最近、入院依頼を諦める傾向がある。
御希望の病院に入院できる確率は、２～３割。
大昔の大学受験のような確率だ。

今夜も、某有名病院は満床。
まあ今夜に限らずずっと、ずっと、満床。
当直も泌尿器科医しかいない。

それでも患者さんはその病院以外は嫌だと言う。

遠くの御家族と相談し、明日、受診することにした。
例によって、「死ねへん、死ねへん」と励ます。
近所の方と、ベッドの上まで運んだ。

大きな骨折をしても入院できない。
盲腸でも手術できない
そんなアホな、と言われるがこれが日常だ。

電話しても泌尿器科医や精神科医しか当直していなくて、
「わしゃ知らん」と言われるだけ。
最近は病院に電話することすら、億劫になってきた。

どうせ駄目。
どうやっても駄目。
なるようにしかならない。

これが、関西一の病院の夜の実態だ。
病院の医師を非難しているのではない。
ここまで医療を破壊してきた、マスコミと厚生労働行政の結果を書いている。

１１９番をすれば、すぐに救急車が来て、最高の病院で最高の医療を受けれる、
といまでも本気で思っているひとは、テレビの見すぎか、幻覚を見ているおめでたい人。
現実は、キビシーイ！

まあ、医療崩壊なんて、行くところまで行かないと、
マスコミも市民も、誰も気が付いてくれませんから。
私ごときが、騒ぎ立てなくてもいいのかもしれない・・・

淡々と行きましょうね。
死ねへん、死ねへん。
人間、そう簡単には死ねへん、と言い続けることしかできません。


先週も夜診の最後に、血糖１１００、ＣＲＰ３４の初診の患者さんが来て、
淡々と外来で治療しているのを見た、ある病院の先生が驚いていたな。
まあ、驚くのが普通だろう。その患者さんは死んでもいいからと入院拒否だった。

我々は、病院から溢れ出た人も、多く診ている。
地域医療に確かに貢献している。
その患者さんを元気にして労働もさせている。

医療費削減にもずいぶん貢献している。
看護師、事務員たちは連日連夜の過重労働に支えられている。
こんなスタッフに恵まれた私は、もういつ死んでもいい。（酔っ払っていまーす）

こんな開業医やスタッフたちをいじめるのなら、
もう辞めちゃいますからね。
お役所さん。