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がん専門教授の涙

2011年03月20日(日)

広島大学臨床腫瘍学講座の楢原啓之教授の仕事ぶり、ちょっと見させて頂いた。
教授なのに、受け持ち、処方箋発行、薬剤調達、患者さんへの注射までしていた。
本来、研修医が行うべきことを、教授自ら行っている現実を見て、可哀想になった。
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抗がん剤が、少し血管から漏れた患者さんがおられた。
放置すると潰瘍になり、患者さんに恨まれる。
教授自ら、電子カルテに記載し、薬剤を調達する。

キシロカインとリンデロン注射を薬剤部まで取りに行く。
患者さんと御家族に説明し、こまめに漏出部周囲に局注する。
たったそれだけでも、30分以上かかる。

各病棟に、看護師さんが、驚くほど沢山いる。
男性看護師が30%くらいいるという。
1人位拉致したい衝動にかられるが、我慢する。

看護師全員が、パソコン(電子カルテ)に向かって仕事をしている姿は異様だ。
看護師というより、事務職だ。
患者さんと一緒にウンコまみれになっている当院の看護師さんとは大違い。

医者の意識改革も大切だが、看護師も同様だ。
パソコンを見て、人は診ずになりやしないか?
電子カルテの入力を見ていたが想像以上に煩雑だった。

同時に、「もう大きな病院では働けないのだなー」と思った。
技術はOKだと思うが、あの無駄が多くて煩雑なシステムには耐えられないだろう。
まして教授が、こんなことまでするとは・・・

当直もある。
受け持ちもある。
指導もある。

会議もある。
研究もある。
講演もある。

正直、町医者でよかった。
日本のがん医療は、医者の周辺スタッフを現在の10倍に
増やさなければならない。さらなる国策とすべきだ。

楢原教授の現実に、驚愕し、同情し、怒りを感じた。
がん政策を見直さなければならない。

楢原教授は、
昨年も泣いていたが、今年も泣いていた。



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この記事へのコメント

楢原先生は患者さんから大変評判の良い教授先生です。
患者会のみなさんが口を揃えておっしゃっています。
本当に実力のある医師が認められない日本の医療界はやはりどこか
おかしいんだなあと感じます。
昨日放送されていた世界的脳外科医の福島Dr.の特別番組をみながら
あらためて実感してしまいました。
48歳で日本の医療界のシステムに見切りをつけて
単身訪米された福島Dr.の行動力に敬服しました。

Posted by 竹口雅之 at 2011年03月22日 12:49 | 返信

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