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東電は素晴らしいと言うひと
2011年04月14日(木)
マスメデイアもネットメデイアも、東電非難の記事が目立つ。
今夜、大阪で講演したが、懇親会で「東電は素晴らしい仕事をしている」と言う人に会った。
東電を誉めるその人に、その理由を聞いてみた。何気ない酒の席での雑談で他意は無い。
その人は、原発の測量の専門家。
全国の原発を回っているそうだ。
しかし人前では「原発」とは言わない。
「原発」のことを、人前では、「原子力」と言うそうだ。
原発と言うと睨まれるが、原子力と言うと納得される。
なるほど、言葉は使いようだ。
原発の専門家でも、大きな声で「原発」と言えない現実。
その彼が、「東電の対応は素晴らしい、涙が出る」と言っていた。
同じ映像でも見る人によってこれだけ反応が違うものなのか。
東電の専門家は話は下手だが、間違ったことは言っていない、と言う。
原発を知っているひとが言うのだから、そんなものなのか。
彼の前提にあったもの。
それは、「今回の爆発は、天災であって人災ではない」、とのこと。
福島原発は、とても良くできて、他の原発の方が、作りは荒いと。
あんな津波は、想定できるはずはない、と。
ゴルフと一緒で、後からはなんとでも言える。
タラ、レバ。
だから、彼は、「仕方が無い」、と言った。
いま、東電を非難するのは簡単だ。
しかし今その東電の原発が作った電気で暮らしている現実はどうなのか。
理屈からいえば、電気を使っている限り、自己矛盾となる。
手術が失敗して患者が亡くなった時と似ている。
完「璧な準備と事後対応もしたのですが、
予想不能の合併症が起こってしまいました」
医者は「そんなこともあるわ」と内心思っても、患者は納得しない。
反対に、仲間の医者は「あれは不可抗力だ」と医者を擁護する。
同じ医療事故でも、患者と医療者では、見方が180度異なる。
医療の不確実性、と
原発の安全性、は
似ている気がする。
・福島に原発は必要だった・・・
・東電は悪くない・・・・
・レベル7は、人災ではなく天災・・・
分からなくなってきた。
いろんな見方ができる。
ただひとつ言えることは、いまも
原発と闘っているひとたちがいるということ。
彼らは過酷な環境下にある「戦地」でまさに闘っている。
非難する前に、この戦士たちにエールを送りたい。
御苦労さま、御安全に!
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この記事へのコメント
こちらのブログ 毎日読んでいてうなずけるところあります
でも
>医療の不確実性、と
>原発の安全性、は
>似ている気がする。
そうかな? 被害の規模が違いすぎませんか
手術の時は 一筆書かされますね 何かあるかもだから それが不可実性でも 初めから予見している
原発は 『絶対事故は 起きません』
この関係は似ても似つかないと 思えますけど
Posted by 紅いカラス at 2011年04月14日 10:44 | 返信
長尾先生、「知識がないので考えがぶれる」ということ理解します。私もこの震災でいくらか原子力発電のことは勉強しましたが、科学者ではないので、「知識がある」なんて間違っても言えません。それでも今は迷うことなく反原発です。
今の福島の状況は日本中どこでも起こりえることでした。いえ、これからも起こりえることです。ですから私は反東電ではありません。今、放射能を浴びながら賢明に作業している東電関係の従業員とそのご家族には本当に頭が下がります。ですから、反原発なのです。
今すぐ全ての原子炉を止めて廃炉の手続きを!と言うつもりはありません。でも脱原発です。出来るだけ早い時期に他の発電に移行できるよう、まずは表明が必要なのです。日本に原子力発電はいりません。
Posted by 道産子 at 2011年04月15日 03:41 | 返信
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