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最も看取りに近い人が集うのに、最も看取りに遠い場所

2012年01月05日(木)

最も看取りに近い人が集まっているのに、最も看取りに遠い場所がある。
それは、グループホーム(GH)だ。
多くの場合、そこでは、「死」は、完全に「外注化」されている。
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グループホーム(GH)とは、認知症の方が集団生活する場。
9人が1組になっている。
たいてい、2組か3組だ。

たいてい8~9割が女性。
比較的元気なひとが多いが、寝たきりに近いひともいる。
医療介護費全部含めて、月に20万円位かかるので、比較的余裕がある人の施設だ。

80代、90代が多い。
平均寿命をとっくに超えている。
ということは、いつ死んでもおかしくないし、必ずある頻度で死んでいくはず。

肺炎を起こせば救急車で入院させられる。
そこで治せるのに、とにかく入院させたがる。
早い話、手のかかる人は早々に厄介払いされる。

これまで見てきたGHは、すべて看取りを嫌っていた。
看取ったことが無いという理由のほかに、職員の介護効率がある。
ついの住処を謳いながら、最期は必ず追い出される施設が多い。

GHとは、最も看取りに近いひとの集団とも言える。
また、GHとは、一般の住居と全く同じ扱いで主治医は外から入れる。
残念ながら外部からの訪問看護には、大きな問題があるが。

しかも、24時間365日、介護者が常駐してくれている。
これほど看取りに適した場所はない!!!
私に言わせれば、「看取りに最適な場」、それがGHだ。

しかし、現実は真反対だ。
そこには、営利企業の利潤至上主義の体質がある。
モラルハザードという言葉が、ここでも登場してくる。

施設(特養、老健)での看取りが、クローズアップされている。
この数年、大きく変わってきた。
どんどん看取る特養が増えてきた。

しかし、ガラパゴスのように完全に取り残されているのが
GHであると痛感する。

とても不思議な場所だ。

しかし、諦めずに、押しかけの「看取り研修」を
続けている。

一人看取れば自信がつく。
それを勉強してほしいのだ。

そんな役割も、町医者の仕事だろう。





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