- << 天皇陛下の退院と3.11
- HOME
- 風邪はかかりつけ医選びのチャンス >>
このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
恋愛でアルツ予防!?
2012年03月05日(月)
「恋愛でアルツ予防」みたいなことを書いたが、本当だと思っている。
2月25日(土)の産経新聞より転載する。
アルツ予防シリーズ第8話 アルツ予防とライフスタイル
結婚、カラオケ、社会活動、笑顔
アルツ予防シリーズの最終回は、アルツを予防するライフスタイルについて考えたいと思います。
アルツの危険因子に、「孤独感」が挙げられます。多くの科学的研究で孤独感を感じている人がアルツになり易いことが分かっています。もし「ひとりぼっちだなー、寂しいなー」と感じていればアルツ予備軍かもしれません。配偶者や家族との繋がり、社会との繋がりがアルツを予防することが明らかになってきました。フィンランドにおける有名な研究があります。50歳の男女1500人を対象に21年後にアルツがあるかどうかを調べました。パートナーのいる人は、いない人に比べて認知症のリスクは半分でした。一方、離婚、死別、結婚歴なしなどで独身ですごした人の認知症のリスクは2~3倍でした。一生独身を貫いた人は結婚を継続した人に比べてアルツのリスクは6倍でした。結婚を維持するための感情面の充実が脳に良いようです。異性の存在はさまざまな観点から人間に必要なもの。アルツになりたくなければ、結婚なり、人生のパートナーを得ることが大切です。最近は「事実婚」が増えているそうですね。アルツ予防の観点から、非常に良いことだと思っています。
次に頭を使い続けることが重要です。日野原先生の仕事ぶりを見れば明らかです。読書、芸術、料理、瞑想、ヨガそして音楽などです。特にカラオケが超お勧めです。歌うという行為には、多くの脳の働きが必要です。歌詞の読み取り、発音、音程とリズム、感情移入、腹式呼吸。どれをとっても脳を使う立派な「運動」です。カラオケはもはやどこでも誰でも利用可能です。孤独防止の観点からは、一人カラオケはどうかなとも思います。できれば少しお洒落をして気の合う仲間とのカラオケが、アルツを予防するのです。
さらに何がしかの社会活動に参加することも重要です。定年退職した後に何もしないでブラブラしていてはいけません。ボランテイア活動なり趣味のサークル活動なりスポーツクラブなり、自分が好きなものを選び存分に楽しむべきです。楽しんでいる人にアルツは近づきません。何らかの形で社会との繋がりを保つことを真剣に考えましょう。それが無いためにボケたひとを私はこれまで何人も診てきました。
最後に「笑顔づくり」を挙げておきましょう。アルツの人はみなさん口がへの字になっています。いつも怒っているひとが多い。認知症の始まりが「うつ」であることが最近注目されています。また周辺症状でアルツに気がつく場合もあります。笑顔を作るためには、脳の働きが重要です。表情筋を上手く動かすという適度な運度にもなります。毎日、笑顔で挨拶をして「ありがとう」と感謝の言葉を何度も発する。これだけでもかなりアルツを予防できると思います。諦めたらだめです。青魚、納豆、少食、歩くこと、笑顔、お金はかかりません。2人に1人ががんになりますが、私は2人に1人が認知症になると予想するものです。でも本当にそうなったら大変です。だからアルツ予防は、実は日本を救うことでもあるとの想いでこのシリーズを書いてきました。出来ることから是非実行してください。(アルツ予防シリーズ終わり)
キーワード 事実婚
婚姻届を出していなくても、夫婦としての認識が自他共にあり、事実上の夫婦関係がある場合を一般に「事実婚」呼ぶ。内縁関係ともいう。事実婚の夫婦間において、近年は一定の法的身分を認める傾向がある
- << 天皇陛下の退院と3.11
- HOME
- 風邪はかかりつけ医選びのチャンス >>
このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
コメントする
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL: