- << 帰りたいけど帰れない
- HOME
- 謝罪する暇があったら法案通して! >>
このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
尾形さんの報告
2011年04月24日(日)
相変わらず不安が渦巻いている。
GWに南相馬に寄ろうと思う。
4月15、16日(金、土)本日の相馬市・南相馬市(医療機関を中心に)
昨日と本日は、先日お知らせしたとおり私事で通夜と葬儀を中心に時を使いました。
80歳になる叔父は、叔母が亡くなったため、初七日を過ぎると一人で南相馬市の家で生活することになります。娘と息子がおりましたが、昨年息子を亡くし娘は仙台で夫の両親を抱えております。亡くなった息子の配偶者は、二人の娘と孫が避難している長野県等に戻ることになっています。こうした例は、これからどんどん増えるでしょう。20km~30kmの南相馬市では、本年度小中高校は授業を行えません。子どもだけ転校は、あり得ないでしょう。家族一緒の移転なら、生活の確保も大変な課題でしょう。妻と子だけ移転し夫は地元に残り仕事を継続する人も多いでしょう。今日の南相馬市は 夕方は、大渋滞でした。一つ一つの車の中に、どんな思いの人々が、どこへ行くのか。とてもせつない気持ちになりました。南相馬市の火葬場の職員は、連日4基が4回転以上のフル稼働だと言っておりました。私たちが、いる間も、ほとんど関係者のいない白木の棺のみ火葬が続いていました。全ては原発の事故の影響なのだと思われます。テレビは、放射線濃度が下がり続けていることから、多くの行方不明者の捜索が20km以内の地域でも始められていると報じています。こうした光景はこれからも長く続くのだと思われます。
今日は二つの話題をお知らせします。
相馬市の立谷市長は、南相馬市の医療の立て直しを視野に入れた活動を活発に行っております。彼は医師です。だから理解できることが多いのでしょう。的確な指示を出していると思います。一般の方は、患者が多いので医療が不足していると単純に考えます。それは間違いではないのですが、この地は、他の地域と内容と意味が違っています。単純に被災したのなら、被災したインフラを整備し、元に戻すように考えればよいのです。 しかし、相馬市や南相馬市は原発の問題があります。医療で言えば、8つの病院は、回復する見込みがありません。原発20km以内だからです。20~30kmの6つの病院もかなりの困難を伴うでしょう。政府が、病床の再開を認めていないからです。正式には、文書等での通知は一つもないのですが、そういう圧力が地域の医療機関と行政を操作しています。本当に法治国家なのか疑ってしまいます。6つの内の1つは鹿島厚生病院で32km地点にあるのですが、みなし30kmとかでやはり病床復活が認められていません。相馬市の2つの病院はいよいよめいっぱいです。どういうことかというと、避難の時、比較的安定している患者は在宅にもっていきました。それは、老健や特老も同様です。通常なら訪問介護や通院や通所で対応が可能だったでしょう。家族も関わる ことができたでしょう。
でも今は原発の不安が大きくのしかかっています。不安をあおるような政府の発表とマスコミ連日の報道で、住民はすっかりおびえ、40kmを超える相馬市でさえ、小中学生の転出が昨日数字で124名にもなっています。基準値の信憑性を置いておくとしても、年間累積数値は南相馬でもすでに問題の数値を大きく下回っており、20kmからそとは全ての規制を解除できると考えます。何か変化があっても、核分裂がない限り、大あわてで避難する必要はないと思うのです。準備さえしておけば、通常にもどして、必要な医療や介護の体制を整備し、サービスを提供し始めないと大きな影響が出始めます。在宅の方々が悲鳴をあげはじめています。その声が届く体制ならよいのですが、そうではない場合、孤独な最後を迎えてしまうケースが出るかもしれません。また、寸前に発見しても、対応するインフラがない、60kmも80kmも先の医療機関を頼るしかない、また、病床が長く埋まってしまう症例の場合は、また、患者を自宅へ戻すしかない、こんなケースが増え始めています。多くの議員の方々や関係者の努力で少しづつ 前進しているようにも見えますが、スピードはまだまだたりないと感じます。精神科医療の整備も急務です。相双地域に精神科病床がゼロです。これは異常事態です。皆様のご理解とご協力を重ねてお願いいたします。
それから教育の問題も急務です。昨日、今日と星槎グループの会長である宮澤氏にお会いしました。大変聡明で気さくな方で、短時間でも人を引きつける、そして実力がある方だと直ぐにわかりました。直面する大きな問題の2つめ、教育を通じてきっとこの地の方々の支援をしていただけると感じました。こころからお願いしますと申し上げました。
それから NPO法人医療・福祉ネットワーク千葉理事 増山茂先生、相馬・南相馬のレポートありがとうございました。http://iryokoso-chiba.org/ を多くの方にも閲覧していただきたいと思います。
私は、福島県の会津保健所の職員です。今夜から会津に帰り、あちらの勤務を中心に行うことになります。週末はこれからも相馬市、南相馬市に関わっていきたいと考えています。多くの友人や仲間達がこれから復興に向け更に努力していきます。私もできることをひつでも多くしていきたいと考えています。
尾形 眞一
- << 帰りたいけど帰れない
- HOME
- 謝罪する暇があったら法案通して! >>
このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
コメントする
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL: