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抗がん剤の日に亡くなる

2012年01月30日(月)

1~2週間毎に、がん拠点病院で外来抗がん剤治療をしている患者さんが多い。
点滴した翌日は訪問看護で元気ずけるが最近、抗がん剤予定日に亡くなる人が多い。
すなわち、亡くなる寸前まで、あるいは亡くなる瞬間まで抗がん剤をしているのだ。
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亡くなったばかりの患者さんの口の中に
抗がん剤が残っていることが多い。
そこまで飲まなくてもいいのに・・・

しかしがん拠点病医の主治医に
「死ぬまで飲むように」ときつく言われているので、止めない。
まあ、死を早めるという意味の「緩和ケア」のつもりかもしれない。(冗談です)

抗がん剤もいいけど、
ちょっとやり好き。
がん拠点病院と名乗るなら、誰か一人くらい、ストップをかける人がいないのか。

賢い患者さんは、町医者に相談する。
「そんなもん、やめとき!」
たった、3秒で患者さんの抗がん剤の迷いは解消する。

抗がん剤の日に亡くなる、抗がん剤点滴予定日に
亡くなる患者さんを看取るたびに、切なくなる。

何のための医療?
何のための抗がん剤?

抗がん剤のための抗がん剤。
腫瘍内科医のための抗がん剤。
製薬会社や研究者のための抗がん剤。

昨夜は、患者さんに添い寝した。
正確には、腕枕でさすっていた。

結局、一睡もできなかった。
仕事がひと段落ついたら、朝、だった。


しかし、ブログランキングが上がったので気分がいい。

みなさま、本当にありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!

数分間のわずかな時間でこのブログや
朝日新聞電子版の記事を書いている。

誤字脱字が多いですが、どうか大目に見てください。
分かっているけど、修正する時間がありません。

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この記事へのコメント

初めて、ブログを拝見させていただきました。
和歌山県のとある病院で消化器外科医として勤務しております、
先生より20歳年下の医師です。

先日の朝日新聞の声欄にも掲載されておりましたが(そのときは胃がん術後抗がん剤投与をされておられます
患者様からの投稿で、抗がん剤を継続するかどうかを迷っておられる内容でした。)、
何のための抗がん剤か、誰のための抗がん剤か、
その点においては、日本の医療は、特に、議論が遅れているのではないかと
感じることが多い気がします。

私、個人的な意見ですが、まずは、患者様がどのような生き方をしたいのか、
ただ単に長く生き続けることを優先するのであれば、抗がん剤を続けるという選択肢も
一理あるのですが、
できるだけ長く生き続け、かつ、自分のやりたいことを可能な限り続けたい、
(実際の診療ではこのような希望を持たれる方が一番多い気がします)
そのような方には、抗がん剤などの治療を行いつつ、医療としてのケアサポートを
充実させる、という選択肢が非常に重要なのではないか、とつくづく感じる次第です。

医療についても、患者様が本質的に何を望んでおられるのか、このことを
見つめることが、今後のキーファクターになっていくのではないでしょうか。

Posted by 重っちー at 2012年01月31日 03:19 | 返信

がん拠点病院に勤めています
何のための医療か?何のための抗がん剤か?
いつも思います。レジメンがセカンド、サードラインに達し、治療の結果が無効になってきていても医師は「患者さん、または家族が希望するから」という理由で治療は続けられる。
患者さんは「先生が言うから」と話す。
「辛い、しんどい。もう治療やめる」と患者さんが言われていることを主治医につたえても「いつものことだから」と聞く耳を持たない。

一体何のために治療をしているのか。
振り向いてくれない医師に、何度も繰り返し患者さんの気持ちをつたえる。
でも、何も変わらない、今のところ。
コミュニケーション能力と知識、両方の能力をもっともちたい
そしたら、医師は少しでも振り向いてくれるだろうか

Posted by はる at 2012年01月31日 06:47 | 返信

3年前、父を在宅で看取りました。
父には告知せず、外来で抗がん剤治療を続けましたが、本人の辛そうにしている様子に、抗がん剤を中止し、半年後に亡くなりました。
抗がん剤を続けていれば…、考えても結論は出ないのですが、今も心のしこりになっています。
亡くなる日まで抗がん剤治療を受けるのも、選択肢の一つではないでしょうか?

Posted by Kazu at 2012年01月31日 07:52 | 返信

私見ですが、、、
実父は9年前に胃がん(ステージ3a)
胃切除後の補助化学療法の治験としてTS-1を約1年間服用しました。
胃を切除したわけですから、当然体重が半年で25kg減少。
抗がん剤服用中の1年間は副作用に苦しんでいた、また高額な薬代も
貧乏人には大変な負担でした。
当時のSⅢa(T3N1)の進行度での5年生存率はたしか60%程度ではなかったでしょうか? 現在ではたしか、胃がん術後においてTS-1の補助化学療法としての使用はデフォとなっていると新聞か何かで知ったような?
現在、ピンピンしている父を見ていますと、自分がそうなった場合は補助化学療法であれば積極的に受ける。しかし、時、既に遅し(ステージ4)の場合や再発・転移の場合は緩和ケアを考えています。
長尾先生のブログを数年間拝見させていただいて、このような考えに至りました。

Posted by kawasaki at 2012年02月01日 11:45 | 返信

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