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抗がん剤に殺された!?
2011年01月31日(月)
2週間前まで、在宅生活とはいえ、とても元気で安定していた。
抗がん剤治療のため入院して帰宅した時は、別人のように痩せこけていた。
そして翌日、自宅で静かに亡くなられた。
抗がん剤治療のため入院して帰宅した時は、別人のように痩せこけていた。
そして翌日、自宅で静かに亡くなられた。
今回の抗がん剤入院していなければ、もう少し生きた可能性が高い。
しかし、がん拠点病院が行う「抗がん剤治療」は、町医者には止められない。
予想どうり(?)の結果になったのだが、どうすることもできないのが現実。
文芸春秋に掲載された近藤誠先生の文章に、賛否が寄せられている。
医者の9割が怒り、患者の半数が怒っているような印象を受ける。
私は、半分賛成で半分反対。
要は、抗がん剤治療は、時と場合によって使い分けるべき。
元気で薬が効く人には、やるべき、ないし、やってもいい。
しかし、ある程度衰弱している人、効かない人には、やるべきではない!
しかし、がん拠点病院の専門医は、
効かない⇒だからもっと強い治療をしてみよう、
という思考回路しかないようだ。
当たれば儲けもの、外れたら御免なさい。
それが抗がん剤の現実だ。
しかし患者さんと家族は、そうとは知らず最期まで期待を持つ。
今でも、死ぬまで、あるいは死ぬ1日前まで、抗がん剤治療が行われている。
まるで「最期まで諦めずに治療しました」というアリバイを作るかのように・・・
少なくとも私には、そう感じる。
病院から自宅に帰ってきたその人を見た瞬間、
「虐待を受けた?」のかと思った。
いや、確かに受けたのだ。「抗がん剤による虐待」を。
「苦しむ時間が短くなっていいじゃない」、という医者もいる。
しかし、私は、可哀想でならない。
何もしないで穏やかに自宅で過ごせなかったものか・・・
亡くなられたその方の枕元には、差し上げた私の本が読みかけのまま置いてあった。
せめて全部読んで欲しかった。
もし入院しなければ、読んでもらえたのに・・・
やはり、今回の入院は、止めるべきであった。
と、後悔しても、後出しじゃんけんだ。
止めておこうか。でも、書いている。
「やめどき」を、医者も患者もう少し考えたらどうだろうか?
死にそうになってから、深夜にパニックになって電話してくるご家族。
「死ぬ」瞬間まで、「死ぬこと」を考えない、医療者とご家族。
これが、「がん対策基本法」に基づいた
「がん拠点病院」のがん医療の現実だ。
こんな、20年前と何ら何も変わらない、ひとこと言いたくなる
病院医療者やご家族と、対峙する場面が時々ある。
しかし、がん拠点病院が行う「抗がん剤治療」は、町医者には止められない。
予想どうり(?)の結果になったのだが、どうすることもできないのが現実。
文芸春秋に掲載された近藤誠先生の文章に、賛否が寄せられている。
医者の9割が怒り、患者の半数が怒っているような印象を受ける。
私は、半分賛成で半分反対。
要は、抗がん剤治療は、時と場合によって使い分けるべき。
元気で薬が効く人には、やるべき、ないし、やってもいい。
しかし、ある程度衰弱している人、効かない人には、やるべきではない!
しかし、がん拠点病院の専門医は、
効かない⇒だからもっと強い治療をしてみよう、
という思考回路しかないようだ。
当たれば儲けもの、外れたら御免なさい。
それが抗がん剤の現実だ。
しかし患者さんと家族は、そうとは知らず最期まで期待を持つ。
今でも、死ぬまで、あるいは死ぬ1日前まで、抗がん剤治療が行われている。
まるで「最期まで諦めずに治療しました」というアリバイを作るかのように・・・
少なくとも私には、そう感じる。
病院から自宅に帰ってきたその人を見た瞬間、
「虐待を受けた?」のかと思った。
いや、確かに受けたのだ。「抗がん剤による虐待」を。
「苦しむ時間が短くなっていいじゃない」、という医者もいる。
しかし、私は、可哀想でならない。
何もしないで穏やかに自宅で過ごせなかったものか・・・
亡くなられたその方の枕元には、差し上げた私の本が読みかけのまま置いてあった。
せめて全部読んで欲しかった。
もし入院しなければ、読んでもらえたのに・・・
やはり、今回の入院は、止めるべきであった。
と、後悔しても、後出しじゃんけんだ。
止めておこうか。でも、書いている。
「やめどき」を、医者も患者もう少し考えたらどうだろうか?
死にそうになってから、深夜にパニックになって電話してくるご家族。
「死ぬ」瞬間まで、「死ぬこと」を考えない、医療者とご家族。
これが、「がん対策基本法」に基づいた
「がん拠点病院」のがん医療の現実だ。
こんな、20年前と何ら何も変わらない、ひとこと言いたくなる
病院医療者やご家族と、対峙する場面が時々ある。
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この記事へのコメント
「ガンになったらどうする?」と、患者当事者にならないと
なかなか真剣に考えない。
死亡原因の第1位といわれても。
でも、先生がこうやってブログで
実感を込めた生の声を綴っていただくことで
当事者になった時に
「これって、意味のある治療なのか」と、
考える事が出来るのではないでしょうか。
昨今のように患者側もたくさんの情報が与えられ
医療者側も患者側も大変だと思いますが、
医学の発展の最善の利益を共有できるようんな
態度で双方が接していけるようなふうに
なればいいな、と思います。
Posted by こうべの at 2011年01月31日 07:11 | 返信
私がもし患者さんの立場だったら、できるだけ穏やかな日々を過ごしたいと思います。できるだけ苦しまない方法、生きる長さより質の良い一生を送りたいです。
Posted by うさぎ at 2011年01月31日 08:31 | 返信
これは凄い日記です・・。
先生は一応は普通のお医者様です。(変ないいかたですみません!)
その不通の標準的なお医者様である先生の口から、
「抗がん剤に殺された?」という題名の日記を発信してくださるとは・・。
癌と一緒に殺されるのは治療では無いです・・・。
Posted by チズ at 2011年01月31日 09:50 | 返信
本当に在宅医療に関わっていると実感させられることですね
ターミナルがん患者さんが病院での抗がん剤治療を拒否すると悪のように思わせる
もっと状態を見極め(医師も予後はわかっているのでしょうが)、人生の最終章を考慮して欲しいと思います
私自身も身内を在宅で看取り(抗がん剤を拒否したので病院医師には気を使いながらでしたが、在宅医師に最期によいケアをして頂きました)、必ず誰しも訪れる死について考えさせられました
Posted by レイン at 2011年02月01日 10:14 | 返信
これの記事を読んで本当に涙が出ます。
いろんな想いが伝わるから・・・。
もちろん私は医者でも癌で身内を亡くしたこともありません。
ただ、癌でなくなっていく利用者さんを見るたびに思います。
最期の重要性を訴えてくれるお医者様が増えることを願うばかりです。
そしてそれに応える在宅を支える職業のものたちも・・・。
Posted by きむみ at 2011年02月02日 07:16 | 返信
医者の傲慢さによって命を奪われたと感じている家族の一人です。
癌細胞に侵された箇所を治す事だけに専念し、患者の全身を把握していなかったとしか思えません。
この最後を、その医者自身も体験したいと思うか?と、問いたかったです。
上手くいけば、もうけもの、失敗すれば、ごめんなさい、・・・全くその通りです。
そして、ごめんなさいで通用するのですから。
医療とは、ありがたさと怖さの両方を持ったものですね。
Posted by 茶々 at 2012年08月01日 06:08 | 返信
肺癌で京都の日赤で抗がん剤治療を受けていた主人が亡くなった。 一度は信じようとしていたけど、今は病院の恐ろしさと不信感でいっぱいだ。肺気腫・肺癌の患者はあの呼吸器内科を受信してはいけない!!
Posted by さくら at 2013年04月06日 10:28 | 返信
先日 母が癌で亡くなりましたが 癌で亡くなったというより抗がん剤によって肝臓も腎臓も破壊されて亡くなったという感じです。叔母も そうです。叔母も 卵巣がんでしたが抗がん剤によって内臓出血し亡くなりました。友人は初期の子宮がんでしたが抗がん剤によって白血病になって亡くなりました。
Posted by ゆう at 2015年09月26日 11:31 | 返信
8年前に最愛の息子を骨肉腫でなくしましたが抗がん剤に殺されたようなものです。まだ息子は13歳と言う体で当時は金沢大で最先端と言う、ろくでもない毒々しい黒紫色をした抗がん剤でものすごく苦しめられ実験された挙句もう使い物にならないとわかると見向きもされなくなりました。
医者を信じきった私が1番の犯罪者です。現在私の兄が直腸癌ですが老いた両親には医学ではなく別の方法をと思い別の形で治療を始めていますが(順調です)両親は兄を病院に連れて行ってくれ、抗がん剤を打ってくれと私に懇願しますが兄とは相談の上でしていると言っても聞きません。お医者様様様様みたいですね。
本当の姿は被害者になってみないとわからないですよね。
Posted by シオン at 2016年12月05日 10:59 | 返信
ブログ、拝見しました。
主人が胃癌と言われ、胃の外壁まで腫瘍が出てきているとのこと。
病院では抗がん剤治療をしましょうと言われていますが、正直迷っています。
どちらの選択が正しいものなのかわかりません。
二人でしっかり話をして決めたことに後悔だけはしたくないと思っています。
今は、病気は自分の体が作ったものなので、自分で治せますという言葉を信じて免疫を高める
食事などを取り入れています。
子供が来年やっと社会人。
まだまだ、一緒にいたいんですよね。
Posted by めぐみ at 2017年03月22日 09:13 | 返信
映画「痛くない死に方」が世に送り出されるまでに、
このような「痛い」ことが沢山積み重なっているのですね。
私の生みの母は丁度阪神大震災の年に、50代で甲状腺癌が発覚。
それも大抵は助かるところが、1割の人しかならない珍しいケースとかで
「一番偉い先生がすぐに“これは私が診る”と言ってくれた」と母は誇らしげでした。
大学病院と6年間の付き合いの間、色々施して下さいました。お金も要ったけど保険でなんとか。
家で過ごして時に治療入院、大腸癌手術、最期は骨盤への転移が悪化して入院し亡くなりました。
まだ平穏死ということも知らず、病室で迎えたその時を家族や親族で見届けることが出来たので、
特に疑問も不満もありませんでした。ずっと一緒だった父は「とうとう逝ってしもうた」と一言。
正直私は「みんな闘いからやっと解放されたんだ」とホッとするところもありました。
大学病院はさらに大きくなり、助教授先生は現在教授となられ診療科のトップでご活躍のようです。
母の治療が、他の誰かを助けることに繋がったなら幸いです。
自分自身はあまり病院行かないので、一昨年、義母について久々に病院ベッタリになった時、
何か母の時と違うなと。20年以上経つ間に医療界に何があってどう変わったのか、
加えてコロナ禍でどうして医療が上手く回らないのか、今までの流れを知りたくて、
こうして過去ログを辿っています。ずっと残しておいて下さって有難うございます。
Posted by taco at 2021年03月15日 11:47 | 返信
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