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水はたくさん飲むべきか?
2011年11月06日(日)
昨日の第5回目は水について書いてみた。
結論から言えば、脱水にならぬよう、適量を飲むことだが・・・・
生活習慣病シリーズ第5回 水はたくさん飲むべきか?
水不足の病気と水過剰の病気
生活習慣病対策の基本は食事と運動に尽きます。腹8分目、毎日の歩行です。脂分を控え、野菜、お魚を中心の和食を心がける。どんな本を見ても判で押したようにそう書かれています。カロリー制限については第2回で書きました。今回は、「水はたくさん飲むべきか?」について書きます。
水は全ての生命にとって不可欠です。水なくして生命の存続はあり得ません。人間の一生は、「産湯」に始まり、「死に水」に終わります。おっと、「湯棺」もありましたね。我々の体は60兆億個の細胞から構成され、身体の重量の約6割を水が占めています。人体で最も水分が多い臓器は意外にも「脳」であり、85%が水分です。我々の意識や脳の働きは水の状態に大きく依存しているのです。よく「健康のために水を飲もう!」と言われますが、いったいどれくらいの水を飲めばいいのでしょうか?実は、医学的にはまだ多少の論争のあるところなのです。「水をできるだけ沢山飲んだ方がいい」という人と「水は最小限を飲むだけでいい」という人。後者の代表が「養生訓」で有名な貝原益軒です。結論から言えば、私も年齢や健康状態に応じた適量の水を飲めばいい、と考えます。 水不足(脱水)で起きる病気として、「脳梗塞」「心筋梗塞」が有名です。血液が、ドトドロ状態になるからです。次には尿管結石でしょうか。濃い尿が続くと発がん物質と膀胱粘膜との接触が増えて膀胱がんの発生率が、また水不足で便秘になると便中の発がん物質と大腸粘膜との接触が増えるため大腸がんの発生率が高まる可能性があります。血管が詰まるだけでなく、がんにもなり易い!?
一方、水を取り過ぎるといけない病気もあります。その代表が心不全や腎臓疾患です。重症の心不全の方は、水分の摂取量が命に直結します。さらに、漢方医学で言う「水毒」と関連する病気として「メニエル症候群」「二日酔い」「水溶性下痢」「片頭痛」が、さらには「喘息」「湿疹」「鼻炎」までもが「水毒の病気」とされています。また、体を温めると良いことは広く知られていますが、体温以下の水の摂取は胃腸を冷やし、腸からの吸収力を低下させますから注意が必要です。
では、いったいどれくらいの水が適量なのでしょうか?成人男子の場合、1日当たり約2000mlの水を喪失しています。体内で代謝水と呼ばれる水が1日500~800ml作られているため、差し引き1200~1500mlを水分として補給すればいいいと考えられています。米国の専門家は2~3lを推奨していますが、日本人の場合、1~1.5lが適量ではないでしょうか。昔から就寝前の一杯の水を「宝水」と呼び、万病を防ぐと信じられてきました。水は口腔内の残渣や細菌を薄める効果もあります。日本人は、米食に味噌汁や鍋物、煮物など、普段から水を多く含む食品を摂る民族です。もちろん、季節の考慮も大切。節電で汗だくになる真夏は冬に比べて充分な水の補給が必要です。私は、「尿の濃さを時々診て自己チェックしながら水を飲んでください」と指導しています。水が多ければ多いなりに、少なければ少ないなりに腎臓が「自動調節」してくれます。あまり神経質にならずに、しかし時には尿の濃さを観察しながら水分量を調節すればいいでしょう。
キーワード:養生訓
江戸時代に福岡在住の儒学者・貝原益軒が亡くなる前年の84歳の時に精神的修行と自然療法による健康法を示した養生書。その実用性の高さから、今なお多くの人々に愛読されている。
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この記事へのコメント
気温が下がってくると直面する、お小水問題。
水分摂取は尿の濃さを見ながら調節…。ふむ。
いつも午前中は出るわ出るわ、膀胱破裂しそう。
午後は落ち着くけれど、
また夜になるとおトイレばかり行ってしまう。
そろそろカイロでも貼ろうかな。
低体温も改善せず、いつも寒い。
かかりつけ医「まぁ大丈夫です。
あなたの平熱の基準が人より低い所にあるだけですから。
2キロジョギング出来るなら心配要りません。」
寒いんですけど…。
Posted by 國本 直子 at 2022年10月28日 08:15 | 返信
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