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日本とデンマーク

2011年09月21日(水)

北欧型!と言われて、10年はたつだろう。
最初は嫌味に感じたけど、年をとっておかしくなったのか、
最近は素直に聞けるようになった自分自身に驚いている。
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日本はデンマークではない。
日本は日本だ。

しかし、デンマークの精神は見習うべきだ。
何故か?
北欧を一周した時、みんな幸せな顔をしていたから。

老人から学生まで、いい顔のひとしかいなかった。
この国のポリシーは間違っていない!と直感した。

昨日の、アピタルブログから引用させていただく。



9月20日(火) 日本とデンマーク

 

松本での在宅ケアの集会では沢山学びました。

あまりに盛り沢山の内容で、全部をレポート

するのは難しいですが少しずつ書いていきます。

 

在宅ケアに関係する多くの医療者・介護者・学者・

学生・市民・ジャーナリストらが混じり合った集会。

数ケ所の会場で同時進行なので体が2つ欲しかった。

 

午前の大熊由紀子さんと小山剛さんとのダブル講演は、

私のお目当てでした。

医学生やつどい場の丸尾さんと一緒に拝聴しました。

 

大熊さんは、「寝たきり老人のいる国いない国」や

「恋するようにボランテイアを」で有名な大学教授。

朝日新聞の医療・福祉分野の社説を長年担当された方。

 

小山さんは、新潟県長岡市で地域包括ケアを

実践されている社会福祉法人の施設長さん。

「地域包括ケア」を長岡で実践されている。

 

日本を代表するお二人が想いを述べられました。

デンマークと日本の高齢者ケアが、なぜ

どうしてこんなに違うのか。素朴な疑問です。

 

まずデンマークに特別養護老人ホームが無い理由。

1987年から、ケア付き共同住宅に政策変更された。

在宅ケアへの思い切った政策転換があったのです。

 

やはり在宅ケアの基本は、まず住環境からです。

台所が無い部屋は住宅とは言えないそうです。

そういえば台所が無い高専賃が増えています。

 

立派な自宅があるお金持ちでも認知症になれば、

ご家族に狭いワンルームの部屋に入れられます。

ご家族は、どこかに預けることで安心されます。

 

もっと劣悪な環境下の施設に預けられる人もいます。

4人部屋や6人部屋にいるひともいます。

8畳間に男女混合で6人寝泊まりしている施設も。

 

無収入の学生さんでもアパートに住む一方、長年

働いてちゃんと税金を納めた国民が認知症になった時、

人間らしいお部屋で最期まで過ごすのは意外と困難です。

 

小山さんは一部は憲法25条が守られていないと指摘。

25条とは、「健康で文化的な最低限度の・・」です。

やはり居住面積は絶対的に重要だ、と言われました。

 

1人暮らしなら、30~40㎡

夫婦なら、50~60㎡、あればなー。

それならデンマークに少し近づけます。

 

自宅かできるだけ自宅に近い形で余生を過ごしたい。

少なくとも、住み慣れた地域を離れたくない!

それが、多くのひとの願いではないでしょうか。

 

街全体が病院。

各病室が点在しているだけ。

道路は、病院の廊下に相当。

 

ナースコールは、テレビ電話。

顔が見えることが、安心の基本。

深夜もみ回りのヘルパーが巡回する。

 

24時間介護は、本来当たり前だったはず。

しかし、現実にはあまり行われていません。

来年度からの地域包括ケアでは当たり前になる!?

 

中学校区に1ケ所の地域包括センターが主役です。

食事も3食そこで作り、その人が配るのが小山流。

介護保険は家族介護を前提にしてはいけない、と。

 

地域包括ケアとは住環境と訪問看護の組み合わせだ。

小山さんは、こともなくそのように言い切ります。

大熊さんはご自身の母親の在宅ケアの話もされました。

 

いずれにせよ、医者は主役ではありません。

主役は、ヘルパーさんや訪問看護師さん。

おっと、患者さん自身でした!

 

いくつかの疑問が残りました。

 

民間組織と行政がどう関わればいいケア体制になるのか。

介護保険で賄えない部分はボランテイアといわれてるが、

そんな余裕のある人がどれだけいるのだろうか。

 

場を確保しようにも都会は土地が高すぎる。

また行政が縦割りで山のような規制がある。

第一、介護保険も財政難に喘いでいる・・・

 

本当に、もっと快適で、もっと効率的な

在宅ケアは、日本で可能なんだろうか?

これは毎日、在宅患者さんを診ている者の実感です。

 

私は、医療保険と介護保険制度の整合性確保や

複雑な訪問看護制度を改善することなどを

現場の意見として何度も提言してきました。

 

しかしいくら町医者が言って何も変わりません。

先日も、厚労省の勉強会でそうプレゼンしましたが、

残念ながらノーレスポンスでした。

 

患者さんを放って置いて上京しましたが、

単なる時間の無駄のように感じました。

副大臣や政務官もすぐに交代しました。

 

しかし、小山さんや大熊さんお話を聞いていると、

小さなことからコツコツを始めようかという気も。

愚痴を言ってはダメ、と大熊さんにたしなめられました。

 

北欧は、高福祉・高負担で満足ケアを実現している。

日本は、中福祉・中負担を目指そうと言われている。

でも、本当は国民全体でもっと真剣に考えないとね。

 

別の会場では社会保障政策が議論されていたようです。

財源確保に消費税を上げるのか、所得税を上げるのか。

しかし、お金の話よりシステムの話を、選びました。

 

私も数年前、北欧を回りいろいろ見てきました。

本当に大熊さんの言われているとうりでした。

市民にインタビューもしましたが満足度も高かった。

 

もはや日本も大きく舵を切る時期に来ています。

24時間安心して住み慣れた地域で過ごすために

何が必要なのか、議論を深められたらと思います。

 

ここは日本、デンマークではないと言う意見も。

しかし、北欧モデルは、やはり参考になります。

長岡での実践例を、さらに勉強していきたい。

 

明日は、「認知症患者はいない!?」です。

 

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この記事へのコメント

16年前に北欧の施設を学生旅行で見学に行きました。
人が人であるということ
そうした考え方が基本的に違います。
そして風土がゆっくりです^^

北欧の現状についてお正月ドキュメンタリー番組をしていました。
高負担で、保険が面倒を見てくれるということで安心な半面
心の喪失感というのも大きいとのこと。
権利で賄われるということは、疎遠になる家族も増えるということで
決して高負担=良い福祉政策とはならないということを感じました。

北欧の良いところと
日本の良いところをしっかりMIXできるということないのですが・・・
やわらかい頭の方が法作りにかかわっていただければいいのですけどね^^

Posted by きみきみ at 2011年09月21日 09:59 | 返信

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