仙台空港は９月の相馬野馬追いの時より、綺麗になっていた。
レンタカーカウンターに直行。
うまい具合に、プリウスが１台だけ空いていた。

普段はレンタカーは満員だそうだ。
正月だから飛び込みで借りれたそうだ。
ダメだったら、電車で行こうと思ってはいたが。

名取、仙台、石巻はさすがに、辛い。
石巻は、昨夜、長淵剛が歌っていた場所だ。
南三陸あたりに来ると道が真っ暗で迷いそうになる。

しかし一度は来ているので何となく覚えがある。
仙台は仙台、石巻は石巻、南三陸は南三陸の匂いがある。
道の雰囲気も全然違う。

数軒のコンビニに寄ってみた。
仮設コンビニもあれば新築コンビニもある。
「コンビニこそが復興の象徴」だと気がつく。

２０時閉店のセブンイレブンもある。
おにぎりやサンドイッチを夕食にしながら
気温ゼロ度の道を、ひたすら上に登る。

伊丹から４時間半で、気仙沼まで着けるのだ。

本吉を超えたとことに面瀬中学がある。
校庭が１５０世帯の仮設住宅になっている。
そこに黒田裕子女史がボランテイアで張り付いている。

そう、日本ホスピス在宅ケア研究会の活動拠点だ。
私は理事でりながらも、役割を果たせていない。
ちなみに尼崎市は気仙沼市を支援しているのもご縁か。

４人のイケメン大学生と、２人のベテランボランテイアと
去来川女史らが、今日の反省会をやっている途中に乱入。
日付けが変わるまで９人で話し込んだ。

こんな真面目な若者たちが日本にいるんだ。
日本はまだまだ大丈夫。
地元気仙沼出身の大学生も一緒に頑張っている。

彼は実家にも寄らず、中学校に寝泊まりしている。
「面瀬の東方神起」と命名してみた。
私とは親と子の年齢差だ。


仮設住宅は高齢者や要介護者が多い。
行き場の無いストレスが、渦巻いている。
黒田女史が阪神の経験活かしながら巡回している。

黒田女史の凄まじいエネルギーに敬服。
男子７人とも、黒田女史の話に釘付けに。
みなさんは寝袋で雑魚寝を続けている。

私は朝が苦手なので、どこか空いている安宿を探して、車を走らせた。
しかしどこも空いていない。
というか、ホテルは市内にたった３軒しかなかった。

２軒は閉まっていた。
最後の一軒を訪ねた。
深夜１時過ぎなので、フロント係も寝ていた。

諦めながら聞いてみたら、一部屋だけ空いていた。
ラッキー！どうも今日はそんな日のようだ。
外は氷点下。

たったひとりで、大きな風呂にドブンとつかってみた。
１年ぶりの入浴。（ゴルフ場を除く）
幸せ、幸せ。

露天風呂からは、澄み切った星空と
気仙沼湾がかすかに見える。
９ケ月前の悲劇が嘘のように穏やかな気仙沼湾の空気をいっぱい吸いこんだ。

明日は（もう今日か）、黒田女史の指示で動く。
学生時代に戻ろう。（何十年前や？）
面瀬仮設住宅の方方とお話をさせて頂こう。

本当に贅沢な正月を送らせて頂いている。

生かして頂いてありがとうございます。