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運動によるアルツ予防
2012年02月19日(日)
「運動によるアルツ予防」産経新聞2月11日掲載記事。
書いてはいるが、なかなか実行できない。
アルツ予防シリーズ第6回 運動によるアルツ予防
1日30分歩いて、1口30回噛もう
アルツ予防食5話の次はアルツを予防の運動です。結論から言えば、「運動でアルツが予防できる」ことが多くの研究から明白です。みなさまの疑問は「ではどんな運動を、どれくらいの時間行えばいいのか?」でしょう。実は運動による差はほとんどありません。時間については、1日30分週に5日間、すなわち週に150分の運動をするだけで寿命が4年も伸びるそうです。それも無理な方はたとえ1日15分の運動でも十分に効果があります。ある研究ではテニス、自転車、水泳などを週に50分する高齢者は運動を全くしない高齢者に比べて、アルツになる危険が25%も低かった。別の研究では中年から運動した人が認知症予備軍になる危険が39%、高齢者になってから実行した人は32%減少しました。男女差はありません。
ヨガ、エアロビクス、速歩など運動は本当になんでもいいです。要は、運動するか、しないかです。運動しないと必ず内臓脂肪が貯まります。その内臓脂肪から炎症性物質が血中に放出され、脳内の神経細胞の慢性炎症が起こり最終的にアルツになります。屋外で運動出来ない方は、室内での筋トレでも効果があります。筋肉量の少ない高齢者ほど認知機能が低下しアルツになり易いという報告もあります。最も筋肉量の多い高齢者群は、最も筋肉量の少ない高齢者群に比べてアルツになる危険が61%も低かったそうです。そう、「老化とは筋肉量の減少!」なのです。
では、どこの筋肉が減るとアルツになり易いのでしょうか。それは握力、胸の筋肉、腹筋です。その中でも、握力に注目しましょう。握力が加齢で低下するとアルツになるリスクが高まります。そこでダンベル体操を週に1~2時間、これを1年間続けることで10%も認知機能が高まることが分かっています。毎日30分歩くのが難しい人は、ダンベルを購入して体操してください。ダンベルが無ければ自分の腕の筋肉を重りとして腕を上げ下げしてください。これはどこにいてもできます。私は中年以降の方には激しい運動を勧めません。激しい運動は活性酸素を増加させアルツ予防には逆効果になるからです。何事もほどほどが一番。1日30分歩くだけでも充分。歩くことの効用は、骨粗鬆症⇒寝たきりというコースを予防することでもあります。しかし現実には、転倒⇒骨折⇒入院⇒寝たきりとボケ、という最悪コースを辿る方の多いこと!「寝たきり予防」の観点からも、歩くことの効用はとても大きいのです。
ところで「食べる」という動作も実は立派な「運動」です。左右のあごの筋肉を結構使います。100歳長寿者は、みなさんよく噛んでいます。なかには1口ごとに60回噛む人もいますが、現実的には30回噛めば充分でしょう。できれば1回の食事に30分以上かけたいもの。さらに、自前の歯の本数はアルツと密接に関係します。自前の歯が少ない人ほどボケ易いことも分かっています。実はボケ予防は、子供時代から始まっているのです。最近、うつとアルツの関係がにわかに注目されています。実は運動は、うつにもよく効きます。運動がSSRIという抗うつ薬の効果より勝っている、とは驚きですね。1日30分歩いて、1口30回噛むという簡単な運動でアルツを予防しましょう。
キーワード 100歳長寿者
平成23年9月15日時点で100歳以上の高齢者は4万7756人(前年比3307人)いて41年連続で過去最多を更新した。女性が4万1594人で、全体の87.1%でこの割合も過去最多だった。
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