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今の仮設は良くなった

あの仮設に住み続けたかった!

2011年05月27日(金)

16年前に仮設住宅に入っていた患者さん親子が来院された。
「昔に比べて今の仮設は良くなったね」と、ため息をつかれた。
当事者でないと分からない感想を聞いた。

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16年前、仮設住宅に入って一番にしたことは、
コタツを買いに行ったこと。
続いて、洗濯機、冷蔵庫を買った。

今は、いいなあ。
最初から全部ついている。
うらやましい、と。

近くの電気屋さんでは、1日で一年分の電気商品が
売れたとこのこと。

仮設の周囲は、喫茶店など「仮説特需」で多くの店が立ち並んだ。
しかし今は、全部潰れて一軒もない。

要介護の父を介護しながら、避難所で3ケ月間
仮設住宅に3年間住まれた。
その後市営住宅に移られたが、仮設の方がよかった、と言う。

靴を脱いですぐに入れるので、動線が短い。
来客が来てもお互いが便利。
現在の立派な市営住宅より、あの仮設の方がよかったなんて。

全壊した我が家から、一番に取りだしたのは
父親のポータブルトイレ。
欠けていたが、最期までそのまま使ったと。

当時は、私も開業したばかり。
その時、その仮設住宅に往診していた。

クーラーは付いていたが、退去時には、持って出れなかった。
本当は、持って行きたかった、とも。

家具は付いているが、貸出し?
国費だから、個人にあげることはできないのか。

仮設のまま、長く住んではいけないのか。
今でも、住みたいと言った。
また、最初から仮設ではなく恒久住宅を作れないのか。

当時の義援金についても聞いてみた。
高齢の母親も、これについては詳しく覚えていた。

最初に10万円、その後20万円。
1年後に、全壊手当として100万円。
もちろん嬉しかったと。

そして、もちろん、今回、義援金を振りこんだ、とも。
やっぱり、報告会を芦屋でもやることを考えよう。


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