今日は、広島大学のがんセンターでの講演。
会場は、「原爆研」と、なんとタイムリーな場所か。
がん対策は終わらないので、意味のある講演にしたい。

早朝から何軒かの往診をこなし、多くの患者さんを診てから
１２時過ぎの西向きの新幹線に、入場券で飛び乗った。
なんと、終日、自由席はもちろん、グリーン車も超満員で一席も無い。

しかたなく、グリーン車のトイレの前のデッキに座り、
おにぎりを食べていたら、乗務員に怒られた。
「グリーン車のお客様の御迷惑になります」と。

俺も、中でちゃんとお金を払っているのだから、床に座るぐらいいいじゃない。
あまりにしつこいので、言ってやった。
「実はインフルエンザに罹って、気分が悪いんです。ゴホゴゴ・・・」

乗務員は慌てて逃げていった。
これぐらいの嘘はいいだろう。こちらはプロだから、仮病は簡単。
なにせトイレの前だ。

考えてみれば、被災者と同じような生活が続いている。
風呂は、元旦に３分間ほど、入ったきり。
飯は犬のように餌を口にし、寝る暇もあまり無い。

今日と明日の講演も迷ったが、聞いてくれるひとがいるなら行こうと決めた。
がんという病気が無くなることはないので、一生がんと闘うことになる。
今日の演題は、「がん再発難民の実態と提言」。

多くの改善の余地があるがん政策。
病院と在宅のあまりにも大きいギャップ。
それを埋める作業には喜んで協力したい。

今夜は、藤野邦夫さんともお会いする。
明日は、広島国際会議場で彼と講演する。
今夜は、ホテルで、ゆっくり風呂に入ろう。

まるで１年中、被災者のっような生活をしている。
まあ、これは被災者に失礼。
いつ、被災地に入るべきか悩んでいる。

今、１時４５分。
２時～４時まで思いのたけを話そう。