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診療所にもMSW?
2012年01月29日(日)
診療所にもMSWを!というと驚く人が多いので、地域にもMSWを!と言っておこう。
「医療タイムス1月号」に掲載された連載記事から転載させていただく。
冬の時代の診療所経営 1月号
診療所にも求められる「連携機能強化」 長尾和宏
いよいよ本格的な地域包括ケアの時代を迎えます。病院と診療所の連携や機能分化のみならず、「医療と介護の連携」も診療所経営者にとって重要な課題になってきました。当院は、複数医師で外来と在宅を同時並行で行う「ミックス型診療所」です。そのため、日々膨大な数の診療情報が、様々な医療・介護系施設と飛び通っています。半端な数ではありません。もはや医療事務や医師が片手間にこなせる仕事量ではないと判断し、数年前から「地域連携室」を設置しています。現在、MSWを含む3人の専従スタッフを配置しています。その他、同一法人下の訪問看護ステーションにも連携業務専属のスタッフを配置しています。それでも連携業務は膨大です。退院調整やそのための会議は、MSWや訪問看護師に任せることが増えてきました。岐阜県の小笠原先生は、Total health planner(THP)という職種の有用性を提唱されています。在宅医療における医療と介護を統括する役割を担います。たしかに、医師とケアマネの連携が円滑に行かないケースも少なくなく、現場の人間としては、THPの必要性を痛感する機会が増えてきました。ちなみに当院では、訪問看護師が、自然発生的にTHPの役割を果たしています。
病院のMSWさんの役割もさらに大きくなります。診療所のMSWは、医師や看護師と一緒に在宅を回っていますが、病院のMSWさんの多くは在宅現場を御存知ないように思います。病院のMSWさんには事あるごとに「時には書を置いて、町へ出て下さい。どうか地域や生活もしっかり見てください」とお願いしてきましたが、残念ながらあまり実現しておりません。診療所の敷居が高いのでしょうか。大学病院や研修病院から研修医が当院に地域医療研修に来られますが、もし可能であれば、研修医と一緒に病院のMSWさんも研修に来られたらどうでしょうか。これは診療所にとって決して雑用ではなく、高い診療報酬を得ている在宅療養支援診療所の責務であるとも思います。
地域包括ケア時代において、その受け皿である地域の診療所においても「連携機能強化」は急務であると思います。MSWや事務員さんなどそれにかかる人件費は、連携加算として充分に担保されると予想します。できれば現行より簡便で実用的な保険ルールになることを強く期待します。医師以外の医療スタッフの連携コストも重要です。また、決して「連携のための連携」にならよう柔軟な診療報酬規則であって欲しいものです。
超高齢化社会における医療の主役は慢性期医療になります。そこでは、地域の診療所、在宅療養支援診療所、地域の慢性期病院との密接な連携が不可欠です。在宅療養支援病院の連携機能の強化も急務です。さらに診療所の連携スタッフと「地域包括センター」のスタッフとの連携も、これまで以上に重要になってきます。診療所経営者は、在宅機能を担うか否かに関わらず、地域連携に関わらなければ診療できない時代になりました。診療所が病院よりも率先して「地域医療連携」、そして「医療・介護の連携」に取り組む時代になって来たと感じます。
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