腹水・胸水と書くと、本当に「水」のようだ。
膝に水が溜まったり、火傷の水ぶくれのように。
これらも溜まっている理由があるのだが。

腹水・胸水は、水ではない。
栄養素の塊だ。
血球成分を除いた、血漿成分に近い。

腹水・胸水を抜くことは、血液を抜くことに近い。
大昔から。病気の治療法に、「瀉血」療法がある。
それに近いイメージを持つ。

しかし、週３回瀉血したら、命が縮まるだろう。
それが分かっていてそれでいいのなら、それでいい。
しかし、本質を理解せずに、ただ水を入れ、水を抜くのはどうか・・・

抜いてはいけない。
抜く必要はない。
抜くと弱る。

実際、がん拠点病院から在宅に移行した患者さんは
１回も抜くことがないのが、ほとんどだ。
しかし、病院側は「先生、抜けますか？」と必ず聞いてくる。

どのレベルで答えればいいのか。
抜くのは針を刺すだけなので簡単だ。
その技術がそんなに大切なことなのか。

がん拠点病院の終末期医療が、
自作自演の狂言ドラマに見えてしょうがない。
分かってやっているのならまだしも、どうやら全く気がついていないのが不思議。

自作自演のドラマに、反抗すると、強制的に眠らせる。
問題行動、不穏行動、周辺症状。
いろんなレッテルを貼られて、睡眠剤や麻酔を打たれる。

これは、人権侵害なのではないのか。
少なくとも、そう疑う人間が一人もいないのが、がん拠点病院。
すべてが、根本から間違っている。

そのうえで、まだ、抗がん剤を打とうとする。
「抗がん剤を打たないと命が無い」と、煽る。
どっちにせよ、先がないのに、脅迫まがいの説明で家族を迷わせる。

実に、罪深い。

「あなたはもう、この病院に来る必要はありません」と
突き放してくれるほうが、どれだけ患者さんのためになるのか。
地域の緩和ケア医に紹介すればいいのに。

がん拠点病院が、自分の病院の末期がんの４０％を看取っている！？
がん拠点病院って、がんを治す病院じゃなかったの？
いつから、がん看取り病院になったの？

看取る暇があるのなら、がん治療に時間を費やして欲しい。
抗がん剤治療中の患者さんの精神的支持をして欲しい。
より良いメニューの選択の勉強に、時間を使って欲しい。

少なくとも、がん拠点病院の終末期医療は間違っている。

「がん対策基本法」を改定して欲しい。

少なくとも、下流の下流で、看取りまで行っている在宅医の
声を少しは聞いて欲しい。
患者さんがあまりにも可哀そう。

私は撃たれても仕方がない。
それが患者さんのためになるならば。

顔出しで過激なことを書けるのは、
無念で死んでいった患者さんの力があるから。
彼らの無念は、どこかで晴らさねばならない。

彼らが最期に放った言葉。

「あの時間は、何だったの？・・・」