食道癌と咽頭癌の合併はあまりにも有名。
酒とタバコが原因だ。極めて単純な癌。
このひとは、おまけに進行胃癌も合併していた。

同時性３重複癌という。
しかし、見事に病気を乗り越え、社会復帰されている。

幸運な方だ。
普通は助からない。

タバコ癌は、自分がなるまで他人事だ。
拙書「禁煙で人生を変えよう」にもちゃんと書いてあるのだが。
人間は、死の淵を見ないと変われない。

その方は、１年間、まさに死の淵を見て来られたのだろう。
その結果、大変爽やかなお顔をされていた。
運がいいのは、神さまが味方をしてくれたから。

「死んだらあかんで！」
「タバコの怖さをみんなに言ってね！」
「達者でな！」

一期一会の癌であったのが、再会できた喜び。
お礼を言うためだけに来院してくれた。
これぞ町医者冥利！

別に、同じような、肺癌の患在宅患者さんの在宅医療も始まった。
タバコと食道癌、咽頭癌の深い深い関係は忘れてはならない。


みんな、死にかけて初めて、タバコ病の怖さに目覚める。

いや、死ぬまで、タバコの害に目覚めない。

禁煙ファシズムとか理屈を言うひとには、壮絶な在宅現場を見て欲しい。
そんな人に限って、自分が癌になったら「なんで俺が・・・」と怒り散らす。