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在宅医療も専門分化
床ずれ治療は皮膚科専門医が往診するのか?
2011年03月03日(木)
最近、病院から紹介される患者さんには、各科の専門医もセットされている。
床ずれのある患者さんを訪問すると、すでに皮膚科専門医の往診もセットされていた。
在宅でも各科の専門医を揃えることが「最新の地域医療連携」だと信じている連携室。
根は深い。
在宅医療も、専門・分化しつつある。
末期がん専門の在宅専門クリニック。
神経難病専門の在宅専門クリニック。
何でも診るミックス型クリニック(=当院)。
当院では、
床ずれ、バルーン、腎瘻、人工呼吸器・・・
何でも普通に診る。
他科に往診を依頼するのは、
眼科と歯科のみだ。
床ずれは、今やラップ療法で治るのが、日本の常識。
しかし、まだそれを知らない病院医療者も沢山いる。
床ずれは。「治す」ものではなく。「治る」もの。
必要なものは、水道水と栄養管理。
高価な塗り薬は必要無い。
デブリも当院で行っている。
しかし、大病院の連携室は、「専門医」を揃えることが、
「退院支援」であると信じている。
病院と同じように専門医の往診を揃えることが、退院支援であると・・・
どんな老人も、複数の病気を持っている。
その発想でいくと、
循環器専門医
消化器専門医
整形外科専門医
認知症専門医
皮膚科専門医
泌尿器科専門医・・・・
と、軽く10人もの専門医を揃えなくてはならない。
それが最高の医療を提供すると考えるのが
病院の発想。
中野一司先生流に言うと、「キュア的思考」。
退院調整担当者や病院の地域連携室のスタッフ達も
完全に、「キュア的思考」の落とし穴に入り込んでいる。
中途半端な退院支援など無い方がずっといい。
膀胱バルーンが入っているというだけで、泌尿器科専門医の定期往診と
セットで依頼されるケースも増えている。
訪問看護師さんにやってもらった方が、患者さんも家族もずっと助かるのだが。
地域連携室の方には、「本当の在宅医療」を知って欲しい。
他科の専門医に依頼をかけるにしても、在宅主治医に任せて欲しい。
本当にして欲しいことは、「在宅」という素晴らしい選択肢があることを早く教えること。
在宅医側にも、沢山反省すべきことが多々ある。
このような情報を、地域連携側に発信していないこと。
真の在宅医療とは、全人的医療であること。
これらを、ちゃんと病院側に伝えるべきだ。
現在、「尼医ネット」という医療機関情報を医療者や市民に公開して、
医療連携に役立てる医師会プロジェクトに委員長として取り組んでいる。
昨年冊子が出来て、今年はこれをウエブ上で検索可能としたい。
このような診療所機能に関する情報開示が不十分な現状の中、
病院の地域連携室を批判するのも間違っている。
本当は、双方が本音で「連携」を話しあうことからすべてが始まる。
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この記事へのコメント
アメリカに14年住んでいました。日本は色んな意味でアメリカの20年後を歩いていると言われますが、医療もまさにその通りと感じます。ご指摘の専門医化もそのひとつの表れでしょう。めったにお医者にかからないので 内科医とかはわかりませんが、その私の歯科医の体験ひとつとっても 一般的な治療をする歯医者さん、根幹治療、歯茎の治療、子ども専門、親知らずとかを抜くお医者さんと 歯だけで5種類。たぶんもっとあるんでしょうけど… 専門化して知識や技術が深まるというメリットもあるでしょう。でも一人の人間の身体を何人もの医師が診て 総合的判断ができるほど医師同士が有機的な関係を築けているのか疑問。
Posted by Non at 2011年03月09日 10:18 | 返信
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