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市民フォーラム「医療と消費税」が、尼崎で開催

2011年03月13日(日)

我が国で初めての、「医療と消費税」に関する市民フォーラムが、尼崎で開催された。
「医療は非課税」という一見聞こえの良い、デタラメ税制が、今、医療崩壊を招いている。
「医療と消費税」問題は、実は国民に直接関わる問題であることに、市民は賛同頂いた。
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昨日に続いて、ある意味、KYとも言われるべきイベントが続けている。
犠牲者、被災者に対する黙祷から、公開セミナーは始まった。
こんな時に、こんな話題ではあるが、とても重要なテーマが議論された。

これは、医療機関の我がままではない。
医療機関が、得をする話でもない。
患者さんが損をするのではなく、得をする話なのだ。

今日、市民がここ尼崎に集まった意義は大きい。
国民の力が必ずや、医療崩壊を防ぐであろう。
今日が、出発点である。

現在、兵庫県民間病院協会は、この件で、訴訟を起こしている。
「医療と消費税」が、欠陥税制であることがハッキリした。
一見、大変地味に見えるが本質的な問題である。

このような消費税に関する根本的な議論を経てから
消費税議論を進めるべきだろう。

闘うべきは、厚労省か、財務省か。

【医療と消費税】

医療ジャーナリスト 田辺功氏の講演

 

消費税とは?

最終的には消費者が負担する。

 

製造業者   500+25(25)

販売業者   700+35(10)

もし課税なら 1000+50(15)

病院(現実) 1000+0(-15)

 

建設業者 100+5億円

病院  105億円

国が病院から5億円を取る

 

医療費の非課税

=日本医師会の誤判断だった

医療機関が儲けすぎとの誤解から騙された。2000年

開業医は認識が無かった。

 

非課税は13種ある

・土地の譲渡および取引

・行政手数料

・医療費など

 

官公庁、授業料、火葬量、住宅価格=価格改定できない

医療費、介護料=価格改定できる

 

損税の現実

公的病院 7863億円

民間   3392

大学   33700

自治体  5185

済生会  3000

 

国の言い訳=診療報酬に上乗せ

実際はデタラメ

ある検査項目の推移

1988年 1989年  1994年  2000年  2010年

2 40点  245点   210点   160点   104点

どんどん下がっている。

 

戻し税は輸出企業への援助対策になっている。

企業には戻しているが医療には戻していない。

 

税収入に占める消費税収入の割合は日本は19%。

消費税5%の日本と、17.5%のイギリスが、

税収入に占める消費税収入がどちらも19%であるのは何故か?

=大企業が税金を払っていないからだ!

 

税制は医療機関に厳しい=財務省は医者を目の敵にしている

宗教法人、学校法人には優しい

その結果、病院の7割が赤字となる。

 

日本は医療を考えていない税制である。

財務省の罪は重い。

 

【控除対象外消費税問題の実態と日本医師会の考え方】

日本医師会常任理事 今村聡先生による講演

 

保険診療=非課税

自由診療=課税

 

控除対象外消費税問題

 

売り上げが10億円の病院の場合。

うち、保険診療9億円

自由診療1億円(消費税500万円)

 

仕入れが、4億円(消費税 2000万円)

 

国に300万円収める

すると、控除対象外消費税 1800万円が発生する。

 

ゼロ税率と非課税の混同

平成元年 0.76%

平成8年 0.77%

合計 1.53%上乗せされ、解決済みとされてきた

医療の項目は約4000ある。

しかし、0.43%は、その後の改訂で検証されていない。

そもそも上乗せされた項目は、合計36項目に過ぎなかった。

 

損税という問題はおかしい。

損得ではない。

控除対象外消費税の実態は、2,22%

財務省は1.53%

その差0.74%は解決されていない・・・・

 

病院、診療所で負担割合で負担割合に差は無い

大病院ほど負担割合が大きい

 

療養病院と精神病院は低い。

医薬品、材料の使用が少ないため

 

設備投資でのが一番大きい

診療報酬では解決できない。

このままで税率を引き上げてはなりません。

抜本的な解決が必要。

 

 

【梅村聡議員の講演】

非課税と言いながら、実際は国民から取っている

(診療報酬に上乗せしている)こと自体が問題である。

医療側から見ても、患者さんにとっても大きな問題。

ブラックボックスとなっている問題。

 

以前、国会でも舛添大臣に質疑したが答えが無かった。

そもそも、なぜ36項目だったのか?

財務省から出て来たお金を、厚労省の役人が勝手に決めた。

これは医療界の損得の話でも無く、消費税の決め方に関わる話しだ。

すなわち、納税者と省庁との関係。

 

現在、税と社会保障の一体改革」にて検討されており、

完全解決の道を歩んでいる。

これは医療者だけの話ではなく、市民の問題である。

 

【田中康夫議員の議論】

増税で景気浮揚した国家は歴史上、存在しない。

日本の「消費税」は世界で唯一の欠陥税制である。

 

イギリスの付加価値税 VAT=実質9%

非課税:医療、教育、郵便、福祉、金融

ゼロ税率:食料品、公共交通、

軽減税率:電気、ガス

割増税率 なし

 

中間業者が、負担をする

 

医療は非課税

インボイスの導入を

強気を助け、弱気を挫く日本の消費税

免税業者はインボイスを発行できない。

 

益税=年間3兆円もある。

トヨタなど上位10社で1兆円の税金が戻っている。

 

上場企業の7割は、法人税を1円も収めていない。

一旦赤字になると自動的に7年間、法人税も法人事業税もゼロ円。

 

1 付加価値税

2 インボイスの導入

3 納税者番号導入

4 給与所得者にも確定申告を

 

この議論の延長線上で、「医療と消費税」を考えなくてはいけない。

 

【関根友美氏(患者代表)の発言】

正直、驚いた。

なぜ医療者はもっと早く声をあげなかったのか?

きっと医者の良心が邪魔をしてきたのだろう。

たしかに医療者は我慢しすぎたのかもしれない。


【宮崎秀樹元参議院議員の発言】
当時、事業税を取られると言われてこうなった。
保険料を取られているので、それですでに非課税ではない。
医療における消費税は、別枠で考えるべきである。
しかし必ず解決するべき問題である。

【古城資久先生のご発言】
これは介護界、薬業界も含めた問題でもある。
介護も、年間、600億円の損税になっている。
医療界内でも対立があった。
院外処方の医療機関は益税となっていた。
しかしそんなことを議論をしている場合ではない。
フェア、オープンという原則に裏打ちされた税制に改めるべきだ。

【石川正弁護士の発言】
国会決議されたことを覆すことはなかなか大変だが
これを契機に考えるべきべき重要な問題だ。



 

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この記事へのコメント

長尾先生、いつも力のあるブログを楽しみにしています。新潟の向井です。消費税と医療についての内容、とても共感致しました。医療と消費税についてはきちんと考えていかなくてはならないと痛感いたしました。

特に私たち薬局は特に原価率が7割もある中で消費税について論じることがないどころか税や法律上の問題点を論じることがありません。たとえば薬局は医療法人ではなく小売業であるために保険診療でも印紙税法により3万円以上の領収書には印紙が義務付けられています。しかし医療は印紙税法では免除されている点から入院や院内処方だと印紙は必要なく院外だと印紙が必要になる、こんな矛盾に対してもなにも言わない・・

消費税については原価率が高い分影響が大きいわけで消費税が15%になると薬価も10%上がると信じている経営者が多くいる。受身な状態の今のままではそんなことになるわけがないと思っています。私も大きな場でなくともきちんと学び声をあげていけるようになりたいと思っています。

これからも楽しみにしています。

Posted by 向井@新潟 at 2011年03月16日 04:45 | 返信

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