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風邪はかかりつけ医選びのチャンス

2012年03月05日(月)

産経新聞の次の連載テーマは、「医者選びシリーズ」とした。
かかりつけ医や在宅医をどうやって探したらいいのか、また
医療の仕組みはどうなっているのか、私なりに分かりやすく解説したい。
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3月3日の産経新聞・兵庫版から転載させていただく。


医者選びシリーズ第1回 「かかりつけ医」の見つけ方

  風邪は医者選びのチャンス

 

今日から8回、「医者選び」について書きます。世の中には、診療所や病院がゴマンとあります。しかしイザ急病になった時、どこにかかればいいのか?サッパリ分からず、救急車を呼ぶ方がいます。そして着いた先が希望しない病院だった・・・そのような苦い経験をされた方はおられませんか?ご馳走選びやワイン選びには熱心でも、医者選びには無頓着な人が多いような気がします。医者選びは、自分の命に関わる大切なこと。医者の専門分野や技量、人柄、そして自分自身との相性を総合して選ぶことが大切です。特に相性は理屈では無く感情と言ったほうがいいかも。もし相性が悪いと、患者も医者も損をします。


 とはいえ、例えば引っ越したばかりの新しい土地でどうすれば「自分に合うかかりつけ医」を見つけることが出来るのでしょうか?今日はこのことについて考えてみましょう。実は「風邪ひき」にヒントがあります。今の時期、高熱が出る人が多くいます。インフルエンザかもしれません。風邪で医療機関も敷居をまたぐその時こそが、実は「かかりつけ医」選びのための貴重なチャンスなのです。


 診察室に入る前、いくつかチェックしてみましょう。受付の態度はどうなのか。待合室の清潔度はどうなのか。待ち時間短縮のために何か工夫をしているか。それだけでも、患者さん本位かどうかが伺えます。隣で待っている常連さんに噂話を聞くもいいでしょう。待ち時間こそが、医者選びのための貴重な情報収集タイムなのです。そしてイザ診察室へ。患者の話をどれだけ聞いてくれるか。聴診器をちゃんと当ててくれるか。診たてや治療方針を分かり易く説明してくれるか。どれだけ休むか指示したか、また次回の受診日か等をちゃんと説明したか、ちゃんと目を見て話してくれたか。こうして見ると実に沢山のチェックポイントがありますね。書いている私も自信が無いのですが。


 実際にインフルだった場合、医者選びのための格好の実地テストになります。インフルには、4つの治療薬があります。タミフルという飲み薬、リレンザやイナビルという吸入薬、ラピアクタという点滴です。これらのお薬の長所や欠点をちゃんと説明して、患者さんの意向も聞いたうえで最良の選択肢を提示してくれたかどうか。たったこれだけの行為ですが、いくつかの普遍的な要素を含みます。たとえばインフルを「癌」に喩えてみましょう。タミフルを「手術」に、リレンザを「放射線治療」に、ラピアクタを「抗がん剤」に置き換えて考えてみれば明らかでしょう。相手(患者さん)の立場にたって分かり易く説明してくれる医者こそ「良医」なのです。テレビに出て来る「名医」は現実にはあまりいません。「迷医」ならいますが・・・。


 がんや難病に罹ってから慌てないためにも、風邪の時こそがいろんな医者にかかれるチャンスです。日本の医療の最大の自慢は国民皆保険制度。昨年、皆保険が出来てからちょうど50周年目でした。この制度のおかげで日本は世界一の長寿国を達成。その皆保険制度の最大のウリは「フリーアクセス」。保険証1枚で、全国のどんな名医にも診てもらえる、世界が羨む「画期的な医療制度」です。空気と同じであまり有難味を感じている市民は少ないかもしれませんが。(続く)

 

キーワード 国民皆保険制度

国民健康保険法に基づいて疾病負傷出産死亡に関する社会保険で1961年に制定された。日本の医療保険制度の根幹をなす。国保、社保などの略称で呼ばれる。

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この記事へのコメント

いやいや~、日本の医療保険はすごいです。
こちらでは医療費自体が高くて、一回の診察で1万5000円とかになります。
保険に入っていても高いので簡単に病院には行かないですけど
(風邪は寝て、オレンジジュースでビタミンCをとって治す!)
保険がなかったらとてもじゃないですが、病院には行けません。
収入が少なくて保険が買えないのに、そんな高いお金は払えない。。
救急車だって有料です。高いです。
だから急病でも何とかして自分で運転して、家族や友人に運転してもらって病院に行きます。
日本ほど手厚くなくてもいいのかもしれませんけど、
こちらはもちっとなんとかならないのかなぁ、と思います。

Posted by ノンノン at 2012年03月05日 01:35 | 返信

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