗しょう症の診断基準はこれから変わる
骨粗しょう症と診断したものだけを治療対象としていいのか?
実際には、骨塩が低下していないひとが骨折している!

●FRAX
数字を入力すると、骨折リスクが算出されるシステム
デキサ法はどこでもできないので、BMIで代用する。


●2011年の指針(予想)
FRAX15%以上の人を、薬物治療の対象とする。

●バゼドキシフェン(ビビアント)2010年11月発売、
エビスタに次ぐ第二のSERM
椎体骨折を40%抑制する
日本人は、椎体骨折が多い。
非椎体骨折抑制は、エビスタを上回る。
LDL低下、HDL増加作用もある。

●スタチンとSERMを基軸とした治療戦略
大腿骨骨折
椎体骨折⇒GERD,慢性心不全

Q SERMか、ビスフォスフォネートか?
A 骨密度への効果は、ビスが上
  骨折予防効果は同等。
  骨質を重視するならSERMが上。
  
  生活習慣病患者は、骨質を重視すべき。
  心血管にも期待できる。






2つのランキングに参加しています。両方クリックお願い致します。皆様の応援が日々ブログを書く原動力になっています。

お一人、一日一票有効です。

人気ブログランキングへ ← 応援クリックお願い致します!

(ブログランキング)

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ ← こちらもぜひ応援クリックお願い致します!

(日本ブログ村)

※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

貴重な情報を有難うございました。
実は、骨密度・骨塩・骨質の関係が良くわかりません。
多分大事なことらしいですし、骨折後のQOL↓は 沢山見ているので
予防したいです。これから調べます。

ところでインフルの季節、透明マスク(マスクリア)の情報は
入っていますか。朝日で読んで笑ってしまいました。
実は以前模擬患者の時、学生が大きなマスクをしていて
あるSPが「お顔が分からず不安でした」とフィードバックしたら
「マスクが透明だったら良いですか」と学生が答えたのです(真面目に)
その柔軟な発想にびっくり、若いってすごいと感心したことがありました。
それが商品化されるなんて!!!

サイトで見ると傑作アイデアです。疫学的にどうなのか、付け心地は
宣伝通りかわかりませんが、患者さんには受けそう。
近くならバレンタインデイに持参するのに(*^_^*)
きっとチョコレートは有り余るほどいただくでしょうから。
早夕食・夜食無しの結果は、みなさん楽しみになさっていると
思います。医師が自分の体で実証する健康生活、貴重なデータ?ですね。
応援団がいっぱいいますから、目標数値迄完走して下さい♪

Posted by 梨木 at 2011年01月31日 01:35 | 返信

コメントする

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com


過去の日記一覧

ひとりも、死なせへん

安楽死特区

糖尿病と膵臓がん

病気の9割は歩くだけで治るPART2

男の孤独死

痛い在宅医

歩き方で人生が変わる

薬のやめどき

痛くない死に方

医者通いせずに90歳まで元気で生きる人の7つの習慣

認知症は歩くだけで良くなる

がんは人生を二度生きられる

親の老いを受け入れる

認知症の薬をやめると認知症がよくなる人がいるって本当ですか?

病気の9割は歩くだけで治る!

その医者のかかり方は損です

長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか

家族よ、ボケと闘うな!

ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!

抗がん剤 10の「やめどき」

「平穏死」10の条件

胃ろうという選択、しない選択

  • にほんブログ村 病気ブログ 医療・医者へ