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あなたさえいなければ・・・

2011年03月31日(木)

また言ってはいけないことを、言ってしまった・・・
「拉致入院」からの脱出に際して邪魔になるケアマネに、つい出てしまった本音。
まあこの言葉で目が覚めたのか、即日、すべての管を抜いて御自宅に帰られた。
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認知症終末期の患者さんが大腿骨頚部骨折である病院に入院し、ある病院に転院した。
食事量が減ったが、家族は「胃瘻は入れないで欲しい」旨を何度も主治医に伝えた。
すると、その医者は家族に無断で(!)鼻からチューブを入れて栄養剤注入を開始した。

ご家族から私に「自宅に連れて帰り自然に任せて自然に看取りたい」との相談が来た。
しかし病院主治医は退院申し出を拒否し、これまた家族に無断で今度はIVHポートを作成!
今度は「その抜糸まで10日間の退院延期が必要」との「時間稼ぎ作戦」に出た。

意地悪なのか、病院の経営方針なのか。
人権無視もはなはだしい。
検査や処置などの家族への説明は一切無し。

その病院には、インフォームドコンセントという言葉はないようだ。

それでも、ご家族は、家に連れて帰ることを諦めなかった。

しかし、いざ、家に帰ろうとしたら、また主治医の嫌がらせが始まった。
「その在宅医は抗生剤の点滴を1日2回できるのか?」とケアマネに聞いてきた。
診察中にケアマネから「先生、2回の抗生剤点滴が出来ますか?」との電話があった。

私は、「そんなもん必要ない」と答えた。
するとケマネは、「主治医は、2回点滴できないなら家に返せない」と
言っていると、また私に電話で言った。

「一体、私はどうしたらいいのですか?」とケアマネ。
「今すぐ家に帰って寝てください!」と私。

「誰がですか???」と、ケアマネ。
「もちろん、あなたですよ。
あなたさえいなければ、今すぐその患者さんは家に帰るのです」と、言ってしまった。

こんなことを言うから、ケママネさんから嫌われるのだ。
しかし言ってしまった。どうせならついでに、
「北朝鮮から脱出するにに、いちいち将軍さまの許可が要りますか?」と言った。

これぐらい言わないと、そのケアマネは事態の本質に全く気が付かないと思った

私は、「全部の管を外して今すぐ病院を脱出してください!」と家族に言った。
ご家族は忠実に、即日、実行してくれた。


夜、初回訪問すると、家族全員が笑顔で迎えてくれた。
患者さん本人は目を開けて手を動かした。
そこで吸い飲みを口に当てて、水を5mlくらいを入れてみた。

唇をすぼめて飲み口から少しだが、水を吸ってくれた。
のど仏が少し痙攣するように、ヒクヒク動いている。
さらに5mlほど吸わして見た。

全員が見守る中、ついに「ゴクツ」と嚥下した。
家族から歓喜の声が上がった。
何ケ月ぶりの、嚥下という行為が目の前で行われた。

やっぱり、飲めるのだ。
飲めるのに飲めない、というう嘘のレッテルを勝手に張り、
胃瘻やIVHポートを埋め込むことが最高の医療だと信じているその病院医師。

御家族は、「もうこれで死んでも満足」と言ってくれた。
「でももしあの病院で死んだら死んでも諦めきれない」とも。
それほど、その病院への恨みが重なっている。


飲めるのに、「飲んだら死ぬ」と脅かすことが、医師の良心だと信じる病院医師。
不要な手術をし、不要な監禁をし、不要な延命処置ばかりを家族に全く無断でして、
退院を妨害することが、最高の医療だと信じているアホなその病院の医師。

全ての管をはずして、脱出退院させたその日から、飲んだり食べたりでき、
死ぬどころか、元気になって外出をしている患者さんを何人も経験してきた。
今回も、帰宅したその日から、確かに水を飲めている。

この病院の全レセプトを家族から見せてもらったが、医療内容に驚愕した。
どのように酷いかについては、改めてこのブログで紹介しよう。
こんな病院があるから日本の医療は駄目なのだ。

日本の医療を守るため、病院を守るために一生懸命活動してきたつもりの
自分が、本当に情けなくなった。自信が無くなった。
自分はこのような癌細胞に、栄養を送ってきたのか・・・

もちろん、世の中、そんな病院ばかりではない。
おそらく例外中の例外だろう。
しかし、そんな病院がこの世に歴然と現存しているのも事実。

そんな病院から無事に「脱北」できた御家族は、心から満足しておられる。
私も訪問看護師たちも、もうひと花咲かせようと、張り切っている。
全ての管を外して全てを自然に任せると、ご家族は腹を決めておられる。

いまだにこの病院からの紹介状は届いていない。
まあ、生きて脱北した患者さんは少ないからか、紹介状を書くという習慣が無いのか。
もしくは「裏切り患者には紹介状を書かない」とうう主義なのか。

まあ、とにかく、よかった、よかった。
思わず怒鳴ってしまったケアマネさんも、
いつか分かってくれるだろうか。








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この記事へのコメント

あはは
確かにオイラも先生に怒鳴られたら、ひるむかもしれませんw
ただ、ご家族さんの意思が固まっていれば迷わないですw。
「主治医が週2回の点滴って・・・」
病院の医師は、ご家族が拉致退院を決めた段階で主治医じゃないですからw

ご家族が退院を決められる際、オイラもたまたまそばにいましたww
きっぱりと「あの病院にも、今までの病院にも今後通いません!」といわれたので
「長尾先生が指示書も何もいらないというならなんとかなります」と
オイラもつい初めて会った人なのに言ってしまいましたww

Posted by きみきみ at 2011年03月31日 07:15 | 返信

先生のお言葉に担当CMさんはどう思ったでしょう。①いい勉強になった、今後に生かそう!②怖かっ

た。もう長尾先生とは付き合いたくない。③ほかのケアマネにこの事例について意見を聞いてみる。④自

分に利用者様と家族様の心の襞が読み取れなかった。力不足であった、と振り返る。⑤板ばさみなんても

うごめん。ケアマネなんてやってられない、退職する。⑥先生の言葉で自己評価がぐんと下がり、うつ傾

向になってしまう。⑦また長尾先生にぶつかってでも付き合っていきたい。等々、重複していますが、こ

れらの中のどれかでしょう。ケアマネは、いろんな方々に怒られてなんぼの商売(仕事!)です。これか

らもびしびしと怒っていただき、ケアマネ自身に何が自分で足りていないかを気づかせて下さい。

Posted by ゆうこ at 2011年04月02日 01:25 | 返信

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