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高血糖とアルツ
2012年02月19日(日)
高血糖とアルツの関係につての小文。
「糖尿病性認知症」という言葉さえあるくらい両者の関係は深い。
アルツ予防シリーズ第7回 糖尿病とアルツハイマー病の関係
高血糖と認知症の悪循環
糖尿病とアルツハイマー病の深い関係が注目されています。糖尿病は約700万人もの患者さんがおられる国民病。たしかに糖尿病の患者さんを長期観察していくとアルツになる人が沢山おられます。一般に糖尿病があるとアルツになる危険性が2倍~数倍高いといわれています。現在インスリンの4回打ちをしている人は最期にどうなるのでしょうか?実は、その患者さんのお家を訪ねると冷蔵庫の中にはインスリンが大量に溜まっているケースに時々遭遇します。そう、インスリンを打つことを忘れているのです。病院で黙っているので半自動的に次のインスリンが処方されます。病院の先生はまだアルツに気がついていません。臓器別縦割り医療の限界でもあります。糖尿病はアルツを悪化させ、アルツは糖尿病を悪化させます。そう、両者は悪循環の関係です。従ってアルツ予防とは、糖尿病予防そのもの。では糖尿病になれば、アルツの原因物質であるβアミロイドが何故増えるのでしょうか?実は、そのあたりのメカニズムさえまだ完全には解明されていません。
そもそも糖尿病とはどんな病気でしょうか。ブドウ糖は小腸から吸収され全身の細胞で利用されます。そのためには膵臓から分泌されるインスリンが必要です。しかしその分泌が足りないか効き目が悪いとブドウ糖は上手くエネルギーに変えられずに血中に居残ります。これが「高血糖」です。すなわち糖尿病とは、「インスリンの効きが悪くなる状態」ともいえます。さらに血糖値の急上昇や急下降を繰り返す人がアルツになり易いことが分かっています。また低血糖発作もアルツを進行させるので絶対に避けなければなりません。認知症を伴う糖尿病患者さんの血糖管理には、このように実に様々な工夫が必要です。
血糖値を上げやすい食品と、上げにくい食品が知られています。血糖の上昇し易さを表したGI(グリセミック・インデックス)という指標があります。高GI食品として、白米御飯、食パン、うどん、キャンデイ、缶コーラ、缶コーヒー、精製白パン、ドーナツ、フレンチフライなどがあります。いわゆるファーストフードが多く、これらを全く食べない生活は考えられません。一方、低GI食品としては、野菜、キノコ類、海藻、大豆、魚、玄米ご飯、オクラ、モロヘイヤ、長イモなどがあります。私などは3食ともファーストフードの時がよくありますから、相当なアルツ危険群ですね。高GI食を出来る限り減らす工夫が大切です。食事の全体量も減らして、夜より朝に食べたいものです。
飽和脂肪酸と砂糖を防ぐことも大切です。マーガリンに多く含まれるトランス脂肪酸という悪い油が脳に悪影響を及ぼします。マヨネーズ、ケーキ、ポテトチップス、サラダドレッシングなどを摂りすぎないように気をつけてください。アメリカ人は、総エネルギーの11%を飽和脂肪酸で摂っていますが日本人は8%。飽和脂肪酸の摂取量をもっと少なくすることが大切です。牛乳やヨーグルトもできるだけ脂肪分の少ないものを摂ってください。よく糖尿病は合併症が怖いと言われます。網膜、腎臓、神経の三大合併症が有名ですがアルツも大切です。「糖尿病性認知症」という言葉さえあるくらいです。「アルツは脳の糖尿病である」として認識しておいてもいいかと思います。
キーワード GI(グリセミック・インデックス)
栄養素の内容成分が同じであっても、食後の血糖の上昇が異なることがわかり食後2時間後までの血糖の上昇度を数値化したものがGI。基準食品を100として他の食品と比較するための指標。
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