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「ドルミカムを使う段階になったら・・・・?」
2011年11月15日(火)
今週も、別の病院から研修医君が来ていて、教える私も力が入っている。
一緒に在宅を回り、超優秀な研修医君が、発した質問が現在医療を象徴している。
「在宅ホスピスはいいんですが、ドルミカムを使う段階になった時、どう管理するのか?」
一緒に在宅を回り、超優秀な研修医君が、発した質問が現在医療を象徴している。
「在宅ホスピスはいいんですが、ドルミカムを使う段階になった時、どう管理するのか?」
なるほど。
彼は、「在宅ホスピス」という言葉を知っていた。
これだけで超優秀。100点をあげたい。
しかも、最終局面で使うであろう「ドルミカム」という麻酔薬の
在宅での管理法を質問してくれたのだ。
しかし、答えは、「在宅ではドルミカムを使う必要は無い!」
「使おうと思ったことも無い」なのだ。
「なんでですか?」
当然の質問だ。
「在宅では、余計な治療を行わず自然に任す。
自然に任せば、ドルミカムなんて必要ないんだ!」
キョトンとしている。
1時間ほど説明したが、半信半疑。
先日、お看取りした患者宅に連れて行ってご家族の話を聞いてもらった。
「大腸がんでしがた、亡くなる2時間前に、バナナを2本も食べていました」
「苦しんだ?」
「全然。眠るように死んで行きました」
「・・・・」
この証言で、少しは信じてもらえたかな。
病院では、6~7割の末期がん患者さんに、「ドルミカム」で麻酔をかけているそうだ。
在宅では、0%。
やはり、この差は、
日本とアトランテイス大陸という表現がぴったり。
この1週間で、彼の疑問が解消されるだろう。
それにしても、いい質問をしてくれた。
彼は、「在宅ホスピス」という言葉を知っていた。
これだけで超優秀。100点をあげたい。
しかも、最終局面で使うであろう「ドルミカム」という麻酔薬の
在宅での管理法を質問してくれたのだ。
しかし、答えは、「在宅ではドルミカムを使う必要は無い!」
「使おうと思ったことも無い」なのだ。
「なんでですか?」
当然の質問だ。
「在宅では、余計な治療を行わず自然に任す。
自然に任せば、ドルミカムなんて必要ないんだ!」
キョトンとしている。
1時間ほど説明したが、半信半疑。
先日、お看取りした患者宅に連れて行ってご家族の話を聞いてもらった。
「大腸がんでしがた、亡くなる2時間前に、バナナを2本も食べていました」
「苦しんだ?」
「全然。眠るように死んで行きました」
「・・・・」
この証言で、少しは信じてもらえたかな。
病院では、6~7割の末期がん患者さんに、「ドルミカム」で麻酔をかけているそうだ。
在宅では、0%。
やはり、この差は、
日本とアトランテイス大陸という表現がぴったり。
この1週間で、彼の疑問が解消されるだろう。
それにしても、いい質問をしてくれた。
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この記事へのコメント
すみません。なぜ在宅でセデーションが必要ないのか、わかりません。
母は末期の肺がんでした。酸素をあげても「溺れそう、苦しい、苦しい」と言い、自ら「楽にしてほしい」と訴えた上でセデーションを選択しました。
亡くなる3日前まで在宅で過ごしましたが、もしあの状態のままで在宅だったとしたら、どうなっていたか想像できません。しかし私自身の中で、未だに病院で亡くなったことが正しい選択だったのか、在宅で楽に死ぬ方法は無かったのか、両方に、ふらりふらりと気持ちが揺れています…
でもセデーションをかけて完全に眠るまでの間の、目つきがずっと頭から離れません…
Posted by みゆき at 2011年11月16日 09:16 | 返信
「ドルミカムを使う段階になった時、どう管理するのか?」
「在宅ではドルミカムを使う必要は無い!」「使おうと思ったことも無い」
頭ごなしに使用しないでは、あまりにも患者と患者のケアを担当している家族なりに、不都合があると思われます。
様様なケース、患者があり、在宅といえども高齢で薬剤のことは何も知らないケースだけではありません。
現に、使用している現場はあるし、それで感謝している患者さん、家族もいらっしゃいます。
Posted by いまは at 2012年04月15日 08:58 | 返信
膵がんの夫を在宅で看取りました。
ドルミカム使用しました。アンペック点滴でコントロールできない痛み(腰痛)があり、ドルミカムで緩和できました。
腹膜播種のため水さえもほとんど飲まない、一切の経口薬は使えない、NSAIDsもいまひとつのコントロールといった状況でした。
そういう例もあるということで。
Posted by ERI at 2012年06月04日 11:37 | 返信
終末期せん妄で身の置き所がない方、呼吸苦、全身倦怠感、不眠、オピオイド等痛みがとれない場合には、
必ずしも必要でないとは言い切れないとれない思います。
Posted by MISA at 2013年04月18日 08:36 | 返信
在宅は、自然に任せるは、一種暴論に聞こえます。
何のためのホスピスなんでしょう?患者、家族とお話相手していればケアなんでしょうか?
Posted by 勤務医 at 2013年05月26日 09:31 | 返信
「お話相手」が軽蔑を含めた言葉に聞こえるのは私だけでしょうか?
自然に任せない過剰な医療があるからこそ、苦しむ患者さんがいるのは事実です。然も、少数ではありません。
どうぞ外の世界をご覧になってください。
Posted by take at 2013年05月26日 10:35 | 返信
セデーションが必要ないという考えを教えてください。
Posted by 中塚 at 2016年10月07日 01:05 | 返信
11歳の娘が在宅にて小児脳幹部グリオーマで亡くなりました。
ターミナルでドルミカムを使用しました。
脳腫瘍の為、意思疎通も出来ない、頭痛、嘔吐反射、辛い症状が沢山ありました。
自然な逝き方は選択できませんでした。
「少しでも楽に」
子どもにとって強い薬だと思いますが、夜中に目を覚ました時がありました。
目の表情はとても穏やかでした。
それが最後の目の挨拶となり10日後に亡くなりました。
過去を肯定したい気持ちもありますが、ドルミカムを使わなかったら、
と思うと見ていられなかったと思います。
状況に応じての使用は、病院だとか、在宅だとかは関係なく、
制度の高い判断が医師に委ねられると思います。
判断とは情報の蓄積。
必要な患者がいることも御理解ください。
Posted by のぶ at 2017年02月24日 10:57 | 返信
83才の母は 悪性リンパ腫の終末期に入っていて 腸に穴が開いて 腸閉塞と腹膜炎をお越し ドクターから 今日 明日が 山だって言われて ドルミカムを点滴して1週間 今は0,3㎎投与して 熱も39度台です。ドクターも 凄い精神力だと言っていますが あとどれくらい持ちますか?
Posted by 川村 香 at 2019年06月19日 11:02 | 返信
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