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相馬市 薬切れ、努力と工夫で回避
2011年04月05日(火)
努力と工夫で薬切れを回避されている。
御苦労さまとしか言いようがないが、次の一手も考える時。
日刊薬業 2011/4/5
東日本大震災で大きな被害が出た福島県相馬市。医療関係者たちは地震直
後、原発事故の影響やガソリン不足などにより、致命的な医薬品不足に陥ると
いう強烈な危機感を抱いた。現在は薬不足の不安は払拭されているが、危機的
状況を回避できたのは、医薬品卸の奮闘だけでなく、医師や薬剤師の努力と工
夫があってこそだった。
「最初は何もなかったですから、水も、何も」。相馬市の中核病院の1つ、相
馬中央病院の齋藤行世院長は振り返る。先の見えない不安の中、厚生労働省や
日本医師会が長期処方の自粛を求める前に、自主的に処方日数を3日間に減らし
た。1日3回投与の経管栄養剤を2回にしてやりくりした。そうした中でも、「透
析は完璧にこなした」(齋藤院長)。止まっていた水は、消防ポンプ車で病院
の貯水タンクに汲み入れた。地震4日後、恒和薬品の滝田康雄社長が訪れ「薬は
何とかする」と約束してくれ、ようやく安堵した。今では2カ月分を処方することもある。
●絶対に薬切れは起こせない
市の基幹病院である公立相馬総合病院では、地震発生後3~4日目に納入に来
た恒和薬品のMSが帰社する際の車に、同院の薬剤師が同乗した。向かった先
は、退避前の南相馬営業所だ。「基幹病院として、絶対に薬切れは起こせな
い」という思いが、薬剤師を突き動かした。規格が違っても代替可能ならばよ
いと考え、自ら在庫を調べて必要な医薬品を選び、MSと共に病院に戻った。院
内では医薬品に困らない状況をつくった。
院外処方に対応するには、保険薬局への医薬品供給も重要だ。こちらも供給
不足は起こらなかったが、別の問題に直面した。処方箋の激増だ。避難指示地
域と屋内退避指示地域を含む南相馬市から、多くの患者が相馬市に流れてきて
いるためだ。
公立相馬総合病院の門前薬局の1つ、そよ風薬局は、地震翌日から全スタッフ
が集まり薬局を開けた。激務が続いた。これまで1日120~130枚だった処方箋枚
数が、最大で3倍まで膨れ上がった。「メモの切れ端に『処方箋』と書いた紙が
届いた」と、そよ風薬局の熊川由紀子氏(管理薬剤師)は述懐する。
●ライバル店とタッグ
そうした状況で、地震後、早くから店を開けていたもう1つの門前薬局フォレ
スト薬局で、事務員不足が起こった。そよ風薬局でも事務員を休ませたかっ
た。2店舗で話がまとまった。「互いの店舗を順番に閉めて事務員を休ませ、薬
剤師は助け合おう」
民間企業同士のライバル店が手を組んだ。3月18~21日はそよ風薬局、22~
23日はフォレスト、24~26日はそよ風、27日はフォレスで営業した。店を閉め
た側の店舗の薬剤師はヘルプに入った。調剤は棚の状況をよく知る当該店舗の
薬剤師が行い、ヘルプ薬剤師は投薬業務をした。やがて市内の他店舗が店を開
け始め、28日から通常営業に戻した。「会社は難色を示したが理解してくれ
た」と熊川氏。現場が本社を動かした。(田中士郎)
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