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日野原先生のCOPD講座
2012年01月29日(日)
あの100歳ドクターの日野原先生が、COPDについて解説されている。
一方、「肺がんの診断を受けても3分の1が喫煙している」、という報告もある。
日野原重明の100歳からの人生
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは何か
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=53511
最近有名な芸能人が、慢性閉塞性肺疾患(Chronic
Obstructive Pulmonary Disease:
COPD)にかかって闘病しているニュースを聞いたりするためか、
肺炎とか、気管支炎とか喘息という名はよく知っているが「慢性閉
塞性肺疾患」とは何かと、よく聞かれる。日本人の寿命が延びて高
齢化するにつれて増加する慢性病の中で一番注意を要するものだが、
いざ「慢性閉塞性肺疾患とは」と言われると、かなりのインテリで
も、また皆さんがかかっている開業医の先生方も、これをよく説明
できないと本音を聞かされるのである。
この病気は、呼吸器の病気なので、日本呼吸器学会がこの病気の
ガイドラインを初めて発表したのは、やっと1999年、つまり1
3年前のことだった。
その10年後、つまり2009年、今から2年前に改定3版とし
て次のように分かりよいガイドラインが発表された。
ニコチンなどの有害物質で気道が炎症
「煙草煙を主とする有害物質を長期に吸入暴露することで、生じ
た肺の炎症性疾患である」。つまり煙草の煙に含まれるニコチンそ
の他の有害物質に気道が触れることで起こされる炎症のことである。
呼吸機能検査というと、肺活量を図る時の器械を用い、1秒間に
思いっきり早く空気を吐かせ、排出された排気量を数で表す(1秒
率)。この検査をスパイロメトリーと呼ぶ。この値が健康者の計測
値の80%以下に下がるのを異常とする。
COPDは息(空気)を吐き出しにくくなる病気であるが、この
検査で肺に吸い込まれる空気の量(肺活量)と、1秒間に吐き出さ
れる量を調べることで、肺機能低下の程度が分かる。
先のガイドラインは次のように続く。
「気道閉塞は、末梢気道病変(気道の奥の気管支-細気管枝)と
気腫性病変(肺胞)がさまざまな割合で複合的に作用することによ
り起こり、進行性である。臨床的には徐々に先んじる体動時の息切
れや、慢性の喀痰を特徴とする」。それがCOPDなのである。
COPDには2種類のタイプ
COPDには、気管支が狭くなるタイプ(気道病変性タイプ)と
肺胞が壊れる気腫型とがある。
COPDは病気が進むまで自覚症状がない。それでつい医師の診
察を受けることが遅れる。
そこで煙草を吸っている人、今は禁煙していても、昔は喫煙して
いた人はCOPDにかかっている人なのである。日本人は米国、カ
ナダに比べて喫煙率が高いので、日本人の40歳以上のCOPD
有病率は8.6%、患者数は530万人と推定されている。しかし、
2008年の厚生労働省の調査では、そのうち17万人程度しか治
療を受けていないとのことである。
推定患者530万人のうち、治療は17万人
煙草を吸う人は肺がんになる率が非常に多いことからも、禁煙者
の寿命は短いことは確かである。風邪をひいたり、インフルエンザ
にかかると、COPDの人の死亡率は特に高いことを併せて伝えた
い。
1年に1回は人間ドックで検査を人間ドックの検査では必ず肺機能
検査を行うので、この際1年1
回の人間ドックもお勧めしたい。
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肺がん患者の約3分の1は診断後も喫煙中- 米専門家らが調査
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/36473.html
医療ライター 松木光
肺がんと診断された米国の喫煙者の約3分の1は、診断後も喫煙を
継続していることが、米マサチューセッツ・ジェネラル・ホスピタ
ルのElyse R. Park氏らの研究で明らかになった。原題は「A Snapshot
of Smokers After Lung and Colorectal Cancer Diagnosis」で、
「Cancer」誌電子版で23日、報告された。
喫煙歴は、肺がんの罹患率との明らかな相関が報告されており、大
腸がんでも罹患率・死亡率の増加との関連が示唆されている。Park氏
らは、米国立がん研究所による肺がんと大腸がんの大規模コホート研
究である「CanCORSコンソーシアム」で行った電話調査の結果から、
患者の喫煙歴と、診断から5か月後の喫煙状況について検討した。
同コホート研究では、03-05年に1万人を超える患者が登録された。
患者からの回答率は51%で、Park氏らは、肺がん患者2456人と大腸が
ん患者3063人の回答結果を解析した。
その結果、肺がん患者の90.2%が診断時点か過去に喫煙習慣があり、
診断時点の喫煙者は38.7%、診断後も継続して喫煙していた患者は14.
2%で、診断後の非禁煙率は37%と、全体の約3分の1だった。大腸がん
では、診断時点または過去に喫煙習慣があった患者は54.8%、診断時
点の喫煙者は13.7%、継続して喫煙していた患者は9.0%で、診断後の
非禁煙率は65.9%と、肺がんより大腸がんの方が、非禁煙率が有意に
高かった(p<0.05)。診断時に喫煙習慣があった患者の過去の平均最
大喫煙本数は、肺がんで1日当たり31.1本、大腸がんで同26.6本と、肺
がんで有意に多かった(p<0.001)。
喫煙者のがん診断後の継続喫煙率を病期別に検討したところ、肺が
んでは、治癒が見込めるⅠ―Ⅲ期で11.3%、治癒の可能性が低いⅣ期
で17.5%と、Ⅳ期の患者で有意に高かった(p<0.001)。一方、大腸
がんではⅠ―Ⅲ期で8.9%、Ⅳ期で9.7%と差は認められなかった。
Ⅰ―Ⅲ期の早期肺がん患者の診断後の喫煙継続の独立した因子は、
化学療法非施行、手術非施行、心血管系疾患の既往、低BMI、1日当た
り平均最大喫煙本数など(すべてp<0.05)。Ⅰ―Ⅲ期の早期大腸がん
患者では、男性、高等教育歴あり、手術非施行、1日当たり平均最大喫
煙本数などだった(すべてp<0.05)。
Park氏らは、本研究は禁煙と再発予防に関する患者との対話の重要
性を強調するもので、患者への禁煙指導は、がんの種類に応じて取り
組みを検討すべきだと指摘している。
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