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グループホームと有料老人ホームの違い

2012年03月15日(木)

幸か不幸か、最近まで認知症施設とはほとんど無縁でやって来た。
高専賃なども含めて、ご縁のある時だけ、少しだけ関わってきた。
しかし最近、少しずつ、認知症施設と関わる機会が増えてきた。
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いろんな施設から訪問を依頼される。

昨日、一日だけでも

・グループホーム(GH)
・特養
・老健
・有料老人ホーム
・高専賃
などを、ご縁があって、訪問させていただいた。

どこもよく似ている。

どこがどう違うのか第三者に説明するのは
とても難しい。
どこに行っても、同じような雰囲気なのだ。

認知症の方ばかり。
それも女性ばかり。
国は、がんより認知症に力を入れるべきだと痛感する。

さて、GHについては、最近、かなり詳しくなった。

GHとは9人をひとつの単位にした集団生活施設。
通常、2ないし3ユニット。
すなわちひとつの施設に、18人か27人いる。

一方、有料老人ホームも、認知症患者ばかりだ。
胃瘻栄養の患者さんもいる。
真ん中に、食事をする大きな部屋があるのはGHと同じ。

医療は好きな主治医を選んで外から自由に往診できる。


では、GHと老人ホームは何が違うのか?

GHでは、入所者が厨房に入って料理を作ってもいい。
老人ホームでは、厨房に入ってはいけないそうだ。
食べるだけなのが、老人ホーム。

衛生面への配慮が違うのだ。
しかしここからがよくわからない。
老人ホーム入居者の認知症がひどいとGHに移動する。

認知症が悪くなるということは
衛生状態も低下すると思うのがだ。
その状態で調理をしても本当に大丈夫なのかな?

あと、GHには、9人当たりヘルパーさんが昼間は3~4人いる。
夜は1人の当直がいる。
結構、手厚い。

しかし看護師はいない。
週に1回だけ血圧を測りにくる看護師さんがいるらしいが
何のためにいるのかよく分からない。

一方、老人ホームには、ワンフロアーに沢山の入居者がいる。
20人以上はいる。
その割にはヘルパーさんは少ない印象だが、看護師さんがいる。

両者がどう違うのか、恥ずかしながら、よく分からない。

散歩について聞いてみた。

GHでは、ヘルパーさんが手厚いため、一緒に散歩をしてくれるが
老人ホームでは、人手が少ないために、散歩は難しいらしい。

GHのミニ特養化が指摘されている。
確かに似ている。
GHと特養。

どう違うのか?と聞かれたら、まず規模が違う。

特養では、午後は、いつも大宴会をしている。
演歌歌手が来ているのか?と聞いたら、施設の職員が歌っていたのだ。
毎日、「カラオケ公演」をしているうちに、ここまで上手くなるのだろう。

特養は大規模なので、賑わいがある。
都会の駅と、田舎の駅のような違い。
似ているような、似ていないような。

認知症患者自身が、厨房で調理をしていいかどうか?
散歩ができるのかできないのか?
看護師がいるのかいないのか?
訪問看護師が外から入れるのか入れないのか?
医師は、嘱託なのか、外づけなのか?
看取りに対応するのか、しないのか、元来する気がないのか?

これだけの設問に整合性を持って答えることができる役人がいるのだろうか?
たぶんいないのでは?
全て、行政の縦割りの産物ではないかと映る。

こんな現場を毎日歩いていると、この先、日本はどうなるのだろうと不安になる。
社会保障税一体改革や消費税の国会議論が車のテレビから流れている。
しかし、その前にやるべきは、戦略的な認知症対策ではないのか?

尊厳死議論すら、先進国中、日本だけ唯一大幅に遅れている。
5000m走に例えたら、日本国だけが3周遅れであることすら誰も知らない。
そんな指摘に、国民も国会もマスコミも本気で耳を傾けようともしない。

がんを診る医者は偉く、
認知症を診る医者は偉くない!?
本気でそう想っている人は、すでに認知症が入っているかも。

地域包括ケアの中核は、実は、認知症の包括ケアなのだ。
そのことに本当に気が付いている識者は、まだまだ少ない。

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この記事へのコメント

僭越ながら・・
>老人ホーム入居者の認知症がひどいとGHに移動する。

先生、これは逆ではないでしょうか?
GHは自立していることを要件にしていますので、
状態が悪化したら、特養に移行することを奨められます。

Posted by ねこ at 2015年03月19日 05:01 | 返信

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