思わず、耳がダンボになった。
どうも救急センターに行きたいようだ。
耐えきれない痛みがあるようだ。

ここで我慢できなくり、パソコンを打つ手を止めた。
声を掛けて３０分ほど相談に乗った。
デパートでの、よろず相談もいいものだ。

主治医に末期がんと宣告されているが
もう主治医はいない、という。
しかし背中が痛くてたまらないと・・・

本当に痛そうだ。
思わず、麻薬を持ってないか自分のカバンを探した。
持っているはずはない。持っていたら、大変だ。

緩和医療が必要なこと。
痛みを取れば食欲が出ること。
在宅主治医が必要なこと。

これらを紙に書いて説明した。
すごく喜んでくれた。
来るというので、自分は大阪だと言って名刺を渡した。

世田谷の方だから、世田谷の在宅医を紙に書いて紹介した。
名刺を頂いた。
本屋さんを経営している方だった。

行きがかりのはずが、なんだか仲良くなってしまった。
渋谷の雑踏の中にも、がん再発難民が苦しんでいるのか。
なんとも言えない気持ちになった。

「こんなところをうろつけるくらいだから、まだ大丈夫、
死ねへん、死ねへん・・・・」

こんな訳の分らん説明に、素直にとても喜んでくれた。
どこぞの、ニセ医者かもしれないのに・・・

なんか、ひとついいことをしたような気がした。
自己満足だろうが。



今日は、朝から夕方まで
日本尊厳死協会の会議だった。
自分のやるべき仕事が山ほどある。

連携の仕事も、終末期議論も先は長い。

明日からは県立病院の研修医をマンツーマンで教える。
また新たな気持ちで頑張ろう。
何かいいこと、あるだろう。