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アルツ予防シリーズ1
2012年01月13日(金)
おそらく、これが一番みんなが知りたい話題だろう。
健康長寿は、「ボケ予防」から。
産経新聞 ・兵庫版 1月7日朝刊より転載
アルツ予防シリーズ1
100歳長寿者に学ぶボケ予防
EPAとオレンジジュースでアルツ予防 長尾和宏
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。昨年は震災や原発事故で大変な一年でした。今年も何かと厳しい年になるでしょうが、こんな時代こそ「健康第一」です。今日から新たに、「アルツハイマー型認知症(以下「アルツ」と略します)予防シリーズ」というテーマで書きます。町医者をしていると、年々アルツ患者さんが激増していることを確信します。もの凄い勢いです。このままでは、日本の将来はどうなってしまうのだろう?と本気で心配になります。昨年、アルツの進行を遅らせるお薬が3つ発売されましたが、根本的に病気を治すお薬は残念ながらまだありません。今私たちにできることは、「アルツ予防」です。アルツ予備軍(MCIといいます)を同定して、それをターゲットにしたアルツ予防の時代になりつつあります。心筋梗塞や脳梗塞を予防するには、生活習慣病に注意することです。これと同様にアルツも予防可能な病気と認識することが大切です。高齢になるほどアルツになる確率は高まります。しかしMCIは、すでに40歳代から始まっています。このシリーズは、30代、40代の若い世代の方にも是非読んで頂きたいと願います。第1回目は、アルツを予防する食事について、科学的根拠のあるものからご紹介します。
100歳長寿者の研究が盛んに行われています。何故、彼らはボケずに長生きできたのでしょうか?聖路加病院の日野原重明先生の食生活は、広く公表されているのでみなさん良くご存知でしょう。朝、昼を軽くして、夕食にステーキを少し食べる。日野原先生は、小食とオリーブオイルを強調されています。一方、アルツになり易い危険因子が既に分かっています。糖尿病、高血圧、うつ病、大量飲酒、タバコ、睡眠障害などです。飲酒については昨年末に詳しく書きました。少量飲酒は長寿にプラスですが、大量飲酒はがんを増やしたり、うつになったり、アルツを生み出します。
ボケずに115歳まで長生きされた、ヘンドリック・ヴァン・アンデル・シュパーさんというオランダ人女性の食生活が注目されています。彼女は死後、ご自身の希望で脳が解剖されその所見が学会発表されました。驚くべきことに彼女の脳の海馬には全く委縮が認められませんでした。113歳時の認知機能検査でも全く正常でした。論より証拠で、彼女の食生活をご紹介します。彼女の大好物は、ニシンとオレンジジュースでした。彼女は、ニシンを生で毎日一切れ以上必ず食べていました。ニシンは、イワシやサバと同じく背の青い魚です。これらはEPAやDHAが豊富な食品として有名です。栄養価が失われない調理法として、1位は刺身(生)、2位は塩焼き、3位は照り焼き、4位は煮着け、5位は揚げ物だそうです。EPAやDHAは動脈硬化を予防する食品としても有名ですね。日本人は、魚を多く食べる民族なので長寿と言われています。青魚は、アルツ予防のみならず元気で長生きの「基礎」であると思います。さらに彼女は毎日、一杯のオレンジジュースを飲まれていましたが、その根拠につては次回に説明します。(続く)
キーワード:MCI(Mild Cognitive Impairment)
軽度認知症。物忘れを自覚しているが、日常生活には差し支えが無く周囲にも迷惑をかけない状態。約半数が数年後に認知症に移行すると言われているが、認知症に至らない人もいる。
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