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深夜の死にたい往診

2012年01月22日(日)

昔、在宅医療で診ていた老女から土曜の夜になると電話が何度もかかる。
有料法人ホームに入居しているが「ここから脱出したい、出れないなら死にたい」と。
あまりに深刻そうなので、深夜に車を走らせた。
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「介護付き有料老人ホーム」と、立派な看板がかかっていた。
しかし、その老女の布団は、ホームレスのように黒く汚れていた。
よく見ると、便が一杯付着していた。

便の中に寝ていても、「介護付き」なんだ。
入居費は、何百万、いや一千万円を超えるのか?
子供たちは、最高の親孝行をしたと思っているのだろう。

ご本人は、「ここを出たい」の一点張り。
壁には、ビッチリ埋まった「予定表」が貼ってある。
医師やマッサージ師の訪問予定も貼られている。

しかし、本人は、「医者に診てもらったことはない」と言い張る。
ヘルパーが慌てて弁明する。
要するに、本人には、診療された気がしていないだけなのだ。

カラオケもあるので、「楽しそうだね」と聞くと、
「ここは全部、騙しや!」と叫ぶので
ヘルパーがまた慌てるい。

介護付き有料法人ホームという、いま流行りの
高齢者ビジネスの実態を垣間見ることとなった。
そこに出入りする、「往診専門クリニック」の実態も。

永田町に行くと、そんな医者と一緒に見られるのが辛い。
私は、ひとつひとつ手作りでやっているのだが・・・
そんなビジネス在宅会社は、大量生産主義。

訴えられないように、何重にも安全弁を設けている。
私には、そんな安全装置を持たずに素手で家に入っていく。
訴えられることなど、ない!という変な自負があるから。

北朝鮮じゃなにが、勝手に脱北させることはできない。
複雑な気持ちの往診だった。
いや、深夜のボランテイアだった。

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この記事へのコメント

巷では
非常にぼこぼこと「高専賃」という名から「ケア付き高齢者住宅」と名前だけを変えて建っています。
”思うようなケアなんてついてないですよぉ”と話をしても
どんなに素晴らしいケアがついているのかと皆さまご期待をされます。

今度の介護保険の改正も負担増になることを利用する人は知らない。
まやかしばかり
小手先の事ばかり振り回されてることにたくさん気づく必要があるんですがね…。

Posted by きみきみ at 2012年01月24日 11:52 | 返信

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