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在宅退院の承諾書

2011年10月16日(日)

昨日は、宝塚で3時間講演したが、面白い質問があった。
がん終末期に在宅医療を希望したら、「承諾書」を書けと言われたと。
「家に帰って病気が悪化しても、当院には何の責任もございません」と。
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病院のドクターは、在宅医をほとんど信用していない。
怪しい、としか思われていない。
だから、自宅に帰ることは、難しい手術を受けるのと同じくらい危険なのだ。

在宅医療は、それくらい信用されていない!

承諾書にサインが無いと家に帰れないという、病院医師の思いあがり。
病院医療が、「ホーム」だと思っているのだ。
反対。「アウエイ」であることの自覚が全く無い。

入院とは、拘束、軟禁状態である。
誰だって、早く出たい。
まあ、例外もいるが。

連携室のMSWは、「退院」がゴール。
「退院」からすべてが始まるのに、その視点が無い。
MSWとは、ただの追い出し係。

退院調整があるために、退院ができない。
がん拠点病院があるので、在宅医療に繋がらない。
緩和医療学会があるので、在宅緩和ケアに繋がらない。

昨日は、親の最期を診る子供たちへのアドバイス講演だった。
若い人に、「死」の話をする機会はあまりない。
まとまった「死」の話をするいい機会になった。

先週、高校生に「デスエヂュケーション」を行っている教師にお会いした。
とてもいいことだと思う。

死の教育は、子供の時から始めるべき。

死を受け入れない、ご家族が少なくない
末期がんであっても、納得されない。
医療者が悪いと言う。

気持ちが分からないわけでもない。
その気持ちに、何時間でも寄り添うのが在宅医の大切な仕事。

「死」が理解できない人々が暮らす国に未来は無いだろう。
人間は死ぬ動物であることが、理解できない。
そんなひとたちのはけ口になり、真夜中も体力が続jく限り付き合っている。

がんで死んでも「死」は、医者のせい。
なんでもかんでも医者が悪い・・・・

3時間の講演中に、10回以上携帯電話が鳴った。
大半は施設からの発熱や便秘の報告だ。

しかし、出ないと「契約違反で訴える」と言う人もいるので、
講演中でも電話に出るようにしている。

10分が待てず、あとで暴言を吐くご家族。
30分待つと、拗ねて帰ってしまう患者さん。

しかし自分だけは、たくさん話して、なかなか診察室を出ようとしない。
いろんなストレスに負けずに元気で、町医者道を歩みたい。


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この記事へのコメント

AUTHOR: 川島佐知子
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DATE: 10/19/2011 03:53:55 AM

Posted by 川島佐知子 at 2011年10月19日 03:53 | 返信

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