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TPPに反対
2011年10月16日(日)
私は反対。なんでそんなに急ぐのか?TPPより急ぐことがたくさんある。
与党内でも割れている。西村真悟氏の意見が正論だと、私は思う。
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◎西村真悟 【また始まったキャンペーン、TPP】
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十三日に、政府が「TPP月内決着へ工程表」との見出しが躍り、十一月十二日、十三日のAPEC首脳会議で、首相がTPP交渉参加を表明?との記事が出た。
また、韓国がアメリカとの自由貿易協定を締結して、アメリカ国内での韓国製自動車販売のシェアーがまた伸びて、日本車の販売数は伸びずに苦境に陥るとの見出しも踊る。
つまり、また始まったのである。
バスに乗り遅れる、速く、TPPに参加しよう、のキャンペーンが。
そこで、言っておく。
TPPなんかに、あわてて参加するな、と。
さらに、言っておきたい。
一体、TPPに参加するとは、何に参加することで、我が国がどうなることなのか、分かっているのか、うさんくさいではないか、と。
我が国におけるTPP論の始まりはこうだ。
我が国の海上保安庁が、尖閣の領海で操業して公務執行を妨害した中国船長を逮捕した昨年九月、菅、前原という総理大臣と外務大臣の二人は、ニューヨークでアメリカ国務長官に「尖閣は日米安保第五条の適用領域である」と言ってもらうという「恩恵」を受けた。ところが、この翌日二十四日、この内閣は、逮捕していた船長を釈放して中国に屈服してしまうのである。
これら二人、ニューヨークでさもバツが悪かったであろう。
これらが、TPPを言い始めたのは、これからだ。
アメリカで、何があったのかは、分からん。
しかし、アメリカでのばつの悪さを経験したあとで、これらの口からTPPがでてきたことは確かである。
確か前原氏はこう言った。
農業は国内総生産GDPの1・5パーセントに過ぎない。
この1・5パーセントを守るために、98・5パーセントの産業を犠牲に出来ない。
つまり、彼は、TPPを農業の1・5パーセントと他の98・5パーセントのどちらを取るかの問題に単純化している。その上で、98・5パーセントを苦しめて1・5パーセントを守ってはいけない、と訴えている。というより、アジっている。
これは、問題を極めて矮小化したものである。このような思考力しかない者に内閣を委ねている現実に慄然とするべきだろう。
しかし、ここはこの論を持ち出した論者の頭に会わせて、我が国の文化や伝統の総体としての守り確保すべき国柄や国家主権の問題を捨象して考えてみる。
TPPに参加すれば、我が国の農業は回復不能の大打撃を受ける。しかしながら、GDPのなかの農業を除いた残りの98・5パーセントは活性化し成長するのか。
そんな単純な話しではない、馬鹿(アホ)か、と言うしかない。
TPPに参加すれば、確かに大手輸出企業は儲かるだろう。自動車は輸出企業の花形であり家電輸出もそうである。
では、そのTPP参加で大助かりの自動車輸出と家電輸出の対GDPの割合は幾らか。
それは、自動車が1・23パーセントで、
家電が0・0021パーセントである。
農業の1・5パーセントの方が大きいではないか。
これでは、我が国の文化や伝統とは無縁の無国籍の人間(実は、外国人参政権を推進する民主党の人間)が判定しても、前外務大臣が言い始めたことは事実に反するアジテーションだったことが分かる。
我が国の自動車や家電などの輸出大企業は巨大であるが、これらの企業が輸出によってもたらす富は、我が国GDPの中で農業と変わらない。即ち、我が国の国民経済の巨大な富は90パーセント「内需」によってもたらされているのである。
ここが、韓国経済と違うところだ。従って、韓国がバスに乗ったから、日本も乗らなければならない、ということにはならない。
韓国の車がアメリカで売れれば、韓国車に部品を提供している日本も儲かるのであるから、悠然と見ておればいいのであり、やきもきする必要はない。
以上で、前原氏がアメリカから仕入れてきた論が、如何にうさんくさいかということと、我が国経済の構造が輸出依存ではないので、韓国のように急ぐ必要はないということを述べた。
その上で、以下、初めに問題提起した、TPPに参加することは、一体、何に参加することなのかを述べる。
まず、農業。
既に述べたように、TPPに参加すれば、我が国の農業は壊滅する。それに変わってアメリカの穀物メジャー、アグリ・ビジネスが我が国の農地を支配する。
これによって、我が国の文化と伝統の基盤である「豊葦原の瑞穂の国」の風土が失われる。
文化と伝統の基盤の喪失が、将来の子々孫々に、如何なる計数不能の巨大で深刻な損失、喪失をもたらすか、深思されたし。
これは将に、我が国が、日本でなくなる、ということである。
次に、TPPは、何も農業だけの問題ではない。
TPPは、24の作業部会があり、農業はその一つの市場アクセス(農業)に過ぎない。市場アクセスには他に工業、繊維がある。衛生・検疫の部会は牛肉輸入に関することである。また、労働の部会は、低賃金の労働者が我が国に大挙して入ってくるという問題である。そして、TPPには、アメリカが我が国で最もやりたいこと、即ち、「金融」と「投資」の部会があるのだ。
一体、昨年の秋に、アメリカから帰ってきた者がにわかに打ち上げたTPPの24部会について、我が国のマスコミも政治家も、経済人も、全て知った上で物を言っているのか。
マスコミは、ここ数日の通り、TPPに参加しなければ自動車がアメリカで売れなくなると煽り、経済人はTPPに参加すれば輸出で儲かるとほくそ笑むだけではないか。日本国家の目標は、ただ儲かることだけなのか。マスコミにも経済人にも、個性ある日本という国民国家を維持するという問題意識が何故ないのだ。
また、中小企業の経営者も、TPP参加で低賃金の労働者を雇えれば、経営が楽になると思っているかも知れない。
しかし、低賃金の労働力を外国から大量に入れて上手くいった国は何処にもない。
日本がそれをすれば、町には日本人の失業者と、中国人とベトナム人とミャンマー人の低賃金労働者と家族が溢れる。我が国はそれに堪えられない。
これは、フランスやドイツで実験済みだ。
悲惨な結果が見えている実験をするということは、即ち国を滅ぼすことである。
とは言え、実は私も、TPPの24部会の一つ一つについて、参加すればどうなるか知らない。我が国に知っている者がいるのかも知らない。
そもそも、これがTPPのうさんくささそのものではないか。
しかし我々は、アメリカにせっつかれて郵政民営化をした経験がある。それで、何かいいことがあったのか。何もない。
よって、郵政民営化の狙っていたことを更に実行しようとするアメリカのTPPによる金融と投資(サービス)の内国民待遇要求(日本人と同じ待遇を保障すること)こそ、更に大きな警戒を以て拒絶しなければならない。
日本人は、このことにこそ、気付かねばならないのだ。
金融投資の内国民待遇を保障すれば、我が国の農地や水源地や山林は外国人の買収投資の対象になる。空港や港湾という国防上の要地も買収の対象になる。
水源地や保水力のある山林や農地の確保は、国防以前の国土保全の問題つまり国家存立の要件である。また、空港や港湾やその他要地の確保は、国防力に直結する問題である。
これらをTPPによって、外国に明け渡す体制に入ると言うことは、即ち、我が国が主権国家でなくなることである。このことと、我が国の伝統的農業の崩壊を併せ考えれば、TPPは、我が国の歴史と伝統と誇りを奪い、主権国家である我が国を滅ぼすものである。
最後に、アメリカの事情、というより、オバマ大統領と多国籍企業の事情を書いておく。
まず、オバマは、中間選挙に敗れて来年の大統領再選が危ない(当たり前だ)。それで何を言っているか。オバマは、アメリカ人の雇用を増やすとばかり言っている。
その為の手段が、我が国をTPPに入れることなのだ。
これにより、アメリカのアグリ・ビジネスや金融投資を含むハイエナ企業は日本に自由に入り込むことが出来て大儲けして雇用が増える。同時に、日本の富を欲しがる多国籍企業が喜びオバマの味方につく。
つまり、TPPは、オバマにとって大統領再選のための一石二鳥の道具なのだ。
オバマは、一般教書演説でこう言っている。
「輸出企業を支援するために、我々は2014年までに輸出を倍増する目標を掲げた」
「私は大統領に就任する以前から、貿易協定を強化するべきとの考えを明確にしてきた。そして、私が署名する貿易協定は、アメリカ人の労働者を守り、アメリカ人の雇用創出につながるものに限る」
つまり、アメリカ大統領は、再選をかけてTPP推進により輸出を増やし雇用を創設すると言っている。
先日の米韓自由貿易協定もその為に成された。そして、韓国をダシにして日本をバスに乗り遅れるなと急かし始めた。
何故なら、日本がヨダレがこぼれる最大のターゲットだからである。TPPへの日本の参加なしには、オバマの一般教書で述べた「大見得」は実現しない。
しかし、言っておく。
日本は国を危うくしてまで、オバマの再選戦術につき合う必要などさらさらない。もともと、チェ~ンジ、イエ~ス、ウィーキャ~ンとか巧みに言って当選した者ではないか。
(どこかの国の今の与党も、これを真似して、同じようなことを言って巧妙に選挙で国民を騙した)
ただ自分の再選を願うだけのオバマと、
アメリカと日本のただ儲かればよいというだけの多国籍企業と、
日本の政界とマスコミの無国籍の馬鹿以外に、
一部のハゲタカだけが得をする国境のないグローバルな世界など、
日本人もアメリカ人も、誰も望んではいない。
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